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2127 私しこれまで排気ノズルは出力最大時(離陸−上昇−その他)には開いて出力最小時にはしぼめるものだと思っておりました。ところが航空写真・ビデオを見ると機体の飛行状況に関係なく開いていたりしぼんでいたりと様々な場面を目にします。これは如何なることでしょうか。

越谷

  1. とりあえずはノズル断面積の変化による損失増減の話はあっちに置いといてっと。

    んーと。例えば、散水するためにホースで水を撒こうとするですよね。
    で。もし、その水を遠くに飛ばそうとした場合、どうやれば良いでしょうか?

    そう。指でホース先端をすぼめますね。
    そのとき、そのホースをもった手に何かキック(反作用)力を感じませんか?

    ホース先端をすぼめるだけで水が遠くに飛ぶって事は何を意味するのかを考えれば
    後は自ずと答えが出てくると思うですよ。

    面倒なので数式無しで解答しました。
    sorya

  2. ↑面倒ってのは、数式を入力するのが面倒。
    要はわしの怠慢です(笑)
    sorya

  3. いろいろな要素があるですよ。

    ・AB点火時等燃焼ガスの量が多いときにノズルを絞りすぎると詰まって損
    ・噴射するガスの速度が機速に対して速過ぎると損
    ・かといって機速以下の噴射では推力出ない
    ・亜音速のガス流をいったん絞って音速にしたあと流路を拡大すると更に加速する

    等々。
    Schump

  4. 便乗質問です
    1)噴射しているガスは音速を超えているのでしょうか(マッハ数1を超えているのでしょうか?)ガスの温度はだいぶ高いと思うので・・。

    2)音速を超えている場合、スロート部はどこになるんでしょうか?可変ノズルの形状から出口部分と想像しているんですが。
    taka

  5. >4.2
    可変ノズルでは

    噴射ガスが亜音速〜音速の場合

     \_
       → 
     / ̄

    超音速の場合

     \/
       → 
     /\

    と変形します。

    (N)

  6. ↑ジェット・エンジンのノズルも、そんな器用な変形できるんですね。
    上側のような形でスロート面積を調整してるだけと思っていました。
    taka

  7.  で、5.下図の状態においては、一番狭まった部分(厳密にはそのちょっと手前)でジェット排気は音速に達します。
     スロートを通過してガスが拡散する過程で排気は音速を超えていきます。1960年代までの古いエンジンだと、ノズルはスロートまでで終わっているのですが、これではガスが拡散していくときに開放される圧力のうち前向きの成分を受けとめることができず、また、拡散の具合=ガスの最終速度をコントロールできないことから効率に限界があり、5.のようなConvergent-Divergentタイプのノズルが開発されたのです。
     さて、ジェット排気の速度ですが、バイパス比5程度のターボファンの場合450〜500m/s程度、コンコルドのオリンパスエンジンでは750m/sとのこと。この気流自体が超音速かどうかはV(m/s)=20.06√T(°K)で排気ガス温度に対応した音速を求めてやらなければならないのですが、T=1000としても充分音速を超えてますね。
    Schump

  8. ↑オリンパスの方しか計算しなかった^^;
    でも、ターボファンの排気温度は低いので、たぶんこちらも超音速でしょう。
    Schump

  9. ちょっとだけ訂正させてください。
    CD-Nozzleの場合ノズル面で平均流速が音速を狙います。実際にはノズル壁面近傍で温度が下がり
    音速が下がりますから安全サイドに締め気味に設定します。
    ノズル端面で音速を超えるのは過膨張ノズルになり一気に推力をロスする上に制御不能な推力偏向を
    生み出しますので通常はノズル端面より1cmでも後ろで音速を超えてくれるのが最良です。
    最近のエンジンは違う理由で見えなくなりつつありますが、ダイヤモンドコーンが見えた頃はノズル端面は青い炎でちょっと後ろでダイヤモンドコーンの白い炎の最大直径が表れ菱形が出来ていくのは有名ですね。

    T8が1000度はかなり低く見積もられていると思います。ABつきですから...
    細かい数字は勘弁してください。

    あのノズルの制御パラメータは幾つかありますが、大まかに入り口圧力と出口圧力です。さらには温度や回転数が入るのですが
    通常は圧力比EPRだけでも大まかに制御できます。
    この制御方式のため同じMaxABでもノズル開度が変わったり、しますが顕著に表れるのはミリタリーでの離陸や急旋回でディストーションが入った時にブローオフ避けの制御で一見意味不明な動きをしますがエンジンの運営としては健全です。
    もちろんアドバンスとディセントでEPRが違いますからノズル開度が替わります。

    Schumpさんも書かれているようにエンジンの推力を考える時は噴射速度よりも圧力差で論じられた方が懸命です。
    音速以上が何故いけないかは圧力差がチョークするためですし、チョークしたエネルギーが制御不能になるわけです。あくまでCD-NozzleはABで生み出した圧力差を最大限吸収するための装備です。

    Square

  10. #スロート部は音速
     なかなか端的な資料がないのですが、ロケット屋さんが
    http://www.nasda.go.jp/Home/Press/j/199803/comets_980317b_02a_j.html
    とか書いていたりします。ただし、ここにも示唆されているように、燃焼ガスのチョーキング〜燃焼室圧力上昇の問題はかなりクリティカルです。戦闘機のエンジンでも、A/B作動中は端っから超音速のガスが出て、ほとんどノズル前半の絞りがない状態になるものもあるそうです。
     「スロートで終わるノズル」ではノズル出口よりわずかに先で音速に到達させるようですね(風洞屋さんに聞いた)。

    #オリンパス
     参照した資料が「機速610m/sにて」と条件を示してあり、これを対流圏界面での音速(290〜300m/s)にあてはめるとマッハ2+、つまり超音速巡航状態と推測されます。コンコルドは巡航中にA/Bを使用しませんから、同年代の平均的なターボジェットのタービン出口温度1000〜1150°Kより「ちょっと低めな範囲の中央値」を推算の根拠にしました。オリンパスそのものの数値ではないので、間違っているかもしれません。
     ちなみに750m/sは1398°Kでの音速に相当します。
    Schump

  11. 回答いただき感謝いたします。それにしても皆さんの回答は要点を突いて理解しやすく見事です。(特に数式を使わなかったのがよかった。)今後も宜しく願いします。

    越谷


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