1935 |
もし零戦のようなレシプロ機の内翼だけに緩い後退角を付けたら、翼根部の空気密度が下がって干渉抵抗が減少するということは期待できませんか? acorn |
アリエフ
ところで、「緩い後退角」でどうして空気流の密度が下がるのでしょうか?前縁に沿った外向きの気流の偏向(アウトフロー)に期待するなら、後退角は大きいほうがいいと思いますが?さらにそのアウトフローからしてが胴翼干渉のために翼根部ではきちんと発生しないような気がするのですが。
Schump
まなかじさんの好きな(笑)ヴァルティ V-72(A-35)「ヴェンジャンス」がまさにそんな平面形になっています。一体どんな理由でこんな折れ曲がり翼を採用したのかよくわかりませんが、「干渉抵抗削減」の為とはちょっと思えません(胴体と主翼に干渉流が出来るのはせいぜい数十センチ程度ですが、ヴェンジャンスは翼幅の半分程が後退角になっています)。もしかすると「最初は前縁直線で設計していたが、重心設計の間違いに気づいて主翼前縁を前進させ空力中心位置を補正した」というのが正解かも(DC-3 や Il-2 の後退翼はそれが理由でした)。
なお P-51,キ44、Fw190、G.50 など主翼付け根を前方に膨らませたデザインは意外に多いです。第一の目的は脚収納部の容積確保ですが、フィレットへのラインを滑らかにして干渉抵抗を減らす副次効果はあったと思います。
また前進翼機の NASA X-29 も付け根部分は後退角になっていますが、これも主翼前縁から流れた気流が胴体に干渉しないよう工夫しているのかも知れません。
ささき
P−51の場合、胴体付近での揚力低下を補う目的もあったようです。
揚力分布を楕円にする、つまりスパンを横軸に、揚力を縦軸に取って
グラフ化したときに楕円を描くようにするのが揚抗比の理想化です。
胴体の影響が無い理論上の機体ならば楕円翼が理想的となります。
ただし、翼厚比分布の調整、翼型の調整でも同じことが出来ます。
たかつかさ
P51F型以降は前縁の膨らみ(?)、無くなったようですが、考えが変わったのでしょうか?
アンサラー
緩い、と言ったのに深い意味はありません。
極端な平面形にすると何か問題が起きるんじゃないかと弱気になっただけです。
>さらにそのアウトフローからしてが胴翼干渉のために翼根部ではきちんと発生しないような気がするのですが。
私の乏しい知識では何とも...
ただ、そうだとしても翼根部から少し離れた所の気流が外向きになってくれれば、結果的に翼根部の気圧が下がる可能性は有りませんか?
>>3
F-86やB-47が戦後ドイツの資料を手に入れてから後退翼に設計を改めたと聞きますし、そのドイツのMe-262からして重心調整の為に後退角を付ける羽目になったそうですから、
大戦機に明確な意図を持って後退翼を採り入れたものはそうは無いだろうとは思っています(Ar-234の改良型ぐらい?)。
ただ、P-51の様な平面形を見てて、”理屈として”そういう効果は無いんだろうかとふと思ったのです。
>>4
勉強になります。
acorn
何か勘違いなさっているようですが、翼根の気圧(動圧のこと?)を下げると
干渉抵抗は増える可能性が高いです。
わざわざフィレットを付けるのは何故かを考えてみてください。
>P−51F
翼型を変更していたように思います。
たかつかさ
いずれにしろ理屈としても成り立たないとおもいますが。
便利少尉
前進翼では気流が内向きに流れる為に、翼根部の空気密度が上がって干渉抵抗が増える、という話をどこかで読みました。
そこからの連想なんですが、誤った解説だったんでしょうか...
acorn
でも、予想段階での理由付けは、むしろ翼根部の圧力増じゃないかな。
いろんな物入れるスペースが出来そうで良さそうです。
前縁後退角の付いた零戦なら見たことあるんですが。(冗談です)
Morioka