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よく本に米軍は、130から140オクタンガソリンを使い・・・と書いてあったりしますが、なぜそんなに枢軸国との差があるのでしょうか? さと |
ささき
ただし、今日では慣習的に100から上のオクタン価を
「混合オクタン価」で示すことがあります。
たとえばオクタン価が未知の燃料と、0オクタン(ノルマルヘプタン)とを
50:50で混ぜ合わせて造った燃料が70オクタンを示せば
(実際には混合比をいろいろ変えて測定を繰り返すようですが、
燃料屋からの又聞きなのでここまで^^;)
この燃料を「140オクタン(混合オクタン価)」と表記します。
航空用の100/130グレード燃料でこの試験を
行なうとリサーチ法で140(混合オクタン価)前後になるようです。
当時の米軍の燃料ではどうか知りませんが……。
たかつかさ
パフォーマンス価は、標準化された計測用のエンジンで所定の条件下で得られるIMEP,平均有効圧力の最大値をイソオクタン100%で得られる場合と比較するもので、モーター法なりリサーチ法なりで計測されたオクタン価とは指標が異なるのです。
みなと
便乗質問失礼いたします。これ、航空用100/130はリサーチ法換算で110位かな、と漠然かつ勝手に思いこんでいたのですが、宜しければ140前後との換算数値、出典をご教示いただけますでしょうか。関連の資料捜しているのですが見つからないのです。
みなと
換算根拠
申し訳ありません、輕率でした。
「140」と言うのは燃料技術者との雑談で出た話ですので、
ここで書くような根拠のはっきりした数値ではありません。
とりあえずそのようにお断りします。
確認がとれたらフォローしたいとは思いますが……。
たかつかさ
さと
>6. わかりにくくてごめんなさい。後ほど改めて挑戦したいと思います。
みなと
アメリカにおいては、終戦前までの100オクタン以下の燃料のオクタン価を表記するのに「モーター法(CRC-F2法)」を使用していましたが、2つの数字を並べて表記する「パフォーマンス価」表記では、前半が希薄混合比で「航空法(CRC-F3法)」、後半が濃厚混合比で「過給気法(CRC-F4法)」で表記されるようになりました。ですから、100/130の100と、ただの100オクタンの100では測定方法が違うようです。どのくらい差があるのかは、手元に資料がないので残念ながら・・・。
また、オクタン価が高い方が即エンジン出力が高くなるとは言えず、「紫電改」でもチラッと書きましたが、燃料の成分により発熱量、燃焼性能が変わります。
たとえば、日本において3種類の100オクタン燃料(スタボノ、均一高耐爆、イソプロピールエーテル混入)をテストした記録が手元にありますが、それぞれに許容可能なブースト圧、最大出力が違います。しかも、どれが最も優れているかはエンジンとの相性もあるようで、「光一型改」では「イソプロピールエーテル混入」が最も出力が高く、「瑞星」では「均一高耐爆」が最も出力が高いという結果になっています。同時に「金星四型」では、三つともほとんど差がありません。
胃袋3分の1
さと
航空機用の燃料に使われる計測法はモーター法(CFR F2)か航空法(CFR F3)か過給法(CFR F4)で、リサーチ法(CFR F1)は使われましぇん。
パフォーマンス価表記は、同一条件でイソオクタン(オクタン価100)と試料を同一条件でCFR機関で試験したときに、試料のアンチノッキング限界出力がイソオクタンの時のそれの何%に当たるかを示した物。PNが130ならば100オクタンガソリンの130%の限界出力が可能という事でし。
100以下のPNとオクタン価の関係は、PN=2800/(128-オクタン価)となるです。(ただし100以下の物はオクタン価表示が一般的でし)
数字が二つ並んだ表記はMIL-G-5572というMILスペックによるもので、前者が希薄混合比を用いたモーター法または航空法によるもの、後者が濃混合比を用いた過給法によるものでし。それからこれはオクタン価とPNの両方に使われるんでし。例えばMIL-G-5572でいう80/87はオクタン価、100/130や115/145はPNでし。
ちなみに軍用のMILと民間用のASTMと日本のJISの関連を並べると下のようになるでし。
MIL-G5572 80/87 100/130 115/145
ASTM D910-70 80-87 100-130 115-145
JIS K 2206 1号 3号 4号
1ヶ月に1回ぐらいはROMしとるでし。
舞弥
MILの表示法は、
オクタン価の場合 モーター法/過給法
PNの場合 航空法/過給法
でし。
舞弥