2183 |
ドヴォアチーヌD.520戦闘機についてフランス最優秀戦闘機と言いますがあまり詳しく書かれた本は見たことありません。その飛行性能や期待性能の特徴、長所、短所を教えてくれませんか? ロックマン |
529Km/h(5,000m),実用上昇限度11,000m,航続距離998Km、飛行特性等は、高い機動性や簡単な計器配置、スピンからの脱出の容易さ、そしてドイツ戦闘機とほぼ同等な飛行速度、としています。
(2) Capt. E. Brown ”Testing for Combat”Airlife, 1994, pp57-59,によると、ラチエプロペラのオートマチックrpmコントロールはダイブ時にオーバースピードになる。エンジンは−G時にカットアウトしやすくBf109が相手のときは決定的な欠点となる。実際D520はドイツ戦闘機にダイブ性能で勝るのだが、エンジンとプロペラの制限のため、この特性を使用できなかった。地上姿勢でのコクピットからの視界は悪く、タクシーは困難である。20,000ft以上で上昇率はBf109Eに優る。水平飛行でD520は3軸全てでわずかに安定性を保つ。しかしエンジン出力の変化に敏感で、タービュランス時には大きく蛇行し、正確な射撃を困難にする。ダイブで加速はよい。D520のアキレス腱はGストールである。フライトマニュアルで意図したスピンは禁止されているが、D520の運動性の限界を知るためスピンに入れてみた。スピンの回転は速く、私(E.Brown)は直ちに回復操作を行ったが、スピンの回転方向を逆転させただけだった。そこで今度は回転と姿勢を安定させてから回復操作を行いスピンから回復した。スピンエントリーから回復までの高度ロスは10,000ftだった。この点から実戦部隊のパイロットがD520をマニューバエンヴェロープの限界に近づけるのを嫌がることは容易に理解できる。着陸特性についてD520は最後の100ヤードの着陸滑走時に方向制御ができなくなる。D520は、外見は良く見えるが良く飛ばない、極めて稀な例の一つである。D520は全てが悪いわけではないが、その悪い特性は非常に悪い。
(3) R. Danel, J. Cuny ”Le Dewoitine D.520” Editions Lariviere, n.d., p327(私はフランス語が読めないため、英語も大してできるわけではありませんが英語抄訳のところを見ています)によると、D520は他のフランス戦闘機に比べ大幅に性能が改善されたが、それでも最大速度は30〜40Km/h, Bf109Eに比べ遅い。6,000m以上の高度ではBf109Eに上昇率で優る。また頑丈な構造と空力的洗練により、極めて高い急降下速度を出すことができる。また優秀な運動性のため、よく訓練されたパイロットは格闘戦で相手に優位にたつことができる。D520はMS406ほど操縦に対して直ちに反応しない。しかし経験をつんだパイロットの手にかかれば、この優秀な飛行機は最大の能力を発揮する。D520は一般に満足される穏やかな操縦特性をもつ。しかし多くのパイロットがヨー動安定のなさに文句を言っている。振動は、タービュランスのある状態では、機銃射撃の正確性を損なう。パイロットは、急激な出力変化に対して飛行機が極めて敏感であり、プロペラトルクに対する補正が不適切なことに文句をいいがちである。全般的に、経験あるパイロットならば本機の飛行特性は驚くべきものでも恐ろしいものでもなかった。しかしながらたくさんの新米パイロットにとっては、危険ではないとしても敏感だと判断された。許容限界内でD520はすばらしい運動性を示す。着陸時に特に初心者にとって最も多くの問題を引き起こし、ほとんどクラッシュとなった。
中年受験生
(1)の引用ページは、13ページは誤りで19ページです。
(3)和訳がひどくてすみません。最後の部分は、着陸時にその大部分がクラッシュとなったような印象を与えますが、「事故を起こしたときは、そのほとんどがクラッシュとなった。」と訂正します。
中年受験生