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2226からの連想なのですが。与圧キャビンが普及する以前は、飛行機の乗員・乗客はかなりの低圧に長時間さらされていた訳ですが、これによる障害についてはどういう対策を取っていたのでしょうか? つい最近、海抜4000mの地で高山病になり、肺水腫を起こして入院した患者を見たもので、気になります。 Sampon |
VV
こちらは各種の「服」で対応してます。
勝井
Samon
飛ぶのは高度2000メートルくらいまでで、通常は1500メートル以下で巡航します。
マーケットガーデンのときの空挺輸送では900メートルでしたっけかな。
まなかじ
roht
YF−23A
航続距離等の性能に関する仕様書みたいなものがあり(このあたりBUN
氏が詳しいのでしょうが。)その中に、酸素は各人7時間分という部分が
ありました。
戦記を見ても酸素が途中で尽きて困ったというような話は、あまり聞いた
ことがなく、気分が悪くなったら酸素を吸うという用法では、戦闘力
発揮に問題があるだけでなく高度によっては飛行機墜落の危険があるの
で、設計段階から飛行機の性能や任務にあわせて「必要な量の酸素は搭載する。」ということになっていたような気がするのですがどうでしょうか。
どうしても不足したときには低高度に降りればいいわけですし、任務遂行
に不足であれば、次回の改良で搭載できるようにするなりしたのではない
でしょうか。
ジェット機搭乗員用の高空用与圧服なるものを見た覚えがあります。
戦時中に存在したかどうかはわかりませんが。
電熱服は日本にも存在したそうで、坂井三郎氏は電熱服の発火事故
であやうく空中カチカチ山になりかかり、慌てて緊急着陸したそうです。
SAW
>ことがなく、
酸素を失ってから意識混濁を起こすまでの「有効意識時間」は 6000m で約
3〜5 分、10000m では 1 分強になります。しかも酸素欠乏には自覚症状が
ほとんどありません。操縦者がよほど注意していない限り、酸素が尽きても
困る前に意識を失ってしまいます。
高々度飛行中に酸素系に異常が起きて知らぬ間に失神し、機体が失速して
降下に入り低高度でハッと気が付き危うく回復したという話はポツポツ聞きます。
運悪く意識が戻らずそのまま「原因不明の墜落」「未帰還」となった例も
意外に多いのではないでしょうか?
>気分が悪くなったら酸素を吸うという用法では
前述のように気分が悪くなる前に失神してしまう場合が多いため、普通は一定
高度以上を飛ぶ場合(現在アメリカ民間機の場合14000ft(約4200m)以上)は酸素を
常用します。
>どうしても不足したときには低高度に降りればいいわけですし、任務遂行
>に不足であれば、次回の改良で搭載できるようにするなりしたのではない
>でしょうか。
独飛18中隊の百式司偵の場合、酸欠によると思われる未帰還が多発したため、対策と
して酸素ボンベを規定の倍以上も搭載していたそうです(碇義朗「新司偵」より)
ささき
>対策として酸素ボンベを規定の倍以上も搭載していたそうです
>(碇義朗「新司偵」より)
この場合は、当初想定したよりも高高度飛行時間が長く、文字通り酸素が尽きてしまったのでしょうか。
それとも故障に備えて予備の酸素ボンベをもっていったのでしょうか。
SAW
飛行パターンと酸素の使用量はある程度推算していたのでしょうが、風や雲などの気象条件、敵戦闘機の出現状況などに応じて予想以上に高々度飛行が長引き、酸素に不足が出ることもあったのではないでしょうか。
同著に97司偵による高々度隠密偵察の様子が記されていますが、「高度5千メートル(海面高度6千)で巡航、目標に近づく頃から高度を7千に上げた。操縦者は慣れていたので酸素を使わず巡航したが、偵察員は早くから酸素を吸っていたので使い果たしてしまい目標上空で失神した。偵察終了後高度4千に降りたあたりで偵察員は意識を回復した」とあります。
「慣れていたので」という記述は微妙なところです。もしかすると低酸素症の初期症状を自覚しつつ、間欠的に酸素を吸って節約していたのかも知れません。
ささき
かもしれませんが、偵察機は速度と高度で回避しなければなりません
からね。
SAW