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小排気量のピストンエンジンに大きなプロぺラを付けるとトルクが小さいので、 いざっ!という時の加速が効かないといわれますが(胃袋さんの記述より)、 P51は排気量28リットル足らずのマーリンに直径3,4メートルの比較的 大きな四枚ペラを付けていますよね?これで加速性能は大丈夫だったのでしょうか? また、Fw190Aとスピットファイア9型のエンジン出力は両方とも約1600〜1700馬力ですが、自重ではFw190Aが約800キロも重いにもかかわらず、実戦での上昇力は互角だったと聞きます。これはBMW801の大排気量がもたらす太いトルクの賜物なのでしょうか? フッフール |
フッフール
エンジン側のトルクの大小は無視してください。
高回転小排気量エンジンであろうが、低回転大排気量エンジンであろうが、
ギヤボックスで変換するので同一出力かつ同一プロペラ回転数なら
プロペラトルクは同一です。
えーと、どこかでこの件を論じていたと思いますが……。
「装備」のAns.Qだったかな?
たかつかさ
例えば自動車なら、同じトルクで同じ車重、同じタイヤの場合でも、ギア比(最終減速比)の低い方が出足が良くなります。たかつかささんの言われてることはこれと同じ事だと思います。
ただ、高速からの加速となるとまた別のそれに見合ったギア比が必要だと思います。
また、飛行機の場合は高度差による出力の違いも影響します。たとえば上の例のFw190A(3)とスピットファイア9型の上昇力で言うと、手元の資料では高度23,000ftまではほぼ同等かややスピットファイアが勝るが、それより高くなるとスピットファイウの方が圧倒的に良くなる、とあります。ただ、高速巡航から引き起こした場合はFw190A3の方が「加速性がよい」ので、常に上回るとあります。
つまり、上昇性能と加速性能は同じではないということですね。
胃袋3分の1
BMW801とマーリンのトルクの差は約10%と考えられます。
その日のエンジンの調子程度の差ではないでしょうか。
車やバイクで低速云々と言うのは使用する回転数の巾が広いので
(10%〜100%の間)その間のエンジン特性(=トルク変動)
が重要になるのが理由です。
定速ペラの飛行機の場合は使用する回転数は90%〜100%と狭い
のでエンジン特性はあまり意味が無いと思います。
もう一つ、Me109、Ki61よりもKi44の方が加速では
圧倒的に早かった、という事例があります。
「水冷は加速が弱い」と言うのが、本質ではないかと考えます。
で、自分の説ですが、加速の差の原因は気筒数の差、と思います。
(12気筒よりも14気筒の方が点火間隔が短い)
林檎
>定速ペラの飛行機の場合は使用する回転数は90%〜100%と狭い
のでエンジン特性はあまり意味が無いと思います。
巡航時はペラのピッチを上げて、その代わり回転数をかなり落とすと思
っていました。飛行機のエンジン回転数の間隔はそんなに狭かったので
しょうか?
>で、自分の説ですが、加速の差の原因は気筒数の差、と思います。
(12気筒よりも14気筒の方が点火間隔が短い)
これは僕も前から考えていました。星形エンジンは点火間隔(トルクの発
生間隔)が、V型エンジンよりも均一なのがいいのかもしれません。
しかしこれはエンジンの回転の立ち上がりが速いだけであって、それがす
ぐに加速性能に結びつくかは疑問です。
エンジン出力や機体、ペラの枚数が同じ場合、加速は低速域では重量が軽
い事もあって空冷有利、高速域では空気抵抗の少ない水冷が有利になるの
ではないかと思います。
>高速巡航から引き起こした場合はFw190A3の方が「加速性がよい」ので、
常に上回るとあります。
Fw190Aの3枚ペラは、高回転時ではスピットの4枚ペラよりもブレ
ード間の干渉が少なくなって効率が良くなるためでしょうか?
うーん、またまだ修行不足なのでグランド100周してきまする(笑)。
フッフール
FW190だと2000〜2700rpm(74〜100%)の様です。
>しかしこれはエンジンの回転の立ち上がりが速いだけであって、
>それがすぐに加速性能に結びつくかは疑問です。
定速ペラは回転数の変化でピッチを変えるので回転の上昇が
早ければそれだけビッチの変化も早いはず。
となると、エンジン特性も関係してくるのかなぁ。(フラットなトルクが有利)
(回転数と馬力の表でも見つかればエンジン特性が判るのですが)
むろん、エンジン回転が上がりきってしまえば、後は同じ馬力
ならば同じ加速、ここからはフッフールさんの言う通り空力効率の
勝負でしょうね。
車/バイクレースの話しですが、ヘアピンではぴったり車間が詰まって
いるのにストレートに出ると一気に車間が広がります。
アクセルを開けるタイミングのわずかな差がストレートに出ると
あれだけ広がる訳です。
加速度自体はBMW801とマーリンの差は無いのかもしれません。
加速の差、は実は出足の差の事かもしれませんね。
林檎
>いるのにストレートに出ると一気に車間が広がります。
これは今回の件とは関係が無いと思います。
というよりも、そのような事実は大抵のレースにはありません。
(たいていのレース解説者は勘違いしているのですが)
たとえば時速60kmでの0.5秒差と、時速240kmでの0.3秒差の
どちらが車間距離が大きいかを算出してみてください。
飛行機の加速性能について言えば、エンジンに原因を求める前に
空力性能を考えてみるべきではないでしょうか。
たかつかさ
出足で差がつくとその先、殆ど差が詰まらない。
(出足=エンジンが最大回転数に達する時間?、ここは疑問在り)
それを見て、FW190の方が加速が良い、という
評価になるのでは、と言うのが自分の仮説です。
出足の後は空力効率の差しか無いですから、いかに
P51でも「じわじわ」としか差が詰まらない。
(最高速まで続ければ、いずれ追いつく筈です)
>空力性能を考えてみるべきではないでしょうか。
そもそも「空力に優るP51の方が加速も良かった」
のなら誰も疑問に思わないのでは?
