2022 |
CCV機能について質問なんですが、あれはドッグファイト時にCCV機能を持たない相手に対して決定的に優位に立てるものなんでしょうか? レッドフラッグなどの演習で限定的とはいえCCV機能を持つF-16がフライバイワイアすら持たないMig-29に負けたと聞いたもので。 あと、F-22 F/A-18E タイフーン ラファールなどもCCV機能を持っているのでしょうか? Sparrow |
CCVとは「コンフィギュアド・コントロール・ヴィークル」の意味であり、
機体の基本構成を決めるに当たって制御系の能力を織り込んでいることを
示すのみです。
エアバスの旅客機の一部だってCCVです。
たかつかさ
少年タイフーン
あまり頭がよくないので、上の文からですとそうとってしまうんですが…。
素人の私にもわかるように砕いて説明してくれるとうれしいです。
あと、細かい突っ込みで申し訳ないんですが「CCV」は「Control Configured Vehicle」ではないのですか?(間違ってたらごめんなさい〜!)
Sparrow
1、重たい油圧管のかわりに電線を用いるので重量が節約できる
2、操縦にコンピュータを介するので安定性の悪い飛行機でも操縦できる
などです。したがって大型機や本来的に不安定な航空機(F-16など)にとってはフライ・バイ・ワイヤは必須です。CCV機はFBWと思って間違いありませんが、FBWだからといって必ずしもCCV機というわけではありません。
ABCD
どうも頭が寝ていたようです。
たかつかさ
これはちょっと違ってますね。
「ケーブルのかわりに電線を用いる」
が正解です。油圧管は従来と一緒です。
jas1
燃料を移送仕合って重心位置をコントロールする事で機体のピッチ角を適正に
保つ機能があるので広義の意味ではCCVと言えるのかもしれません。
ただ、メンテナンス・マニュアルにはCCVなど一言も出てきませんが(^^;
jas1
FBW における「電気的に操縦する」という表現は、「人力の代わりにモーターを使って舵を動かす」ことではありませんのでご注意ください。
零戦の舵が高速時におけるワイヤーの伸びを活かして「舵の重さ」を一定に保っていた逸話は有名ですが、簡単に言えば FBW はこれをコンピュータで行うものです。
パイロットが操縦装置を動かすと、それは「この位の動きを実現したい」という入力としてコンピューターに入ります。
コンピュータは内蔵されているデータベースと各種センサー(速度・高度・迎角など)を突き合わせ、その計算結果に応じてパイロットが望む最適の動きが実現できるよう実際の舵を動かします。
すなわち、速度や姿勢によって刻々と変化する「舵の効き具合」を常に一定に保つ(ように見せかける)ことが可能になります。
また人間には二本の手と二本の足しかありませんので、非 FBW 操縦ではパワーアシストの有無に関わらず5枚(エルロン2枚、エレベータ2枚、ラダー1枚)ある舵面のうちエルロンとエレベータを左右連動として3軸で制御しています。
しかしコンピュータには「手足の数」という拘束条件がありませんので、必要であれば左右のエルロンやエレベーターを別々に制御する事も可能ですし、可動カナード翼など多舵面の機体でも「二本の腕と脚」で操縦できます。
逆に B-2 など極端に舵面の少ない機体でも、通常の「エルロン+ラダー+エレベータ」操縦に見せかける事も可能になるわけです。
ささき
これを戦闘機の空戦機動に当てはめればパイロットは機体の荷重限界や失速限界を自力でコントロールする必要がなく、常に「操縦桿を引っ張って」おけばあとはコンピュータが高度や速度に応じた計算上の最適旋回を続けてくれる訳で、その分意識を敵機の位置や武装の選択など戦闘行動に向けられるメリットがあります。
ただし、FBW による「最適」旋回はあくまで計算シミュレーションと実験によって得られた平均値であり、ある程度の安全幅を持った値です。真に優れたパイロットは FBW で設定されいる制限より更に一歩踏み込んで機体能力を 100% ぎりぎりまで引き出す(ただし限界は超えない、超えれば死ぬ)機動ができるとも言われています。それが本当にできる人間が 1000 人に一人いるかどうかわかりませんが…。
ささき
大変参考になりました。ありがとうございます。
結局、CCVはドッグファイトにおいて役たつのでしょうか?
何となく、低速域で曲芸飛行はできても、遷音速域のドッグファイトでは役にたたないような気がするんですが…。
Sparrow
「ドッグファイト」についてどのように理解なされているか
(どう定義されているか)お聞かせいただかないと、
回答しかねます。
たかつかさ
http://www.kjps.co.jp/mini/mini2.html
みたいなものだと理解しております。全没翼型水中翼船は自動姿勢制御装置によって適切にコントロールされるから、あのような形でもちゃんと航行できるのです。自動姿勢制御装置がアナログかデジタルか機械式のリンクなのかは、本質と無関係だと理解しております。逆に、もしも自動姿勢制御装置がこわれてしまったらエライことです。「ジェットフォイル」なら普通の船に戻るだけですが、航空機の場合は悲惨な結末をたどることでしょう。
少年タイフーン
射撃優位なる敵機の後部上方に遷移するために、お互いに旋回機動等を繰り返す戦闘だと思っています。
質問は「両者とも2機編隊による」と思ってください。おねがいします。
Sparrow
有視界内で、というのを付け足してください。
Sparrow
かなり遅れ馳せなレスになってしまいましたが…。
>射撃優位なる敵機の後部上方に遷移するために、お互いに旋回機動等を繰り返す戦闘だと思っています。
これは古典的な「ドッグファイト」の定義ですが、現在のジェット戦闘機において有視界にとどまる旋回戦闘は広義のドッグファイトのうちのごく限られた範囲にとどまると思います。
元航空自衛隊の名ジェット戦闘機パイロット、ロック岩崎氏に伺った F-15 による対 F-16 空中戦闘の様子を参考までに紹介させて頂きます。
「F-15 の欠点はバカでかくて目視で発見されやすいこと、利点はレーダーが強力で高速での運動性能に優れること。対戦相手(米空軍)の F-16 が編隊を分けて一機を囮に出したのが(レーダー上で)わかったので、こちらは編隊を組んだまま囮機に向かう姿勢を見せつつ、後方に回り込もうとする一機もスクリーンの端に捉え続け、奴が攻撃に移る直前に全速で降下旋回をかけて逆に後方に回り込んでキルを取り、囮機の方は僚機が片づけた」
目視で相手の背後を取り合う機動は「シザース(ハサミ使い)」と呼ばれ、防御側にとっては最後の逆転を狙う絶体絶命の機動です。逆に攻撃側に取ってはそこへ持ち込めば逆転される可能性があるわけで、そんな体勢に持ち込む前にカタを付けるのが正統な空中戦の常道です。
シザースにおける運動性の強みはあった方が有利である事は確かです。しかし現代の空戦理論では、攻撃側にせよ防御側にせよそれは「最後の手段」でありそこへ持ち込む(あるいは持ち込まれる)前にもっと有利な体勢で始末をつける(あるいは離脱する)のが正しいとされているようです。
ささき
こうすれば離陸はできると思うんですが、これでF16とドッグファイトしたらどうなるか。
答えは出ましたね。
Morioka