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1786 いつもお世話になります。
細かい質問で恐縮です。

Me163B-0生産前型とMe163B-1量産型では
全長が5.75m、5.92mと異なる数値が出ていることが多いのですが、
図画(いわゆる三面図)では両タイプとも同じ長さのものが多く、
数値の違いの根拠がわかりません。

教えていただければ幸いです。
はずれ

  1.  具体的にどの図面であるとか、どの記事であるとかがわからないと本来は検証しにくいのですが、おそらく今までのもののほとんどはどこかに書かれた記事のデータをそのまま使用しているので、ここではその元となったであろうオリジナルの資料で確認したものを紹介します。
     現在、Me163Bに関しては当時のマニュアル(1944年9月版)とメッサーシュミット社が作成した構造説明書(1943年8月版)が手元にありますが、マニュアルの方は肝心の寸法データ等の記載された部分が欠落しており、現在海外からの資料送付を待っているところです。
     しかし、構造説明書には寸法等の記載があります。これによるとB-0ですでに全長の違うものがあるようで、これは試作型で搭載機関砲が途中で変えられたことが確認できるのと同様に、全長も途中で変更された可能性があります。すなわち、同一の文書において、Me163B-0の初期に5.70m(この文書では5.75mではない)、そしてその後ろの1/25の図面では全長5920mm(5.92m)となっており、このようなことから後にB-0では5.75m(?)、B-1では5.92mと判断されたものだと思われます。
     ご存じのようにMe163は胴体後半がすっぽりとはずれ、この部分に他の機体のカバーが使われたり、あるいはロケットモーターの違いなどもあって明確な全長の違いの根拠は私はまだ確認しておりませんが、古くは1975年に発表されたドイツの記事ではB-0とB-1は搭載エンジンの違いだとしているので、もしそのエンジンの全長が異なればB-0とB-1の全長の違いの根拠となる可能性もあります。
     Me163は製造機数もきちんと確認されておらず、また、照準器搭載位置、搭載機関砲、酸素供給口、排気口付近、動翼など単純な外観とは裏腹に細かな部分の違いから多くのバリエーションが確認できるのですが、それらの関係などは現在まだ研究中です。

    国江


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