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日本海軍の中攻・大艇等の実録戦記を読んでいると、夜間の洋上で吊光弾(?)を撃ち出して、方位を確認する場面がまま描かかれているのですが、具体的な計測方法がよくわかりません。 落ちて行く吊光弾を観察して、どのように方位を調べたのでしょうか? 穂積 |
みなと
>夜間の洋上で吊光弾(?)を撃ち出して、方位を確認する場面がまま描かかれているのですが、
本当にそのように描写されていましたでしょうか?
私が見聞した範囲で考えるに、それは吊光弾ではなくて「航法目標灯」と
呼ばれるものではないかと思われます。
航法において必要とされる偏流測定、すなわち飛行機が向いている向きと
実際に進んでいる方向のずれの測定には、何らかの静止た目標物があれば
可能と言われます。これは、元搭乗員の手記などを丹念に読んでいればそ
のような記述に見られると思います(実際に載っている文献が今手元にな
いので、確認の上文献名を示せないのが残念ですが)。
よって、洋上においては白波がちょっとでもあれば偏流測定は可能ですが、
洋上にそのような目標が無い場合は、人工的に目標物を作る必要がありま
す。その際、昼間においては航法目標弾(アルミニウム粉)、夜間において
は航法目標灯(カーバイト)を投下し、海面にほぼ静止した目標物を設定
することができます。
これに対する具体的記述は、例えば厳谷二三男「海軍陸上攻撃機」などを
参照して下さい。これによれば、航法目標灯は少なくとも30分位は明るさ
を保っているかのように思われます。
今泉 淳