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ところで,Me262は音速を超えられたのでしょうか。 某新聞に元ドイツ空軍パイロットの証言が載っていて思ったのですが。 >高度12000mで飛行訓練中,低空に発見した敵に向けて急降下をかけたところ >速度計が1100km/hを越え,衝撃波を感じた。 機体強度の問題なのでしょうか。硬くて抵抗が少なければ音速は越えられると考えてしまって良いのでしょうか。 あと,この手の証言がなぜ今さら取り上げられているのかも気になります。 maNoke |
無理だと思います。速度計の話は圧縮効果か空気過熱による計器誤差(対気速度計は真速度を示しません)、衝撃波の話は機体表面気流の一部が音速に達して発生したものだと思います。
>機体強度の問題なのでしょうか。硬くて抵抗が少なければ音速は越えられると考えてしまって良いのでしょうか。
Me262 は後退翼を持ってはいますが、翼型は超音速を考慮していません。こういう翼で遷音速に達すると翼上面の速い気流が機体より先に音速に達して衝撃波を発し、スムーズな流れが乱れて揚力を失う衝撃失速という現象が起きます。
Me262 を上から見ると胴体は主翼付け根付近での断面積が最大になっており、いわゆる断面積法則(エリアルール)の逆をゆく形状になっています。遷音速抵抗は非常に大きそうで、非力な Jumo004 エンジンの推力でその抵抗に打ち克って音速突破することは難しいと思います。
Jumo004 エンジンのコンプレッサー・ブレードの翼型も超音速は考慮されておらず、高々度ではコンプレッサー・ストールを起こす事もあったようです。機体が超音速に達する前にエンジンが推力を失うのではないでしょうか。
ささき
http://home.att.net/~jbaugher1/p86_1.html
ただし F-86 による音速突破は操縦不能の可能性を伴う危険なものだったようです。超音速時には昇降舵の効きが非常に悪くなり逆効きの兆候まで示していたため、F-86E 以降では油圧操作の全動式(オール・フライング)エレベーターが導入されています。
ささき
http://www2m.biglobe.ne.jp/~ynabe/super.htmこの記事と、
東京新聞(ですよね?それともドイツの「シュピーゲル」を読まれたのでしょうか)
の記事とを読み比べれば、その元パイロットの証言そのものが
「音速は超えていない」と言う意味だと判ると思います。
個人的には、もう少し細部の辻褄を調整して欲しかったと思います。
元空軍操縦士なら、戦後に掛け値無しの超音速を経験した戦友くらい
いるでしょうし。
>なぜ今さら
単に不勉強な記者がどこの国にも居る、それだけのことでしょう。
たかつかさ
なるほど,やはり不可と見てよろしいのですね。
自分としては,X-1もロマンだけどMe262の方を応援したかった……。
ありがとうございました。
maNoke
私自身は、可能だったか不可能だったかを断定するのは無意味だと思っています。判らないというのが正しいのではないでしょうか。
ラフ
>音速付近での挙動
P−51のマニュアルにも「音速付近での挙動」は書いてありますよ。
http://barella.en2.ehime-u.ac.jp/~kumac/P51/
P−51が音速突破した可能性ありとは主張されないと思いますが。
たかつかさ
フリ
>7. 超えたときの挙動です。読んでください。
ラフさんとフリさんは同一の方のようなので伺いたいのですが、46年に作成されたというMe262用のパイロット・ハンドブックに音速を超えた場合の挙動として、どの様な記述があるのですか? 大変興味があります。 御手数ですがその部分を御紹介願えないでしょうか。 原文のままでも構いません。
みなと