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陸軍航空隊の戦記を読んでいて気になったんですが、機銃の故障が頻繁に出てきて、海軍よりも多いような気がするんですが、陸軍の機銃って海軍のよりも故障しやすいんでしょうか? 機銃によって違うとは思いますが、僕が見てたのは隼の戦記です。 A6M2 |
しかしホ-103 は配備当初故障が続出し、担当者が前線や工場を文字通り駆け回って対策に奔走したそうです。ちなみに米軍のブローニング M2 も配備当初は故障(特に空戦荷重による給弾詰まり)が多発していますが、向こうは4〜8挺装備の多連装だったのに対し2挺装備の隼では機銃故障の影響もより深刻だったのでしょう。
また、ホ-103 の特色として 12.7mm の小口径・クローズドボルトの同調機銃というメカニズムでありながら炸裂弾を発射できる点が挙げられますが、配備当初は信管の信頼性があまり高くなく、筒内爆発や早期炸裂などの現象が多発したそうです。
http://www.warbirds.nu/kunimoto/rikugun/ho103.html
のちのホ-5 二式 20mm もそうなのですが、陸軍が多用したブローニング系のショート・リコイル機構は銃身が機関部と独立して前後に可動するメカニズムで、交換式の銃身を組み換えるたびに遊底と薬室の距離(ヘッド・スペース)をコンマ数ミリ単位で調整する必要がありました。英軍でも 1933 年にヴィッカース機銃からブローニング機銃に装備改変していますが、配備当初は整備員の不慣れからヘッド・スペース調整ミスが起き、「薬莢切れ」という故障が頻発したそうです。
http://www.epsnet.co.jp/~f4u/crazy/jp/gun/mech.htm
http://www.epsnet.co.jp/~f4u/crazy/jp/gun/br303.htm
海軍の 7.7mm(97式固定機銃)は英国ヴィッカースの系列で、もともと実績のあるメカニズム(なにせ原形の開発は 1885 年!)にくわえ陸軍一式より採用が4年も古く、中国戦線でバトル・プルーフ済みだったため太平洋戦争時にはほぼ無故障のレベルに達していたようです。ただしヴィッカース系のメカニズムはブローニングより重く、発射速度も1割〜2割遅いという欠点がありました。なお、陸軍も同じヴィッカース系の機銃の弾薬仕様を替えた 89 式固定機銃を採用しています。
http://www.warbirds.nu/kunimoto/visiki77mm.html
http://www.epsnet.co.jp/~f4u/crazy/jp/gun/jn97_77.htm
http://www.epsnet.co.jp/~f4u/crazy/jp/gun/ja89fix.htm
一方の 20mm(99式)はスイス・エリコン製の FF 型がベースになっていますが、API ブローバックという独自の機構のため微妙な調整を要する部分が少なく、これが高信頼性につながったようです。ただしエリコンには発射速度が低いこと、また API メカニズムの宿命として薬莢に塗油する必要があり、これが高々度で凍結するといった問題もありました。
http://www.warbirds.nu/kunimoto/kaigun/99-20_rekisi.html
ささき
URL見て勉強してきます。
A6M2