両機の重量や馬力に極端な差は無いので、やはり
エンジンを疑いたくなります(w
あとはプロペラも疑いたくなりますが
もし、そうならばMe109にも「加速性能」を自慢して
もらわないと困ります。
林檎
何を基準にこんな判断をされたのでしょうか?
トルクにはエンジン回転数が密接に関わっており、同じ馬力なら、回転数が低い方がトルクが大きくなります。また、ただ「BMW801とマーリン」とくくるのもかなり危険です。型によって性能差がかなりあります。特にマーリンは顕著です。まあ、とりあえずこの両エンジンを平均的に見ても、「BMW801」は「マーリン」に比べて馬力が大きく回転数が低いですから、トルクの差はかなり大きくなるはずです。
で、ちょっと試算してみました。最初にお断りしておきますが、最大トルクを算出するには、そのエンジンの回転数ごとの馬力を全て調べて最もトルクが大きい部分を求める必要があり、かなり手間ですので、とりあえず離昇馬力で比較しました。試算対象は、それぞれ代表的な型である「BMW801D」と「マーリン61」にしました。
BMW801D :457.936kgm
マーリン61:312.743kgm
上記の通り、マーリン61のトルクはBMW801Dの68%しかありません。ただ、マーリン61は離昇馬力より一速の高度馬力の方がかなり大きいのでそちらも試算してみました。
BMW801D(1速) :454.569kgm
マーリン61(1速):379.413kgm
それでも83%ほどに過ぎません。
ただ、たかつかささんが言われる通り、これはトルク値のみですから、加速性能にはこの他にギヤ比や、プロペラが発生している推進力の違いと、飛行機が持っている空気抵抗の違いも影響します。
12気筒よりも14気筒の方が点火間隔が短い>
こういう記述も誤解を与えて危険です。エンジンの回転数のことを記述していないからです。回転数2500rpmの14気筒エンジンと回転数3000rpmの12気筒エンジンでは、どちらが点火間隔が短いでしょうか?
で、「加速の差の原因は気筒数の差」と考えた根拠は何でしょう?よければお聞かせください。
確かにこの話は以前にここでしたのですが、どうも前にログが飛んだときに消えてしまったようです。
胃袋3分の1
馬力が同じならば回転数の差がそのままトルク差と判断しました。
あと、使用する回転範囲が狭いのでトルク変動も少なかろう、と(汗
馬力=トルクx回転数/716から
1700ps/2700rpm=451kg・m/s(BMW801D、離昇)
1500ps/2700rpm=398kg・m/s(BMW801D、1890m、参考)
1720ps/3000rpm=410kg・m/s(V-1650-7、1890m)
(BMW801の方は2100馬力で計算すべきかな?)
巡航時の回転数が不明なので判りませんが、巡航時には
もっと差がつくかもしれません。
一番重知りたいのはエンジン特性なんですが。
>こういう記述も誤解を与えて危険です
確かに舌たらずでした。
点火回数は
2700rpmから18900回/分(BMW801D)
3000rpmから18000回/分(V-1650-7)
とわずかの差にしかなりませんが、自分は
「クランクが2回転する間に何回点火するか」
の方が問題と考えています。
クランク2回転あたりの回転の加速が問題で、時間当りの
点火間隔を問題にしたのではありません、失礼しました。
クランクが2回転する間に12回と14回、なら14回の方が
有利だろう、と単純に考えました。(トルクの谷間が少ない)
>加速性能にはこの他にギヤ比や、プロペラが発生している
>推進力の違いと、飛行機が持っている空気抵抗の違いも影響します。
空力に関してはP51の優位は動かないと思いますが。
あと、白状するとMe109vsKi44の方も無理なく解決したい
ので、より一般的な答えが欲しい、という願望もあります。
今の所は
「エンジンの吹けの良さが加速性能の差の主たる原因」
と思っています。
林檎
緊急も1700hpだったはず。
V1650-7 の1890mでの戦闘出力は1510psだったと思います。
傍観者
しかし、そんな些末な問題はさておき、要するにおっしゃりたいことは「スロットル操作に対するエンジン回転数増加レスポンスの早さの違いが主たる原因」ということでしょうか?
