値段というのは算出が難しいものです。一部残っている資料で「何々機は幾らだった」と数字を出す向きもありますが、その価格にはエンジンは含まれているのか？艤装品は含まれているのか？武装はついているのか？といったことが不明なままでは「何々機は安価だ、何々は意外と高価だった」等と言っても意味がありません。

昭和二十年度の日本海軍の艦上戦闘機の単価としては大雑把に以下の数字が海軍から出されています。基本的に零戦のことなのですが、零戦とは明記されていません。あくまでも代表例として記されています。

機体　31000円　発動機　30000円　搭載兵器　9000円　雑兵器　5000円　計75000円

昭和二十年の数字ですし、素直に比較する訳にも行かないのですが、昭和十五年の三菱と海軍との零戦の発注についての契約書では機体単価が57000円となっています。三菱が納入していたのは機体だけですから、大量生産の為に物価の上昇にもかかわらず機体の単価が下がっているとも解釈できます。
同じような例は九九艦爆にも記録が残っています。機体そのものの単価は後期には１／３程度に下がっています。

ですから、飛行機の値段を調べるとしても、

１．エンジン、武装、その他装備込みの価格かどうか？
２．生産初期と後期、物価で価格は変わる。
３．それ以外に官からの補助は無いか？

等といった注意しないと間違った結論に至る可能性があります。
まして国が違えば価格を単純に比較する等、ほとんど意味がありません。
といいますか、そういう事を書いている本があったら著者のお里が知れる、というものでしょう。

ＢＵＮ

回答ありがとうございました。実は、1944年の６月にある団体が募金を７２万円集めて海軍と陸軍に３機づつ戦闘機を献納した、という記録を読み、「戦闘機って一機いくらだったんだろう」と、ふと思ったのでした。
IvoryK2

十九年六月の献納機はまだ解明されていない機がほとんどです。
もし何かご存知であればぜひご発表ください。
ＢＵＮ

米軍機に関してはライトパターソン付属空軍博物館に詳しい資料があります。
http://www.wpafb.af.mil/museum/ind/ind.htm
ささき