2225 |
故・坂井三郎氏によると、エンジンの騒音は、自分の声も聞こえないぐらいだそうです。 フライングタイガースで有名なシェンノートも、長年のパイロット生活で難聴になって、アメリカでの軍務に支障を来して、中国空軍の顧問になったといいます。 当時のパイロットは、騒音から耳を保護するために、どんな対策を取っていたのでしょう。 絵塗師 |
1)レシプロのパイロットで、騒音性難聴をきたした方は多かったようですが、これはいわゆるレシーバー難聴で、エンジン音よりもレシーバーからの音による難聴が主な原因だったとされています。
2)現在でも同じだと思いますが、通信用のレシーバーがイヤーマフの役目をして、エンジン音から耳を保護していることになっているはずです。
3)インターコムを含めて、機内でレシーバーを常用するようになる以前に、高出力エンジンの騒音に長年さらされて、騒音性難聴をきたした世代は、かなりかぎられてくるのだと思います。故・坂井三郎氏の世代では、もし戦後もパイロットを続けておられたとしても、すぐにジェット機でヘルメットとレシーバーの時代になったと思いますので、現役中に問題となるほどの騒音性難聴をおこすことはなかったと思われます。
4)海上自衛隊などの対潜哨戒機のパイロットは、かなり遅くまでレシプロエンジンの騒音にさらされていましたので、レシーバー難聴も含めてかなり多くの方が騒音性難聴になられたそうです。どの国でも、パイロットなどには精密な聴力検査が定期的に義務づけられていますので、ちゃんとしたデーターがたくさん公表されているはずです。
5)つまり、パイロットは職業的な騒音性難聴に対する労働衛生対策がかなりはやくからなされた職種の一つですから、エンジンの騒音が大きくなってから、なんの対策もとられずに騒音性難聴になってしまったパイロットは、時代的にかぎられてしまうと思います。
少年タイフーン