だとしたら、回転バランスの善し悪しが全然違うV型エンジンと星型エンジンを同列に論じていることに問題がありますよ。また、1気筒あたりのボア×ストローク
が違うと、同じ気筒数でもそれだけですでに回転数増加のレスポンスが大きく違うのですが(^^;;;;;
胃袋3分の1
無理に定義すれば「圧力レスポンス」と「機械的レスポンス」に大別されます。
前者はスロットル操作に対するトルク(平均有効圧力)の追随性を、
後者はいわゆる「吹け上がり」回転数の上昇の早さを指します。
しかし飛行機の場合、プロペラのピッチ変更機構のレスポンスによって
どちらを重視すべきか変わってきます。
もし仮に、自動車で言う「理想的CVT」に当たる「レスポンスタイム無限小の
可変ピッチ機構」が存在するならば「吹け上がり」は論じる意味が無く、
圧力レスポンスのみ論じれば良いことになります(回転数一定だから)。
しかし実際にはピッチ応答にはある程度の時間を(プロペラに依って異なりますが)
要しますから、プロペラ回転数を増すことによる風量増大で推力を稼ぎつつ
ピッチ応答を待つ時間があります。
その一方、自動車用語ですが「ヘジテーション」や「スタンブル」と呼ばれる
エンジン側の特性、いわゆる「息つき」も考慮せねばなりません。
これは主に圧力レスポンスの現象ですが、機械レスポンスにも影響を与えます。
つまりスロットル開度を縦軸、時間を横軸に取った時に滑らかな曲線を描いて
立ちあがらずにいったん落ち込むような現象です。
学研の「紫電改」にはスロットル操作にピッチを強制追随させる機構があったことが
示されていますが、これを効かせた状態でエンジンがヘジテーションを生じるとピッチ
過大な状態になって著しく回転上昇が阻害されると(CVT装備車の実験で類似の
現象が
しばしば起きます)思われます。
これに加えて、巡航状態から加速するときにはパイロットが機体に与える操作
−主に巡航仰角を取っていた機体の機首を下げる−も影響を与えますし、
また機体の姿勢変更応答性、仰角変化による抵抗変化特性も影響を及ぼすのは
容易に推測されます。
ヘジテーションはスロットル操作によって回避できる場合が多く、機体操作と
あわせて考えれば一番影響が大きいのはパイロットの技量(それを補う装置があれば
その性能も)だろうと思います。
そして、(これは全くの私見ですが)口径100ミリを越える大口径キャブレターを
備える当時のレシプロエンジンを今日の自動車のように「全閉または巡航状態から
1秒足らずで全開に」することが出来るとは思えません。
スロットルを開けて行く操作と同時に行われる機体の姿勢変更と、それに対する
機体の応答特性が一番影響が大きいのではないでしょうか。
以上、憶測ばかりの回答でした。
たかつかさ
BMW801Dは2500m〜5700m迄1440馬力を
維持します。MW50で23%稼いだとして1770馬力。
ただし、馬力と空気流量が単純に比例すると仮定すれば
(難しそうなのでこれで御勘弁)MW50を使った場合
全開高度は3600mまで下がります。
(密度だけで計算しました、求むフォロー)
+23%のブーストを維持できるのは3600m迄。
その先はMW50の効果が薄くなっていって5700m手前で
完全に効果が無くなります。
一方、V−1650−7は1890mで1700馬力。
2速では1890m〜5900m迄1500馬力を維持します。
2500m以上〜3600m以下+MW50の条件ならば
18%の馬力差があるので、これが答えになってしまいます。
瞬発力は空力よりも馬力が効く。
でも、2500m以上〜3600m以下という条件は不自然です。
4000m〜6000m位での勝負が自然と考えれば、MW50の
効果は殆ど無いと考えて1440+ちょっと馬力vs1500馬力
ほぼ同馬力での勝負、と考えても妥当と思います。
林檎
>MW50を使った場合全開高度は3600mまで下がります。
水噴射時の全開高度が下がる事は間違いありません。
だた、「高度が3600m」までは下がらないと思われます。
失礼しました。
火星23型の性能曲線を見ると
2速で5500m−>4200m(密度は+15.2%)
1速で2600m−>1300m(密度は+13.8%)
です。公称2速の場合を考察すると
全開高度は水噴射で1300m降りています。
馬力は水噴射により18%稼いでいます。(約1280馬力−>1510馬力)
ブーストは150mmHg−>300mmHg、+17弱%稼いでいます。
問題は全開高度ですが、単純に密度を+18%で計算してしまうと
4000mを割ってしまいます。
「おおざっぱな計算だから」では済まされない程の誤差が出ます。
(水噴射による密度向上分かな)
林檎