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1938 エグゼクティブ・ディシジョン(Exective Decision)という、カートラッセル主演(スティーブン・セガールも出てますが珍しく途中で死ぬ)の映画で、ハイジャックされたB747に空中でドッキングして救出部隊を送り込むシーンで、この時F117でB747にドッキングしているのですが、このF117は垂直尾翼(垂直ではないが)の間隔が普通のf117よりかなりひらいていました。あの航空機は映画の中の架空のものなのでしょうか?また、あのように空中で他の航空機とドッキングできる航空機があるのでしょうか?映画の中では救助用に開発されたといっていました。
hawkeye

  1.  空中でドッキングできる救助機というのが開発された、あるいは開発中という話は聞いたことがありません。
     過去に重爆にドッキングする護衛戦闘機というのが試作されたことはありますが(マグダネル XF-85)、いざ空中ドッキングを試験してみると超腕利きのテストパイロットが理想的気流条件の中でトライしても致命的失敗(わずかな機首上げミスでドッキングフックがキャノピーを突き破った、パイロットは無視界状態で胴体着陸し生還)を起こす困難さであることがわかり放棄されています。
     この時の母機は B-29(ただし量産型は B-36 になる予定だった)で巡航速度も機体の起こす乱流規模も B-747 よりずっと低いものでしたから、亜音速で巡航する 747 に空中ドッキングするのがどれほど困難なことか想像して頂けると思います。あくまで映画のフィクションとして楽しみましょう。

     なお私の知る限り、実用化された空中ドッキング機は米海軍の巨大飛行船「アクロン」「メイコン」号に搭載されたカーチス F9C「スパローホーク」複葉機だけです。ドッキング機構は XF-85 と同様の「空中ブランコ(ホワイトベースのコアファイター捕捉機構みたいなもの)」ですが、この時は母機の速度が非常に遅いためそれほど深刻な問題は出なかったようです(しかし当初空中合体専用に着陸脚を省略した設計はパイロットの猛烈な反対に合って後から脚を追加しています)。
    ささき

  2. ゴミ
    ドップで、ガウの機体後部の着艦口に着艦(?)するのは、困難なんでしょうねえ。
    WBにコアファイターで着艦するのはスパローホーク方式でしたね。
    ソ連の親子飛行機(TB−3とI−16)は、発進のみでしたっけ??
    まなかじ

  3. やはり空中ドッキングはかなり困難だということですね。映画では確かB52とドッキングするように設計されていて、おっしゃるようにB747とのドッキングはかなり危険だとかいっていたとおもいます。ご返答ありがとうございました。 
    hawkeye

  4. >1
    ささき様に逆らうようで、まことに恐縮なのですが、たしか、F-84とB-36の組み合わせて、米国空軍で実際に運用されたと記憶しております。下記のサイト:

    http://www.chariot.net.au/~theburfs/URficon.html

    の内容の正確さについては、全く私にはわかりませんが、1955年から約1年間にわたり、実際に運用されたとの記載は、私のおぼろげな記憶と一致しております。
    少年タイフーン

  5. >4. FI-CON Project、B-36 と RF-84K の空中合体技が確かにありましたね(地上結合後の離陸もできるけど、この場合 B-36 の主脚が収納不可能だったらしい)。失念しておりました。
    ささき

  6.  映画の雑誌を読んだら、架空と書かれてましたよ。
    ツカドン

  7. 空中で飛行船に着艦する様子ならTVで観た事あります。
    背中から着艦フックが・・・

    林檎

  8.  そう言えば、「エグゼクティブ・ディシジョン」のパクリ映画の「エグゼクティブ・コマンド」では、SR−71がリモーラF−117Xの代わりに使われていましたね。SR−71のドッキングシステムは、747の胴体にネジをメリメリとねじ込んで固定する仕組みでしたが、あれは決定的にヤバいですね。全体的に見てもザ・ロックの二番煎じなどが出てくるかなり「ちゃち」な映画と感じました。あとF−16の機関砲の発射口が左右2門という凄まじいミスもありました。(M39みたいに)

    YF−23A

  9. 誤解の無いように補足が・…。「ちゃち」なのは「エグゼクティブ・コマンド」の方です。「ディシジョン」はおもしろい映画でした。

    YF−23A

  10. みなさん色々なご意見、書き込みありがとうございます。 ドッキングできても、ダクトのようなものをくっつけて他方の飛行機に乗り移るなど、到底無理なのだという事がわかりました。でも、過去のB-36 と RF-84K のドッキングの意図は何だったのでしょうか? 子機の給油や、航続距離を伸ばすと言う目的なのでしょうか?
    hawkyey

  11. 1でささきさんが書いておられる通り、ソ連の奥深くへの侵攻攻撃を目的とした戦略爆撃機を護衛する戦闘機として、このような合体方式が試験されたものです。当時のジェットエンジンは現在に比べ燃費が非常に悪い代物(ソ連製に比べると西側諸国製はまだましだったが)で、ジェット戦闘機の航続距離も短い。空対空ミサイルがようやく試験的に用いられ頃で射程も短い。B36だけでソ連防空網を突破し任務を果たして戻って来れるか?、第2次大戦の頃並みに戦略爆撃機を大量配備するというわけにもいかない。だから、航続距離が短く主武装が機銃又は空対空ロケット弾といった小型の護衛戦闘機を爆撃機の翼下につけて、護衛戦闘をさせられないかと考えたわけです。結局、この構想が実現するよりも、戦略爆撃機の高速化等の手法が選択されましたが。
    アリエフ

  12. >10 F-85 や TOM-TOM プロジェクトは護衛ジェット戦闘機を B-36 に随伴させる試みでしたが、こと FI-CON 計画については子機が低空高速飛行を得意とする写真偵察機 RF-84K ですので、通常ジェット機の航続距離外にある重要目標へ強行偵察機を送り込むのが目的だったと思います。
    ささき

  13. うーん、皆さんほんとにありがとうございます。すごく勉強になりました。
    hawkeye

  14. しかし
    >映画では確かB52とドッキングするように設計されていて、
    こういった小さなディテールがフィクションをいかにも本当らしく見せるコツなんでしょうね。「万が一核爆撃機がハイジャックされた場合、事を荒立てず極秘裏に回収するため…」なんて解説をつければ、なるほどそういう特殊な機体も存在するかもなぁと思わせる説得力があります。
    ささき


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