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1686 英のソードフィッシュ雷撃機は、旧式ながらもドイツ、イタリア相手に活躍したそうですが、日本海軍と交戦した実績はあるのでしょうか。もし無かったとしたら日本海軍と刃を交えた場合、どの程度の成果をあげたと推測されますか。
ガードマン

  1.  職場ゆえ、全くの記憶で答えます。

     セイロン沖で南雲機動部隊に対し夜間雷撃を試みたものの、
    敵艦隊捕捉に失敗し、戦果をあげられなかったと思います。

     仮に交戦したら・・・ですが、これは全くの状況次第としか
    言えません。この戦いでも日本艦隊は陸上爆撃機を上空に
    侵入させており、またこの後の珊瑚海海戦でも対空見張り能力の
    不足を戦訓に指摘されています。
     つまり、この時期は邀撃方法が確立されていないと言えます。

     ですから、侵入し、魚雷投下するだけならソードフィッシュでも
    比較的容易なのではないでしょうか。離脱できるかどうかはまた
    別として・・・。

    SADA

  2. 25ミリの有効射程が3000、魚雷投下位置が1200、雷装での最大速力が180キロとすると雷撃するまで30秒以上射撃にさらされることになりますね。そんだけ射撃時間がとれるんだったらたっぷり照準をつけられますからかなりの確率で撃墜されると思います。使うんだったらロケット弾で砲台潰してから雷撃するか夜間雷撃か艦爆と同時に攻撃して対空火力を分散させる必要があると思います。
    alphabette

  3. しかし、英国の航空魚雷の射程を見ると、
    Mark XII(1937年配備) : 射程1370m/40ktあるいは3200m/37kt
    Mark XV (1943年配備) : 射程2290m/40ktあるいは3200m/33kt
    Mark XVII(1945年配備) :射程2300m/39-40kt
    と、なってるんですな。

    日本の航空魚雷より射程が長いです。
    91式各型がだいたい1500〜2000mといったところですから・・・。


    SADA

  4. まあ、そんなわけで、鈍足だからといっても侮れない、とは言えると思います。
    結局損害を与えるのは雷撃機の性能ではなく、投下した魚雷ですし。
    SADA

  5. >4
    しかし、鈍足機では有効な射点に着けないのではないでしょうか?
    せっかく優秀な攻撃兵器を所有していても、それを運搬する術を併せ持たなくては体系として完成しません。
    的艦が鈍足で射点占位が容易ならば兎も角も、戦闘速力で機動する戦闘艦に対してはそれでは宝の持ち腐れでしょう。
    対独戦に関しても海峡突破阻止戦に参加したソードフィッシュの攻撃に対して
    「可哀想に、あれは自殺だよ」と高速疾走する的艦のドイツ艦長が漏らしたと言いますし。

    侮れないのは第一義的には「雷撃」であって、そしてソードフィッシュが「雷撃機」であったことが侮れない、と言うことに尽きると思います。
    本格的航空戦が闘われていた太平洋にあっては雷撃機の能力不足が露呈するのは明かはないでしょうか?
    もっとも、対船団攻撃等の活躍の余地は残されていますし、海上護衛総隊にとっては嫌な敵となることは請け合いですが。
    かっぱ

  6. 私もかっぱさんの意見に同じです。
    ガードマンさんが目標を何に置いての質問かが見えないのがアレですが、わざわざソードフィッシュを使うということは、要するに空母による運用を念頭に置いての質問だと解釈します。
    相手が南雲機動部隊並みのまともな機動部隊であればシャレにもなりません。
    ミッドウェイや珊瑚海のTBDを見て下さい。
    よほどの幸運がない限り遠距離からの魚雷投下がやっとという状況で、それも簡単にかわされてしまうでしょう。
    また雷撃機は平射砲でも比較的容易に落とせる事をお忘れなく。
    高速艦相手の航空魚雷は、高速は武器でも必要以上に射程が長いのはあまりアドバンテージにはならないように思えます。
    91式が酸素魚雷に置き換わらなかったのは、取り扱いの面倒さ以外にも、そんな射程いらんという判断がありましたよね。
    雷道が見える上にただでさえ遅い魚雷は、爆弾と違って比較的回避し易い兵器です。
    きれいにかなとこ雷撃法が決まるとか、そういう編隊発射が実現しない限り当てるのは困難でしょう。
    その意味ではソードフィッシュの鈍足は極めて重大な足枷になります。

