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2081 第一次大戦時の飛行機によく積まれていた回転式星形エンジンは、どのようなメリットがあるのでしょう。通常の文献では冷却のためとありますが、そのためだけにエンジンそのものを回転させるというのも、大げさすぎるような気がするのですが。
絵塗師

  1. エンジンそのものをフライホイールとして回転を安定させる効果もあったようです。
    Schump

  2. 殆ど、100%冷却の為です。
    理由は、色々ありまして、
    1)対気速度が遅く、冷却効率が低い。
    2)工作技術が低く、効率の良い冷却フィンを作製出来ない。(特にシリンダーヘッド周り)
    3)シリンダーヘッドがポールティスヘッド(湿布式)という貼り付け式で作製されていたので、フィンへの熱伝導率が低い。
    4)シリンダーヘッドやピストンが鉄製で、アルミに比べて伝導性が悪い。
    4)ガソリンのオクタン価が低いので、シリンダーが過熱傾向にあった(最良レベルで、70程度、アメリカ産だと50程度)

    要は、当時の技術では固定シリンダーの空冷式エンジンを作製出来なかった訳です。

    KAZU

  3. 第一次大戦前ですが、ルイ・ブレリオが自作のブレリオXIで、世界初の英仏海峡横断飛行をした際にも、空冷固定式3気筒のアンザニがオーバーヒート気味で難渋したようです。
    たった3気筒のエンジンで、しかも機首に剥き出しになっていたにもかかわらず過熱気味になってしまったのですから、当時の空冷エンジンの冷却効率が良くないことが窺われます。
    着陸してまずブレリオが言ったのは「これはなんとしてもノームを手に入れなければ」でした。
    ノームは回転式ル・ローヌのことを指しています。
    まなかじ

  4.  ブレリオXI量産型のエンジンは「グノーム・シグマ」50hp(のちに80hp)ですね。アンザニ30hp搭載型もありましたが、パワー不足とオイル消費量の多さからこちらは全然売れなかったそうです。
    Schump

  5. グノーム・ローヌは合併後のエンジン名で合併以前はグノームエンジン、ローヌエンジンべつものですよ。当時のエンジンは鍍金にも問題があるため冷却(特にシリンダーヘッド)に問題があったようです。
    (出展:”エンジンのロマン”星型エンジンの項)
    ビクトロラ


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