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はじめまして。 堀越・奥宮著「零戦」中の烈風の項に 「最高速度が計算値より大幅に劣る。上昇性能から誉が1300馬力以上出ているとは思えない・・」 というくだりがあるのですが、馬力と最高速について疑問があります。 たとえば「同じ機体」「同じプロペラ」に1000馬力と1100馬力(同重量)の エンジンを載せた場合、最高速は変わってしまうのでしょうか? 最適のピッチ・最適の回転数は(水平飛行であれば)1000馬力でも実現できると 思うので、1000馬力でも1100馬力でも最高速は同じような気がするのです。 J-san |
>最適のピッチ・最適の回転数は(水平飛行であれば)1000馬力でも実現できる
>と思うので
ここが間違っています。
これが正しいなら、原付のエンジンで戦車が走ります。
たかつかさ
やはりそういうことなんですかね。。
どうも腑に落ちないのが、
回転計があるのだから、テストパイロットが
「ピッチをたてると、xx回転で維持できないから最高速がでないよ」
とか言わないのですかね?
(上昇率から発動機の出力低下の裏とる前に、わかりそうな気がする)
感覚的な意見ですが、
戦車の例は、タイヤ(キャタピラ)と地面の抵抗ですよね。
これなら馬力の大小により変わるのはわかるのですが
プロペラ対空気だと1000馬力と1100馬力って
あまり違わないような気がするのです。。
高速域での空気の圧縮性はものすごいから、馬力が劣るとプロペラの回転を
維持できないってことなのでしょうか?
質問者
それがまずわかりません。
原付と戦車のたとえはご理解いただけなかったようですが、
どのように誤解なされているのかも私には判りかねます。
力になることは出来ないようです。ご容赦下さい。
たかつかさ
単位時間当たりに押し出す空気の量も増えるので、単位時間
当たりに飛行機が進む距離も増えるのでは?
よしおみ
同じ回転数で回している場合、プロペラの生ずる推力はピッチ角によって変わります。例えばピッチ零度であれば一番少ないパワーで回せますが推力はゼロ。逆に九十度(フェザー)にすれば一番パワーを食いますがやっぱり推力ゼロです。ピッチ何度が最高効率かは翼型やひねり具合や回転数にも依存し一概には言えません。
「パワー」はコクピットの計器に「ブースト圧」として表示されます(「馬力」としては表示されません)。操縦者はピッチレバーを回して回転数を決め(「ピッチ角」は普通表示されません。計器で読めるのは回転数です)、スロットルを押し込んでブーストをかけます。ブーストがかかると回転は増えようとしますが、プロペラに内蔵されたガバナー(調速器)がピッチを増減することで指定された回転数を維持できるようにします。
設計者は「このプロペラを〜で回しブースト〜をかけたときピッチ角は何度になる筈であり、従って推力は〜となり速度は〜出るはずだ」と試算します。この指示通りにテストパイロットが飛んで試算と大きく食い違う速度が出た場合、何かが何処かで間違えていることになります。三菱の設計者はそれを誉の額面割れに求めようとしていたようです(その推論が正しかったかどうか、はまた別の議論ですが)。
ささき
また、プロペラ直径と推力の関係はどうなんでしょうか?
ペラ先端が遷音速に達する回転数は少なくて済みそうですが?
よしおみ
よしおみ
過去ログをよんで、プロペラはただ早く回せば良いものではない。
ということは理解していました。
そこで同一機体、同一プロペラで出力の違う発動機を乗せた場合
1000馬力もあれば最適の効率でプロペラを回せると思ったので、
1100馬力になってもそれは変わらないのかなっと思ったのです。
感覚的な意見(戦車)も
エンジンにより駆動する対象が
1、自重が地面と密着している状態のキャタピラ。
2、自重は翼の揚力に後押しされている状態の空中でのプロペラ。
1に比べ2はあまり馬力に依存しないのかなと感覚的に思ってしまいました。
しかし皆さんの意見を読んで、理解しました。
1000馬力では非力なので最適な状態でプロペラを回せない。
回転数は同じでも、ピッチが違ってたりしている。ということですね
どうもありがとうございました。感謝です。
質問者
taka
なんか矢継ぎ早に質問されていますが、少しはご自分でお考えになっては如何でしょうか。
>どんなレシプロ機でもペラ先端は常に遷音速で回っているという事でしょうか?
