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1962 松本零士氏の漫画スタンレーの魔女は、言うまでもなく片肺の一式陸攻がスタンレー山脈を越えようとする話ですが・・・この漫画と同じような状況は実際にあったのでしょうか、また一式陸攻は本当に片肺ではスタンレー山脈を越えられないのでしょうか?
F.M

  1. ちなみにスタンレー山脈の最高峰、ウイルヘルム山は海抜4649メートルだそうです。
    F.M

  2. 「この漫画と同じような状況は実際にあったのでしょうか」
    という質問の答えにはなりませんが、
    スタンレー山脈には稜線が女性の横顔に見える部分があって、
    「スタンレーの魔女」と呼ばれているのだと聞いたことがあります。

    どんべ

  3. 一式陸攻については、不明ですが、確か坂井三郎氏の本には、ポートモレスビー攻撃に向かった零戦が帰り道にエンジンに不調をきたしたため、オーエンスタンレー山脈を越えられず、搭乗員が元気だったにもかかわらず山中に墜落して行く場面が描かれていました。
    この辺の話も松本氏のストーリーのヒントになったのでは?
    みや

  4. 中攻隊に所属した方の手記を読むかぎり、片肺になった機体は「上昇できない」「停止した発動機の方向へ旋回できない」そうですが…。
    穂積

  5. 上坊良太郎著「五つの空」に片発の97重爆で700kmを飛翔し帰還した池島重次郎氏(roht氏のお父上?)の回想が記されていますが、重量物を全て投棄しプロペラピッチ・フラップを最適に調整し、通常「30分以上飛べない」とされた片肺飛行を4時間続けて生還したそうです。撃墜数76機、数知れぬ修羅場をくぐり抜けた生っ粋の戦闘機乗りである上坊氏をして「長年に渡る修練と不撓不屈の精神力、類希な天佑が合わさって」実現された奇跡であると書かれていることから、それが如何に困難な飛行であったかが伺えます。
    なお P-38 のような左右逆回転機でない限り、右発停止と左発停止で深刻さが異なります。通常回転(操縦席から見て時計周り)の場合左エンジン停止のほうが深刻なので、これを「クリティカル・エンジン」と呼びます。作中で停止したエンジンはどちらだったでしょうか。
    ささき

  6. 陸軍機の、長距離片肺飛行としては、下記があります。
       
    1> 昭和12年9月22日、飛行第六大隊中隊長・久保木巌大尉機 
       石家荘〜南苑 約250km。機種不明  
       機長・久保木巌大尉
       正繰・南曹長  副繰・金重文雄大尉  
       
    2> 昭和13年12月26日、第60戦隊、柴田e光少尉機 
       重慶〜漢口まで山岳地帯かつ雲中。750km。九七重
       機長・柴田機長中尉 
       正繰・池島重次郎曹長  副繰・小島忠夫軍曹 
       機関・清水剛兵軍曹   射手・後藤利治伍長  
       
    3> 昭和16年12月8日、第六十二戦隊、島田中尉機 
       タナメラ〜クラコール 胴体着陸   九七重

    4> 昭和16年12月29日、第十四戦隊、 岡村武中尉機 
       コレヒドール〜サンフェルナンド 不時着 九七重

    5> 昭和17年2月1日頃、第十四戦隊、久保義明中尉機 
       マンダレー〜モールメイン   九七重

    6> 昭和17年4月上旬頃、第八戦隊、後田曹長機
       マンダレー〜トングー南飛行場 350km。
                 胴体着陸  九九双軽
       機長・後田曹長  正繰・河野憲二軍曹 
       機関・大草軍曹  射手・大野伍長 

    7> 昭和18年6月20日、第六十一戦隊 桜井東洋中尉機
       ポートダーウィン付近〜ラウテン  百式重(呑龍)

    8> 昭和18年7月23日、第五十八戦隊 尾高一興中尉機
       零陵〜武昌  九七重

    9> 昭和18年10月24日、第七戦隊 名倉浩軍曹の搭乗機
      フィンシュハーフェン?〜マダン付近 百式重(呑龍)
      (機長名不明)   

    10> 昭和19年9月10日。第61戦隊の沼田少尉機
       サンサポール〜セラム島  夜間 450km
       胴体着陸 百式重・呑龍

    参考文献が、数冊有りますので、データーに格差が有ります。
    以上以外にも、もれているものも多いかと思います。
    海軍については、調べておりません。ゴメンなさい。
    roht

  7. ↑↑ 5> ささきさんのご質問の、柴田機は、右発動機の停止でした。
    roht

  8. もう誰も見ていないだろうけど
    第四航空隊のポートモレスビーに対する2回目の攻撃の際 第3中隊第2小隊長機が右エンジン停止状態で山脈を越えてラエに向かったという話がありました
    セミララ


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