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栄、誉等のレシプロエンジンの潤滑油はどのような種類のオイルだったのでしょうか。 鉱物油系なのか、それとも昔からバイクレ−ス等で使用されている高油膜保持性 に優れたひまし油系の植物オイルを使用したのでしょうか? もし植物油であれば、空中戦の最中にあのかぐわしいカストロ−ルの匂いが搭乗員の鼻腔をくすぐったと思われますが、戦記物にはこのような記載はないのでやはり鉱物油系だったのでしょうか、どなたか教えて下さい。 ゼロファイタ−32 |
BUN
単にカストロールと言うとそのブランドの鉱油、化学合成油をも含めてしまいますので……。
ご質問の件ですが、カストル油は油膜保持性では現代の化学合成オイルと比べても
同等以上ですからメリットはあります。
しかし、熱と酸化による劣化が速いので1930年代には各国で鉱油への切り替えが
行われています。
中島製エンジンに関しては昭和13年3月、鉱油での耐久テストにハ8が合格して以降は鉱油です。
当然、これ以降に設計されているエンジンは鉱油を前提にしています。
なおこの切り替えに関しては、陸海それぞれの航空本部で
「運用の手間を考えると長持ちする鉱油が良い」
「いやカストルの油膜保持性能は代わるものが無い」
という喧喧諤諤の議論があったようです。
たかつかさ
おっと、空戦記の御大を忘れてませんか?大戦直前の頃、坂井三郎が「カストル油なら植物油だから食える」と太田飛曹にギンバエさせて天婦羅を作ったところ搭乗員一同下痢でダウン、「太田の奴カストルと鉱油を間違えやがった」という笑い話がありました。
これが零戦の潤滑油として使用されていたのかまでは不明ですが、少なくとも航空隊にカストル油は至急されており、搭乗員もその存在と特性(食える…ってわけでは^^;)を知っていたことが伺えます。
ささき
SHI
臭気が強いので水に浮かべて飲み干したものです。
また、カストル油を使う職場に配属されると必ずと言って良いほど
お腹を壊します。
しばらくすると慣れますが、「中島飛行機エンジン史」には
「カストル油で揚げた天麩羅を食べて一度お腹を壊すと、これで免疫になる」
と言う興味深い話がありました。
たかつかさ
BUN
この油は油圧機器やブレーキの作動油としても優れているようです。
SHI