    一方で、かっぱさんの言うように輸送船団にとっては、本当に死ぬほど嫌な相手でしょう。
    ただでさえ対空火力が劣る上に良くても10ノット、普通はそれ以下で動いている彼女たちに魚雷を当てるのはそんなに困難ではないです。
    ミッドウェイ前哨戦では、PBYが夜間雷撃を成功させています。
    使い方次第では相当に恐ろしい死の使い手になるでしょう。
    ソードフィッシュに限りませんが、兵器とは、要するに使い方なのだと思います。
    じゃむ猫

  7.  ああ、単純に片づくかと思ったのに長レス化してるな。

    >鈍足だから射点につけない

     ソードの正確な海面速度が不明だが、ここで挙げられている仮に
    180km/hとすると、97kt。日本駆逐艦の二倍以上、三倍近く速い。
    「攻撃側1.5倍優速が望ましい」という原則からは必要以上に十分。

    >海峡突破阻止戦に参加したソードフィッシュの攻撃に対して
    >「可哀想に、あれは自殺だよ」

     海峡突破阻止戦では上空護衛、対空警戒が充実しており、
    ここで述べている「日本艦隊の上空見張の甘さを当てにした
    侵入」は不可能。一概に比較することが無茶。

    > 侮れないのは第一義的には「雷撃」であって、そして
    >ソードフィッシュが「雷撃機」であったことが侮れない、
    >と言うことに尽きると思います。

     そゆこと。対空警戒が甘くて、対空機銃の威力が不足気味。
     そういう艦隊に対して、対空機銃の有効射程外から雷撃を
    かます事ができる魚雷を持っていて、戦闘艦の艦隊相手で
    あろうと射点につくことができる雷撃機。

     艦隊側が護衛戦闘機を持っていなければとてつもない
    脅威だと私は思います。

     艦艇の対空砲火はあくまで最後の気休めに過ぎない、
    と思いますよ。ましてや25mmでは・・・。
     対象機種がまあアレなんで一概に比較するのもどうかと
    思うんだけど、艦船Ans.Q679番も目を通してみてください。
     ソードよりはましとは言え、防弾が弱いと定評のある
    日本機を、米軍側は40mmでは阻止不能と判定し、76mmに
    置き換える計画でした。

    SADA

  8. >7
    SADAさん

    まあ、対空砲火に晒される時間が長いってのが最大の問題でしょうな
    大戦末期の、カミカゼの場合、突入速度は凡そ150m/s(上から降ると200m/s)
    対してソードフィッシュは50m/s程度ですから

    対空射撃を8,000mから開始したとして
    カミカゼの場合、ゼロ距離まで50秒、ソードフィッシュが2,000mで投下するとして120秒
    射撃に晒される時間は倍以上異なりますな

    対空射撃の弾着なりのフィードバックが有効に動き出すのに10〜30秒喪失するとすると
    対カミカゼの有効対空射撃時間は20〜40秒(しかも接近されると角速度や射線の問題も加わる)
    対ソードフィッシュは90〜110秒、3倍以上ですね
    更に日本軍のFCSでも鈍足なソードフィッシュには有効な照準を行えます
    米軍の対空砲火の撃墜報告では機銃と高角砲でそれほど変わらないことを考えると
    有効な照準を行えるなら、そして射撃時間が確保できるなら
    高角砲の阻止率は侮れない物になるのが想像できますし
    じゃむ猫さんが言うように、平射砲でも雷撃機は狙えるので
    艦隊の阻止放火の数は倍以上に増えるので
    機銃射撃以前に何割か脱落すると思いますがどうでしょう?


