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1625 日本海軍の中攻・大艇等の実録戦記を読んでいると、夜間の洋上で吊光弾(?)を撃ち出して、方位を確認する場面がまま描かかれているのですが、具体的な計測方法がよくわかりません。
落ちて行く吊光弾を観察して、どのように方位を調べたのでしょうか?
穂積

  1. 洋上の夜間飛行をコンパスと天測航法のみで行わねばならないとした際、機首方位を決定する為の風向・風速、乃至、所定のコンパスヘディングを採った際の偏流量の情報の取得が困難と思われますので、 機首方位を一定に保ち続けながら、落下傘の付いた照明弾のようなものを投下し、落下傘の傾きから偏流量を判断した、という推測はいかがでしょうか。 コンパス-天測の組み合わせでは実用精度が低く有意な風向・風速は得られませんし、又、既知の無線局の方位は当時でも有益な情報となり得たでしょうが、十分近傍にないとやはり風向・風速の測定には誤差が大き過ぎたことでしょう。ご存知の方、ご教示ください
    みなと


  2. >夜間の洋上で吊光弾(?)を撃ち出して、方位を確認する場面がまま描かかれているのですが、

    本当にそのように描写されていましたでしょうか?

    私が見聞した範囲で考えるに、それは吊光弾ではなくて「航法目標灯」と
    呼ばれるものではないかと思われます。

    航法において必要とされる偏流測定、すなわち飛行機が向いている向きと
    実際に進んでいる方向のずれの測定には、何らかの静止た目標物があれば
    可能と言われます。これは、元搭乗員の手記などを丹念に読んでいればそ
    のような記述に見られると思います(実際に載っている文献が今手元にな
    いので、確認の上文献名を示せないのが残念ですが)。

    よって、洋上においては白波がちょっとでもあれば偏流測定は可能ですが、
    洋上にそのような目標が無い場合は、人工的に目標物を作る必要がありま
    す。その際、昼間においては航法目標弾(アルミニウム粉)、夜間において
    は航法目標灯(カーバイト)を投下し、海面にほぼ静止した目標物を設定
    することができます。

    これに対する具体的記述は、例えば厳谷二三男「海軍陸上攻撃機」などを
    参照して下さい。これによれば、航法目標灯は少なくとも30分位は明るさ
    を保っているかのように思われます。

    今泉 淳


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