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2357 非常に初歩的な質問なのですが先日我が家の納屋を掃除していますと
古い書類に「大日本帝国陸軍 試作襲撃機 中島キ115-2」らしき
絵が書かれていたのを見つけたのですがそれには車輪がなくソリのような
ものが機体下部にあるだけだったのですが着陸の際にこのようなソリ
で本当に着陸が出来るのでしょうか。
それとも元とはいえ特攻機として考えられた「中島キ115-2」は
着陸なんて必要ないとされていたのでしょうか?
ブラックペッパー

  1. 浅学なものでキ115−2という機体は知識に無くはっきりとした事は申し上げられませんが、キ115の“着陸装置”に関しては青木邦弘氏いわく攻撃終了後は胴体着陸し乗員と発動機を収容する予定だったそうです(氏はキ115は決して特攻機として開発したのではないとおっしゃっています)。
    八郎太

  2. 桜花とともに悪名高き「剣」のことですね。尾そりは短いパイプをV字型に組み立てた先に鋼板を溶接してクッションとしてゴムの塊をいれただけの簡単なもので、のちに飛竜の尾輪オレオを転用したとのことです。脚は引っ込み式でなく離陸後投下してしまうタイプで着陸は考慮されていなかったようです。第一回の試験飛行の際の着陸ぶりは手に汗にぎるもので、まるで荒馬が荒原を全力疾走しているようだったそうです。(日本軍用機の全貌)ろくに試験飛行せずに量産にはいったというからひどいもので出撃しないうちに終戦になったのが幸いでした。
    いっちょかみ

  3. キ115は 特殊攻撃機「剣」 ですね。武装は爆弾だけなんで実質特攻機ですよね。現実には1機も出撃しなかったのでなんともいえませんが、敵に会わなかったとき以外は胴着しないわけですよね。設計者は着陸も出来るように設計したでしょうが、特攻したら帰ってこれないと考えれば着陸は必要ないと考えられても仕方ないですね。私的には簡素化設計のあの機体での胴着はやばいのではなかったかとも思われますがどうでしょう?。
    隆盛

  4. 青木邦弘氏の手記によれば設計者サイドにあってはキ115の認識はあくまでも「単発単座爆撃機」であって設計部内の計画説明書には「主脚は工作困難な引込式を排し、かつ性能の低下を来たさないように投下式とし、着陸は胴体着陸とし人命の全きを期す」とされていたそうです。
    そして爆弾倉の両脇の部材がそり状に強化されていたそうです。

    軍側の仕様にあると言う「特殊攻撃機」が最初から特攻専用機を意味するのか私は解りません(これは諸先生方に是非教えを請いたいです)、またキ115が戦力化していたらまず特攻機として使われたとは思います。ただ機体の性格としては特攻に特化したものではなかった、と言う事なのかもしれません。
    八郎太

  5. 剣をテストした技術将校が、戦後青木氏が「あれは特攻機として設計した物ではない」と言っていたのを聞いて、
    「あんな初心者では帰還不能なひどい機体を作っておいて『特攻機ではない』とは何事!」と憤慨し
    特攻機であったことを認めさせた、と言うある技術将校の手記が昔「丸」にありましたが
    まぁこの話も今となっては闇の中へ埋もれていく話の一つなんでしょうな。

    3号電探

  6. >5. その言葉とは裏腹に、軍が初心者を95中練や白菊に乗せて生還どころか成功さえ期しがたい特攻に送り出していた事実を忘れてはいけませんよね。私は「剣」を特攻機だと考えていますが、純然たる自殺機である桜花と異なり「特攻以外の使い方もできる」と言うのは設計者の最後の良心ではないかとも思います。
    ささき

  7. 翼巾が短く、着陸速度が速い飛行機ではろくに飛行訓練も出来なかったでしょうし、爆撃訓練も出来なかったんでしょう。爆撃の照準器は装備されていたのでしょうか。適当に敵艦の上辺りに行って爆弾を投下した後帰還して胴着。機体は使い捨て。こんなことはとても想像できません。
    いっちょかみ

