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先日は馬力と最高速についてご教授いただきありがとうございます。 もうひとつ疑問があるのですが、発動機に 「2段2速加給器」 のようにありますが、2段の方がわかりません。 2速のほうは機械駆動加給器の回転数を上げるためのギアだろうと認識しています。(自動車のギアと同じイメージで加給器のコンプレッサーの回転数を上げる。) しかし2段とは何なのでしょうか? 加給器をを2個用意して1個目の加給の後、インタークーラーで冷やし、さらに2個 目で加給するということでしょうか?(これだとあまり意味がないような気がするのです。) J-san |
誤字以外は全くそのとおりです。
>これだとあまり意味がないような気がするのです。)
入出力の関係が逆転しますが、蒸気タービン機関も
高圧タービンと低圧タービンとの二段にわけて出力を
取り出すように、過給機翼車にも効率のいい範囲が
有ります。
一段の強力な翼車を用意するよりも効率的にできる
ということなのでしょう。
SADA
高度が違うと言う事は、大気圧も大きく変化すると言う事です
常用過給圧を確保するには
A:吐出量が大きい過給器を備える
B:過給器の回転数を変化させ、より多く回す
以上が一般的な方法です
過給器は構造上、最適回転数を大きく外れて回転させても吐出量の増加率が良くないので
大抵の場合は2速程度の変速しかしません
一部のドイツのエンジンで有名ですが、無段変速式の過給器を備えた物もあります
過給器は回転数と大気圧から吐出量が凡そ決まります
エンジンが耐えられないほどの空気を送り込んでも壊れるだけですから
例えば全開高度3000mのエンジンの場合
3000以下の高度では、過給器を回すのに出力を使いながら
それで生成した空気のかなりの部分を捨てています
高高度で全開できるような構造の過給器を備えた場合
それは駆動させるのに大きな馬力を使い
更に、それが生み出す大量の空気は、低空では活用できません
この問題への対応としてはいくつか有るのですが
一つは多段変速式にして、高度に応じて過給器の回転数を変化させると言う物がありますが
過給器の構造上、一定範囲を越えた回転数では駆動に大きな力を使う割に吐出量は増えません
つまり、あまり多段式にしても効率は上がらないのです
低空でも吐出量を確保するためにそれほど極端には回転を落せませんし>駆動損失が大きい
その割に高度を上げていくと、駆動損失は増えても吐出量はあまり変わらないと言う事も有ります
そこで、高高度用の大規模過給器と低空用の駆動損失の少ない代わりに吐出量も小さい過給器を併用する方式が2段式です
低空では大規模過給器は使わないので駆動損失は最小になり、馬力が大きく
高空では大規模過給器の力によって高い高度でもブースト圧を確保することが可能になっています
自動車で言う、シーケンシャル・ツインターボなんかが同様の構造です
まあ自動車の場合はターボラグの解消が狙いなんだけど
吐出量が小さくてよい場合に小さい過給器を使うというところは同じです
SUDO
私もいろいろ調べたところ、2通りの解説になるのです。
1.加給器1―冷却―気化器―加給器2―冷却―シリンダー
2.大加給器 小加給器を高度にあわせシーケンシャル(順次)に切り替える。
(SUDOさんのシーケンシャル・ツインターボの方法)
併用と切り替えでは大きく違うと思うのですが、両方あるってことでしょうか?
それとも1の構造で、高度によりどちらかの加給器をスルーするのでしょうか?
J-san(質問者)
これは物によって違うようです
例えばF4Fのツインワスプ(R1830−76)エンジンでは
A 過給器一個 離昇時 1200馬力
B 過給器二個 中低空 1100馬力
C 過給器二個 片方は変速して高速回転 高高度 1050馬力
の3つのモードを切り替えて運用しています
マーリンの過給器は追加式だったかな・・・
たぶん切り替え式はそれほど多くは無いと思います
SUDO
>B 過給器二個 中低空 1100馬力
>C 過給器二個 片方は変速して高速回転 高高度 1050馬
この説明でバッチリ理解できました。
どうもありがとうございます。
#私、ずっと「過給器」を「加給器」と書いてましたね。。(^^;
J-san