QQCCMMVVGGTT
1351 碇義郎著『決戦機疾風 航空技術の戦い』(光人NF文庫)の中に
「やはりキ84は優秀で、米空軍のP47、P51戦闘機などとは互角以上に、・・・」
という記述がありますが、実際のところ(交戦記録など)はどうだったのでしょうか?
弥空

  1.  疾風を装備した最初の実戦部隊である飛行第22戦隊が支那方面を転戦した結果は、同戦隊史によれば、在支5〜6週間の間に空戦7回程度、撃墜10機、撃破30機以上、自爆未帰還6機、操縦士6名戦死と言われています。これは22戦隊の戦果としては控えめな部類に入りますので、信憑性の高い数字ではないかと思います。在支米空軍の活動が極めて低調であったこともさほどの激戦とならなかった理由とされています。
     また、戦訓としては防弾タンクに対して「信頼するに足る性能を有する」との評価(報告者も被弾時に一旦発火するもすぐに消火したとある)と、疾風の性能であれば「戦闘教範」にあるロッテ戦法が有効であるとの二点が報告されています。

     菊水マークで有名な第22戦隊も、一般に言われるような「支那大陸での制空権を一時的に奪回した」というような戦闘は行っておらす、岩崎戦隊長の戦死も「過酷な激戦の連続の果てに」発生したものではないことが明らかになってはいますが、疾風そのものは新型戦闘機としての期待に答える結果を残したと言えると思います。
    BUN

  2. 戦後の米軍レポートでも「キ84は我が軍のP47N、P51Hと互角以上に戦い得る。水平速度でわずかに劣り、急降下ではかなり見劣りするが、上昇と旋回性能は圧倒的に優れている。機体構造は日本機の中では特筆すべき頑丈さを備えているが、米軍の標準からするとやや脆弱であり、頻繁な整備と補修を必要とするうえ長期にわたる酷使には耐えないであろう」と評価されています。
    ささき

  3. >キ84は我が軍のP47N、P51Hと互角以上に戦い得る。
    でもカタログデータを比べるとキ84って最高時速624km、米軍調査で689km、P47Nは751km、P51Hは784kmとなっていて、米軍調査で比べてもその差62kmから95kmこれは水平速度でわずかに劣るなんていうものではないと思うのですが。
    これだけ最大速度で差があると上昇力、旋回性能で勝っていても、急降下性能で負けているわけですし、とても相手にならないような気がするのですが、いかがでしょうか?


    さと

  4. >3.
    いかがでしょうと言われても、「米軍レポート F-IM-1119C-ND はそういう結論を出している」としか答えようがありません。質問の内容が「実際のところ」という事でしたので、当事者の一方たる米軍の見解はこうなっていた、という事実を述べたわけです。
    別に「やさぐれて」いる訳ではなく(^_^;)、カタロスグペックで兵器の強弱を論じるのは(それはそれで楽しい事なのですが)、それはあくまで憶測に過ぎないため論理の落とし穴に入りやすいと思いますので。
    例えば四式戦より更にカタログスペックの劣る五式戦についても、日本側の当事者には「P51 には絶対負けない自信があった」と断言する方もおられます。これは一次資料の肉声として貴重な証言ですが、「本当にそうだったか?」をカタログデータから推論するのはまた別の領域だと思いますので。
    ささき

  5. 戦後日本が航空機生産を止めちまったままなのは何故でせう・・・
    毛沢豚

  6. >5. 全然関係ない質問でしたら、新規の質問にして頂けませんか?(^_^;) あるいは議論ボードの俎板に上げるとか…。
    ささき

  7. >キ84は我が軍のP47N、P51Hと互角以上に戦い得る。
    >水平速度でわずかに劣り…

    うろ覚えですが、キ84とP51Dは低〜中高度ではそれほど速度差は
    無かった、というような記述を見かけたことがあります。H型の
    場合でも同じようになるかどうかは分かりませんが…
    ちなみに、キ84が米軍のテストで689km/hを記録した高度は6,100m、
    これに対し、P51Hの784km/hは高度7120mでの記録です。
    通りすがり

  8. >4
    すいません、生意気な文章になってしまって・・・反省します。

    さと

  9. 随分以前の「丸」にP−51のパイロットが日本戦闘機のことをどう思っていたかの翻訳記事が載ってましたが。

    疾風
    日本機にしては高速だが、フラップを降ろせばP−51で旋回追随可能であり、それほど脅威ではない。

    五式戦
    われわれの技術的優位を脅かす航空機である。

    と書いてあった(記憶モード)ようです。
    なんか疾風に対して点が辛い評価だったような記憶があります。

    ただ、戦記物で終戦直前の疾風は、オイル漏れのために、風防をあけたまま戦闘をしていたという記事を見たことがありますし、疾風が銃撃により火を吹いたのに、自然消火したという日本機離れした防御力を示す記事も見たことがあります。
    整備などの「条件」が整えば「互角以上に・・」の機体だったのに終戦直前は、そういう「条件」がなかなか整わなかったという所なのでしょうか。

    BAR

  10. >8. 生意気だなんてとんでもないです。私こそ偉そうな文面で、お気を悪くなさったならどうかご勘弁ください。互いに「好き物」同士、楽しく盛り上げてゆきましょう(^o^)
    ささき

  11. P-51Hは緊急出力使用時の性能だけが向上した機体なのでは?昔見た記事によると「軽量化し翼面積を増したが運動性は向上せず、かえって横転性能は低下した。」とありました。実際6100mまでの上昇時間も20秒程度しか向上していなかったはずです。
    くらま


Back