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2222 小説で(スティーブン・クーンツだったかな?)空母のカタパルトから射出される際の描写で、「剪断ボルト」ってのが出てくるのですが、まさか飛行機とカタパルトのシャトルを繋ぐのに使うのでしょうか?そんなものがその辺に散らばったら危ない(FOD)と思うのですが。
ケンケン

  1. 飛行機と甲板をつなぐボルトです。射出前の機体はフルスロットルで待機しているわけですが、飛行機を何かで押さえておかないと勝手に前へ進んでしまいますので。


    ■□□□
    ■■■■■■■■
    ■■■■■■■■■■機首
    ・・・・|
    ・・・/|
    ・・/■●前脚
    ・/・■■■■■カタパルト(射出方向→)
    □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 甲板

    固定点(アンカー・ポイント)

    この図で/になってる所が剪断ボルトです。前脚をカタパルトに乗せ、剪断ボルトで固定したあとフルスロットルをかけ、射出と同時にボルトをぶち切って飛行機を打ち出すわけです。ボルトは一定以上の力をかけると自動的に切れる仕組みだったと思います。
    ささき

  2. すいません、/の部分は「トレールバー(ホールドバックバー)」じゃないですか?
    「剪断ボルト」というのは、トレールバーの先端とノーズギア後端のホールドバックフィッティングの接続に使う「テンションバー」の事だと思いますが。
    「テンションバー」は、ささき様の言う通り、射出の時に真っ二つにぶち切られてしまいます。
    トレールバー側に残ったテンションバーは次の発艦に備えて、海に投げ捨てられてしまいますが、ノーズギアに残ったテンションバーは初カタパルトランチを行ったのであれば、記念に貰えるそうです。ちなみに、初めてのカタパルトランチのテンションバー(片割れ)は一生の記念となり、自分が婚約したときにフィアンセにプレゼントするのが、オールド・ネイビー・エビエーターの慣わしだそうです。
    もっとも、今ではテンションバーを使用する機種が少なくなってしまったために、ウィングマークのミニチュアがペンダントヘッドのネックレスを渡すのが慣わしだそうです。(閑話休題)
    Sparrow

  3. 勘違いしてたようです。機体を引き留めるバーを「剪断ボルト」と呼ぶのではなく、機体を引き留めるバーを留めているボルト(ややこしい)なのですね。
    ささき

  4. ささきさんSparrowさんありがとうございました!
    やっぱり、ちぎれることはちぎれるのですね!

    ケンケン

  5. ちょっと古い本ですが

    米空母インディペンデンス
    編著 小野 進
    発行所 原書房

    の65ページに、ちぎれる前と後のテンションバーの写真があります。
    先に書いとけばよかったですね。
    Sparrow

  6. >2、すみません、2つ教えて下さい。
    >今ではテンションバーを使用する機種が少なくなってしまったために
    これは、どの機種のことなのでしょうか?私は、今でも全部の艦上機のnose-tow gearは、ホールドバックにテンションバーを使っているものとばかり思っておりました。テンションバーでなければ、どのようなメカニズムなのでしょうか?

    >初めてのカタパルトランチのテンションバー
    今までの米海軍での初めてのカタパルトランチは、たぶんT-2Cバックアイで行われたと思います。この機種ならまだブライドルを使っていますので、ホールドバックも現在のnose-tow gearとは異なっています。プレゼントが変わったのは、理由はわかりませんが、バックアイから機種が代わったせいでしょうか?
    少年タイフーン

  7. >テンションバーの使用機種
    この本が出た当時の旧式の艦載機ですから「A-6系列」ぐらいかと。
    メカニズムについてはビデオではタイヤの影になって確認できません。が写真から判断する限り、F/A-18のノーズギアにそれらしいギミックがありますが、機構は不明です(もう一度ビデオ見て確認します)。
    ただ、射出の時に機首がいったんガクッと下がってから前進しますよね。あのときに外れているのではないかと思います(EA-6Bはたしか機首が下がらなかったと思う)。

