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スーパークルーザーの能力はやはりエンジンに依存するところが大きいのでしょうが、通常のエンジンに比べどのような違いがあるのでしょうか。 富士通BIBLO |
今日の戦闘機用のエンジンは亜音速域では高効率を達成していますが、超音速飛行はアフターバーナーを使用することでのみ実現しています。ジェットエンジンは、空気取り入れ口で高速の空気流を減速し、その流れを圧縮する仕組みとなっていますが、空気を圧縮すれば温度が上がり、エンジン内の温度は上昇します。現在のエンジンではマッハ1程度でタービンが最高温度に達し、それ以上の速度域では自動的にエンジン推力は絞られるようになっています。このため、より大きな推力を得るにはアフターバーナーを使うしかありませんでした。
ATF向けのエンジンは、従ってより高温で運用されなければならず、バイパス比はより小さくなると考えられました。このことは取り込まれた空気のほとんどがコア部を通ることを意味します。そのためF-15やF-16のエンジンに比べそれほど大きくならないとしても、ATF向けエンジンのコア部はより大型(約50%増)で高温となっています。
このことを達成するためにF119はコンピューターモデルによるタービンブレードの設計が取り入れられています。
また、機体そのものでも既存の空気循環式の環境制御システムが使用できないため液冷式になっています。
Sparrow
その代わり 飛行速度に対し排気速度が速すぎると、効率(燃費)が悪化します。
と言う事で これまでは亜音速で効率の良いターボファンにA/Bを付けて排気を加速して超音速性能を得るのが良い解だったわけですが、
あまり効率の良くないA/Bは、使用時に多くの燃料を食ってしまいます。
そこでバイパス比を下げ排気速度を増してA/B無しでも超音速巡航を可能にしようというのが、F-22等に使われているF119エンジンです。
競争試作されたF120は、もう一寸エレガントかつ複雑な方法(可変バイパス式)をとってます。
グリーネマイヤ智久
tomo
如何なる意味なのでしょうか?ご教示くだされば幸いです。
富士通BIBLO
えっとですね、F-22での場合なんですが、この機体の最大巡航速度はマッハ1.6です。従来のように機外の空気を取り入れてアビオニクスの冷却を行うのはマッハ1.5が限界らしいです。あと、排出する空気を赤外線で探知すれるのを避ける意味もあります。F-22では、廃熱を胴体背部の熱交換器もしくは、エンジンへ向かう燃料中へ廃熱する機構になっているようです。
無論、F-22以前の機体も超音速飛行を行いますが、ごく短時間であるため冷却系が停止しても問題なかったんでしょう。
Sparrow
SR71についてなんですが、前にディスカバリーチャンネルで
「SR71はエンジンインテークの三角帽子見たいなものが、
衝撃波を出してそれを出力に使っている」
といった説明がありました。
SR71は普通のターボジェットですよね。(ラムジェットではないですよね?)
となると
>ジェットエンジンは、空気取り入れ口で高速の空気流を減速し、その流れを圧縮
>する仕組みとなっていますが、空気を圧縮すれば温度が上がり、エンジン内の温
>度は上昇します。
に反するような気がするのですが、なぜあれほどの高速を出したんでしょうか?
Jack&Betty
富士通BIBLO
ラムジェットですよ。
正確には、ターボジェットとラムジェットの切り替えができます。
前にあった気が・・・。
Sparrow
切り替えは出来ませんよ。
SR-71のJ58エンジンは低速域では普通のターボジェットですが、高速域になると圧縮器の途中から空気を取り出し、バイパスを通してアフターバーナーのすぐ手前に戻すブリード・バイパス式です。(このときターボジェットも動いている。)
これによってラムジェットと同じような働きをし、尚且つ高圧空気が詰り過ぎてエンジン内の温度が上がるのを防いでいますが、それでも普通のエンジンに比べてかなりの高温になるらしく、タービンには特殊合金(アストラロイだったか?)を使用しています。
YOU
SR71は普通のターボジェットでは無かったのですね。
疑問が解決しました。感謝です。
Jack&Betty