  8. 「剣」は確かに特攻機として計画され、特攻機として扱われた機体ではありますが、十九年秋頃、こうした簡易攻撃機の着想は海軍にもあり、後に橘花の設計に当る中島の設計グループの一部が短期間海軍版の「剣」と言えるようなコンセプトの機体の研究を行っています。「剣」のような機体を体当り攻撃以外の戦術で使うという考え方はとりあえず皆無では無かったと言う事でしょう。
    BUN

  9. 常々、「剣」については考えています。
    私は、少なくとも剣に関しては、主脚は、「離陸後投下」
    ではなく、紫雲のように「緊急時投下」にすべきだと思います。
    (「緊急時投下」なら、キチンとした緩衝装置と整流カバーが
    つくはずです)。
    毎回離陸後に投下してたのでは、索敵に失敗したとき
    脚同様、貴重な恒速ペラが一遍にパーです。
    剣jは、人道的な話だけでなく、技術的にも間違った飛行機だと思います。
    ただし、これはじっくり考えた後付けの屁理屈です。
    設計者を責めるつもりはありません。
    無頼庵

  10. 胴体着陸は砂浜を想定してたようですが。
    スミソニアンの同機の説明には 'special-attack' (suicide) missions との
    記述が、やはりありますね。
    この機体に関して、何年か前にテレビで放映されたような記憶があって、
    同時期に「航空ファン」で何回か議論まじりの記事が連載された気も。
    (引っ越し後の荷物が片付いてなくて、どの号か不明。すみません〜。)
    いずれにせよ、哀しい翼であると思います。
    MB

  11. 中島飛行機はずいぶんと空冷単発単葉機の設計製作の経験を積んでいるはずなんですが、
    なんでキー115にかぎって、安定性・操縦性・走行安定性があんなに劣悪なんですかね?

    堀越さんの雷電みたいに試作して一発で操縦性を極めて以後、改修の必要が無い場合もあれば
    零観のように試作期間に尾翼面積が2倍にもなるケースもあるわけですが。
    Navy

  12. ネットで青木氏の回想が拾えますが
    剣は風洞実験のたぐいを一切行っておらず、
    カンのみで設計してるんです。
    私なら、一から機体を設計せず、
    97戦に栄を積む、または1式戦の主脚を緊急投下式
    固定脚にして、代用材化、生産簡易化を図りますが
    これも後付けの屁理屈です。
    無頼庵

  13. 海軍では藤花という名称で使う予定だったそうです。105機も生産されていたそうです。最大速度は計算値で550km/hだそうですから、97戦を体当たりさせるよりいいと軍幹部は考えたのでしょうか。それで技術陣は実際には飛べそうもない飛行機をわざとでっち上げたのでしょうか。日本最初のジェット機「橘花」も特攻機として開発されたそうですから、この機も実戦に出なくてよかったというべきでしょう。
    いっちょかみ

  14. >10
    砂浜に胴着させた機体から、どうやってエンジンを回収するか
    と言う点で、技術的な間違いは、分かると思います。
    無頼庵

  15. >10:該当航空ファンは、1993年1〜8月号と思います。

     以下は、しろうとのあて推量です。
     ブラックペッパー様は、キ115−2と判断されていますが、それはキ115乙のことでしょうか。その絵は、操縦席がキ115甲より前進していて、主翼面積が拡大されているのでしょうか。
     「ソリのようなものが機体下部にある」とされています。「機体下部」を「胴体下部」と勝手に推測すると、それは半埋め込みの爆弾がMe163のソリのように見えるのではないでしょうか。
    中年受験生

  16. 14、15> 適切なフォローをありがとうございます。
    ついでに私も「2」→「乙」に一票。
    MB


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