    SUDO

  9.  そっか、高角砲の存在を忘れていました(ぉ)

     仮に3000で発射するとしても100秒か・・・。
     カミカゼの倍の射撃時間に収まる計算にはなるけど、
    羽布張りには酷ですね。

    SADA

  10. なんか便乗で申し訳ないんですが。。。

    >対空機銃の有効射程外から雷撃をかます事ができる魚雷
    すいません、これすごく興味あります!
    英空軍はこういう雷撃を常用にと考えていたんですか?
    南雲艦隊の艦長たちは、単機による距離2000からの雷撃など当たらないの一言で片づけていたようですが、英空軍は遠距離雷撃が有効だと判断していたんでしょうか。

    また、日本海軍(に限らないけど)が雷撃機を見つけた時は、雷撃機に艦尾を向けて射点を後落させるという方法を採ります。
    だから複数機による巧い雷撃法がないと当たらないと判断していたようですが、英空軍は先の遠距離雷撃法と組み合わせて、何かいい雷撃法を持っていたのでしょうか。
    米海軍の「絶対当たるぞ」雷撃法はフィルムか何かで見た事あるんですが、英空軍の雷撃法は全然知らないので教えて下さい〜。

    >40mmで阻止不能
    これって、相手がカミカゼだから指摘されたのでは。。。
    完全に叩き落とさないと目的を達しないという話だったと記憶してるのですが。。。もしかして違うかも(--;;

    じゃむ猫

  11. >南雲艦隊の艦長たちは、単機による距離2000からの
    >雷撃など当たらないの一言で片づけていたようですが、
    >英空軍は遠距離雷撃が有効だと判断していたんでしょうか。

     単機では当たらないのが普通でしょう。
     基本的に雷撃の理想は「それなりの高度を取って、高速で、
    肉薄」です。しかし、鈍足では肉薄できませんから、必然的に
    遠距離での攻撃になるか、犠牲を覚悟の上で強襲になります。
     ただ、羽布張りの場合、非常に発火しやすいですので、
    防空火力が激増する機銃の射程内には入りにくいと思います。
    つまり、肉薄は不可能に近い。

    >また、日本海軍(に限らないけど)が雷撃機を見つけた時は、
    >雷撃機に艦尾を向けて射点を後落させるという方法を採ります。
    >だから複数機による巧い雷撃法がないと当たらないと判断して
    >いたようですが、英空軍は先の遠距離雷撃法と組み合わせて、
    >何かいい雷撃法を持っていたのでしょうか。
    >米海軍の「絶対当たるぞ」雷撃法はフィルムか何かで見た事
    >あるんですが、英空軍の雷撃法は全然知らないので教えて下さい〜。

     日米英三大海軍の研究組織というのは膨大な量の研究を重ねています。
     推測しかないんですが、雷撃を重視せず降爆に力を注いでいた米海軍で
    すらそういうものを用意していた事から考えて、英国が雷撃法の研究を
    怠っていたとは考えにくいです。


    SADA

  12.  ちなみに昭和18年における我が海軍での研究結果では、速度200ノット、高度100mで接近する雷撃機に対し、25o機銃6門?を用いて射撃した場合に命中弾を0.9発得られる。としていました。
     この数字は少ない気もするのですが、こんなもんかもしれません。
     もちろん、速度100ノット程度のソードフィッシュだと単純に2倍ではなくて、2倍以上になるのでしょうけれども。

     高角砲については低高度を飛行する航空機への射撃は余り考慮されていないようなのですが、参考までに12.7センチ高角砲4門で、速度300ノット、高度2000mの目標に対して射撃した場合、射撃時間内での有効弾の確率は0.9発となっております。

     以下は戯れ言ですが、「防弾タンク」に対しては効果がなかったと言われる「三式弾」も今回の対象には結構効果がありそうだなあ、、近くまで持っていければ、ですがね。
    tackow

  13. >肉薄は不可能に近い
    ということは、遠距離雷撃は苦肉の策って認識でいいんでしょうか。。。

    まぁ、皆さんまともな上空直衛機を持った艦隊に対しては、接近は難しいという認識で一致してるということですね。
    どうもありがとうございます。
    じゃむ猫


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