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2165 航空機の重心位置はどのようにして算出するのでしょうか。
RAM

  1. 気球は気嚢内部のガスの重心の真下。
    ヘリは単ローターならメインローターの中心の真下前後。
    双ローターなら両ローターの中心の中間点前後。
    …若干の例外はありますが。
    Schump

  2. …と、お約束のボケをかました後で本題の固定翼機。
    原則として「各水平翼面の水平飛行状態における揚力のモーメント中心」です。

    空力中心:その翼の揚力をこの点からの上下方向のベクトルで代表する点

    (通常形式)
     主翼の空力中心(翼型によって少々前後します)の「ちょい前」が適正です。主翼と重心との関係だけだと頭下げがかかってしまうのですが、これを水平尾翼の下向き揚力で釣り合わせているわけです。

    (揚力尾翼)
     F-16だのエアバスだのが採用している方式。水平尾翼も揚力を発生するので、その分だけ主翼を小さく出来る、とか操縦応答性が良い(不安定なだけ)といった利点があります。このとき、重心位置は、「そこを中心として主翼と尾翼の揚力がテコの原理で釣り合う点」になります。注意しなければいけないのは「揚力の比=面積の比」ではないことで、翼型だの取付角だのの要素が絡んできます。目安としては、「前についている翼は面積あたりの揚力が後ろの2〜3倍」といったあたり。

    (先尾翼機)
     揚力尾翼機と同じ。

    (無尾翼機・全翼機)
     通常形式機と同じ。ただし、主翼後方後縁が水平尾翼の役割をする点に注意。
    Schump

  3. ※側面図からだいたいの重心を探す方法

    (前輪式)
     地上姿勢の接地点から立てた垂直線から前方に15度ぐらい倒した線と推力線の交点のあたり。とりあえず前後位置はそのへん。

    (尾輪式)
     水平姿勢における接地点から後方に5〜10度ぐらい後方に倒した線と推力線の交点の(以下略)
    Schump

  4. 重心位置が初めから全然解らないものと仮定すると、民航ではウェーティング・セル方式による算出で重心位置を算出してます。
    これは簡単に言えば脚の下に体重計を置いて各脚に掛かる加重を測定し、その測定値に基づき計算により重心位置を算出する方法です。重心位置を測定する基本重量は規定されており(例えば燃料を全部抜くと重量は何万ポンドであるみたいに)それと各脚にかかる重量とのモーメント計算により重心位置を算出する方法です(各脚のモーメント・アーム位置は初めから解っている)。これによりモーメントのバランスにより
    基本重量×CG位置=前輪加重×前輪位置+後輪加重(合計)×後輪位置
    という計算式を解く事により未知のCG位置を算出しています。
    ちなみに小型機とかはクレーンに吊るして重心位置をまさぐってるみたいです。
    jas1

  5.  FAAの規則では基準状態での重量・モーメントデータを記した「ウェイト&バランス・シート」という書類を機内に常備しておくことを義務づけています。これを元に搭載物(燃料、オイル、パイロット、乗客、荷物)の重量とモーメント位置(オイルタンクは -20in とか貨物室は +104in とか基準点からの距離が記されています)から総重量と総モーメントを算出、モーメントを重量で割れば重心位置が算出できます。機体のマニュアルには飛行可能範囲を示すグラフが掲載されており、算出した重量と重心位置と照らし合わせて飛行可能・不可能(あるいは制限つきで可能)を判断する能力はパイロットの試験に必ず出る問題です。
    ささき

  6. ↑5. は重心データが「初めからわかっている」機体を運用するときの「重心位置算出」です。
    ささき

  7. ↑6
    重心データが「初めからわかっている」機体に重量が異なる装備品をインストールした時のウエバラ修正なんて言うのも整備士の仕事として有りますね(^^;
    jas1

  8. >2
    ちなみに空力中心と(重力)重心位置は異なりますので、ご注意の程を。
    jas1

  9. >4. 僕は逆に小型機の事情しか知らないのですが、通常はjas1さんがご指摘されたのと全く同様の方法、前輪(尾輪)と主輪の下にスケールを置き、基準点からの総モーメントを総重量で除することによりC.G.位置を求めるのが一般的です。ウルトラライトの人達は、航空機用のスケールの代りに体重計を用いることもあるようですよ。
    みなと

  10. あまり答えになっていませんが・・・。算出方法は皆様のご回答どおりです。ちなみに私は、以前、自作でRCやUコン(なつかしい)の飛行機を飛ばしていましたが、一番頭を悩ましたのが重心位置を割り出すことでした。基本的にはややフロントヘビーの状態で設計し、後でテール部のウェイトで調整しました。(実機も同じ方法だと思います。隼か零戦に関する本で読んだことがあります)なお零戦のようなレシプロ機における重心位置は、胴体位置における主翼の前縁から後縁までの長さを100%とすると、大体、前縁から25〜30%ぐらいになります。傾向としては25%は安定タイプ、30%は運動性能を求めるタイプです。(あくまで模型飛行機の場合です)ちなみに震電のような先尾翼機では、大体、前縁の位置が重心位置になります。一度ボール紙などで簡単な模型を作られると、楽しいかと思います。
    ズングリ雷電

  11. 質問が簡単過ぎるのでいま一つ分からないのですが。
    質問の趣旨は、
    (1)すでに飛んでいる機体の特定の飛行状態、あるいは装備品を変更した場合などに、
    重心位置を正確に測定したい。
    (2)飛行機ファンとして三面図等から重心位置を推測してみたい。
    (3)飛行機を設計するときに重心位置を計算する方法を知りたい。
    のどれなのでしょう?
    質問によって答もまったく違って来ると思います。

    便利少尉

  12. 大変すみませんでした。(3)が質問の趣旨です。
    質問者

  13. (3)の場合の回答はまだ出てはいないようですね。
    基本的にはすることは単純で、まず基準点を定めて、それから全ての装備品や構造の重さと基準点からの距離(モーメント)を集計して計算するだけです。
    燃料タンクを満たした場合、空の場合、兵装を積んだ場合積まない場合、などもいちいち計算しなければなりません。
    もちろん設計が変更されればまた計算し直す必要があります。
    いまならコンピューターがありますが、昔はすべて手計算。
    だからかなり細部設計が進んだ段階で、どうしても重心位置と空力中心の位置があわずにじたばた、なんてこともあったようです。
    むかしの機体で亜音速機なのに後退翼を持っているものがあったら、
    たいていは重心が当初の見積もりよりも後ろ寄りになってしまい、
    かといって主翼の取り付け位置は変えられず、やむなく主翼を後退させた可能性があります。
    例えばDC-3とかMe262とか。

    便利少尉


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