    >初めてのカタパルトランチ
    たぶんこの初めてというのは「スコードロンに配属されて(一人前のエビエーターになって)初めて」と言う意味だと思います。トラップ(着艦)の時は民間人でも初トラップの時に、日付、空母名、自分の名前の入ったプラークが貰えますが、ランチの時は何にも貰えませんし(もらえるのはエチケットバッグぐらいだ)。
    Sparrow

  8. >7補足
    ノーズギアのサスペンションになっている銀色の部分ありますよね、そこの上の部分(機体に固定されている所)とタイヤの軸部分を繋ぐように蝶番のような部品がついています。そこの部分に、トレールバーがつくんですが、やはり射出時に機首が下がる事によって、蝶番部分が畳まれロックが開放される機構になっているようです。A-6系列,E-2C,S-3系列ではこの蝶番状の部品がついておらず、射出時の機首下げも確認できませんでした。
    Sparrow

  9. Sparrowさま、いろいろとご教授有り難うございました。
    カタパルト・フリークの末席にいるつもりですので、自分もネットで調べてみました。

    1)テンションバーを使用していない機種
    艦上機の前輪についている、Aircraft Holdback Fitting AssemblyのメーカーSmiths Aerospace斜のサイトに、Repeatable Release Hold Back Barsの写真が載っていました:

    http://www.smithsind-aerospace.com/products/display.asp?ProductID={8B2FD168-8404-4F12-9FF7-D08236FCA796}

    使用機種は:
    BAE/Boeing T-45 Goshawk
    Boeing F/A-18 C/D
    Boeing F/A-18 E/F
    Dassault Rafale
    Northrop Grumman F-14
    だそうです。

    2)ロンチバーとホールドバックの構造
    合衆国政府の公開された公文書として、TC-7 Steam Catapault and MK-7 Arresting Gearが載っていました:

    http://www.access.gpo.gov/gpo_test/navy/

    ネットで調べただけなので、まだ良くわかりませんが、テンションバーを使わない機種でも、前輪の構造は特にかわったものではなく、単に、再使用が可能なホールドバック・バーが用意されていて使えるかどうかだけの問題と思われます。

    はじめてみたのですが、このRepeatable Release Hold Back Barsのメカニズムなどについて、もっと詳しく教えていただければ幸いにぞんじております。
    少年タイフーン

  10. 少年タイフーン様、たまたま資料があっただけです。
    私は、まだまだここで質問をさせていただく身です、おたがいがんばりましょう。

    >テンションバーを使用していない機種
    調べていただきかたじけないです。

    >ロンチバーとホールドバックの構造
    で、ですね。やはり、テンションバーを使用する機種としない機種ではノーズギアに差があるようです。サスペンション?のシリンダー(銀色ところ)の位置なんですが、使用しない機種では、タイヤのすぐ上。使用する機種では、機首のすぐ下の場所にあるんですよね。
    写真を見てもらったほうが速いと思うんで、

    F/A-18
    http://www.boeing.com/defense-space/military/fa18/images/fa1813.htm
    EA-6B
    http://www.ne.jp/asahi/gonavy/atsugi/navy/p-navy/456/p-ea6b(cy05)910518.JPG

    となっています。ホールドバックフィッティングについては、今大きめ本屋に行くと、プラモデル製作用のF/A-18の資料の本が出ているのでそれで見ていただければ分かりやすいかと。
    関東地方の方であれば、WINGSあたりでF-14かF/A-18のノーズギアを見て、そばにいるエビエーターを質問攻めにするのもいいかもしれないです。ただし、ときどき騙されます。

    トレールバーの外れる時(ランチの瞬間)は
    http://www.chinfo.navy.mil/navpalib/aircraft/fa18/shornet.html
    ここの
    F/A-18F first cat shot from the deck of USS John C. Stennis
    という1.6MBのムービーを見ていただければよいかと。
    個人的には、デアゴスティーニのワールド・エアクラフトビデオコレクションの一巻が真横からのアングルで分かりやすいかと。