そんな事はありません。もしそうだとすると、固定ピッチプロペラの機体は速度を加減できないという事になりませんか?
>また、プロペラ直径と推力の関係はどうなんでしょうか?
正確な式は空気力学の専門書を当たって貰うとして、常識で考えれば直径が大きいほど推力は増大するでしょう。
>(プロペラ直径がより大きければ)ペラ先端が遷音速に達する回転数は少なくて済みそうですが?
ペラ直径が大きくなれば「遅い回転数で大きな推力」が得られますが、逆に言えば「速く回そうとすると遷音速に達してしまう」とも言えます。
またペラ先端と根元付近での流速差が激しくなり、ペラ全体としての効率を出すのが難しくなるようです。
>8.
>そこで同一機体、同一プロペラで出力の違う発動機を乗せた場合
>1000馬力もあれば最適の効率でプロペラを回せると思ったので、
>1100馬力になってもそれは変わらないのかなっと思ったのです。
もし 1000 馬力でギリギリ最高効率ピッチ・最高回転の出るプロペラを付けていた場合、それ以上馬力を増やしても推力にはつながりません。
これは例えばドラッグスターでタイヤのグリップ力以上のエンジンパワーを出しても、タイヤが空転するばかりで加速につながらないようなものですね。
しかし飛行機のプロペラでそんなに余裕のないギリギリの設計は普通しないようです。
ささき
プロペラピッチ調節レバーはプロペラの回転数を決めます。
スロットルレバーで出力を制御します。
ピッチはプロペラの方で自動的に制御します。
指定された回転数を維持する様にピッチを制御します。
たとえば、スロットルを開けていくとそれに応じてピッチが深くなっていくます。
無段階変速オートマの車で、はアクセルを踏んでもエンジン回転数
は変わらないで速度だけが上がる状況と同じです。
>最適のピッチ・最適の回転数は(水平飛行であれば)1000馬力でも実現できると
>思うので
もちろん可能です。
<最良の効率でプロペラを回す>
たとえば速度360km/hで飛行している時のプロペラ効率が80%の場合
推力=75×1000馬力×0.8/100=600kg
推力=75×1100馬力×0.8/100=660kg
推力=75×2000馬力×0.8/100=1200kg
1100馬力用プロペラを1000馬力で回しても恐らく効率は同じでしょう。
効率が同じなら馬力の差が推力の差となり、ひいては速度の差となります。
そのエンジンにおいて最良のプロペラ効率が得られる様に設計します。
これは設計者のお仕事でパイロットが心配する必要はありません。
バイロットは最初にプロペラピッチ調節レバーで最大回転数を設定
それからスロットルを全開にすれば良いのです。
林檎
戦後、アメリカに持ち帰ってテストした日本機がみな性能アップした所を見ると、
オリジナルのペラを使っていたのでしょうから(馬力アップ以外の要因はあるに
せよ)日本の発動機+低オクタン燃料では、プロペラの潜在能力を十分に引き出し
てなかったのですね。(プロペラも変えているのならこれは違う話ですが。)
#ささきさんのレスの中の烈風の性能が期待通りでないのを、三菱技術者は
#誉の額面割れ・・の件は興味がありますね。
#スレッドが深くなるし別の話なので、自分で調べてみます。
みなさま、どうもありがとうございました。
質問者
kazz
BUN
利用馬力:プロペラ推力に速度を乗じた値
より
D×V = T×V
(1/2× ρ × V ^ 2×CD × S)×V=(T = 75× HP × ηp/V)×V
1/2 × ρ× V ^ 3× CD × S=T = 75.0× HP × ηp
V= (2×(75 × HP× ηp)/ (ρ ×CD× S))^1/3
と導出できました。
林檎