    Sparrow

  11. Sparrowさまならびに皆さま方、ひんしゅくをものともせずに、カタパルト・フリークの末席から失礼します。

    >ロンチバーとホールドバックの装着位置
    Sparrowさまがおっしゃりたいことは、ロンチバーとホールドバックがノーズギアのストラットより上部(機体側)に取り付けてある機種と、下部(車輪側)に取り付けてある機種があり、それらはカタパルト発進の際に、機首が沈む(ストラットが縮む)程度がかなり異なるということだと存じております。

    たしかに、F-14のノーズギアでは、ロンチバーもホールドバックもストラットより上部に取り付けてありますので:
    http://www.anft.net/f-14/f14-detail-gearnose-01l.jpg
    カタパルトのシャトルでの静止時に比べ、シャトルに引っ張られている時は、ニーイングに増してさらにストラットが縮んで機首が下がるようです:
    http://www.anft.net/f-14/f14-detail-gearnose.htm

    しかしながら、1962年12月19日に最初にロンチバーを使用して、E-2Aがカタパルト発進したときから:
    http://www.chinfo.navy.mil/navpalib/ships/carriers/partv/nosetow1.jpg
    A-12アヴェンジャーのノーズギア:
    http://www.geocities.com/CapeCanaveral/Hangar/1420/landgear.htm
    まで、ほとんどの艦上機のロンチバーとホールドバックは、ストラットより下部に装着されているようです。つまり、F-14以外の艦上機もカタパルト発進の際に機首が沈むのは、ロンチバーでストラットが縮められるのではなく、2次的な影響が出ているようにおもわれます。

    なぜ、F-14のノーズギアの構造が他の艦上機と異なっているのかよくわかりませんが、Aircraft Holdback Fitting AssemblyのメーカーのSmiths Aerospace社も、F-14のノーズギアは作っていないようです。

    以上より、テンションバーを使用しているかどうかは、ロンチバーの取り付け位置がストラットの上か下かによるのではなく、テンションバーを使わなくてもよいRepeatable Release Hold Back Barsが、その機種用に用意されていて、使っているのかどうかだけによるものと想像されます。

    最近の米国海軍エヴィエーターが初めてカタパルト発進するのは、たぶんT-45ゴスホークを使ってだと思いますので、フィアンセにプレゼントするテンションバーの片割れがもらえなくなった理由はよくわかりました(このエピソードの出典をおしえていただけませんでしょうか?)。
    少年タイフーン

  12. >11
    ごめんなさい。ストラットって銀色の部分ですか?
    そうだとすると、どの機体でもロンチバーもトレールバーもストラットの下、タイヤの軸の部分にあると思うんですが?
    でも、今大学に居て資料ないんです。家に帰ってからレスしますけど、映像を見る限り「機種が下がる」「トレールバーが外れる」「機首が戻る」「ワンテンポ(0.5秒くらい)待ってから射出」って感じなんです。そこから考えると、シャトルに引っ張られて機首が下がっているとは、非常に考えづらいんです。

    ところで、画像が開かないんですが?(大学のパソコンのせいかもしれないですけど)
    Sparrow

  13. パソコンかえたら、画像開きました。
    ロンチバーは上ついてますね。ホールドバックフィッテングは、やっぱり車軸の部分につながっているので、ストラットより「上」というかどうか。
    んで、射出の時は上にかいてある通りなので確認してもらえば早いんですが。
    Sparrow

  14. 家に帰ってビデオ見直しました。
    うーん、シャトルに引っ張られて下がってるのかもしれない。
    えらそうなことばっかり言ってたくせに、間違ってるとは。
    申し訳ありません。
    でも、そうするとトレールバーのロックを解除する方法がわからんなあ。どうなってるんだろ?
    えーと、あとフィアンセにプレゼントの話は、上記の本の同じページに載ってます。

    うーん、もっと勉強せねば・・・。
    Sparrow


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