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VT信管高角砲が貫通しないような装甲はいったいどのくらいの厚さなのでしょうか? また当時の日本の技術でその装甲の開発、導入は絶対に不可能なものだったのでしょうか? 富嶽 |
弾片に対抗する意味での装甲は日本機でも一部の機体に導入されていますが、装甲や、燃料タンクの防漏装置の導入と充実はその機のエンジンの余剰出力にかかっていますので、大雑把に言えば、日本機は大出力エンジンに恵まれず、なおかつ洋上作戦用に大航続距離を求められた為に防御面が犠牲になった機体が多いということなのです。
高角砲弾の炸裂に耐えうるような重防御の機体は大出力エンジンの見通しが何とか見え始めた昭和18年頃から本格的に検討され始め、それ以降の開発となる機体には防御面について、その機体の特性に応じて大口径機銃や高角砲の弾片に主要部が耐える重防御と、やや軽い中防御、制限内で可能な範囲を防御する軽防御との三段階が構想されていました。
BUN
taka
ささき
マリアナ沖海戦以後大日本帝国の航空機の被害が増えたのは
高角砲の命中率が大幅に上昇したからでしょうか?
富嶽
>高角砲の命中率が大幅に上昇したからでしょうか?
マリアナ以降なのかどうかは知りませんが、VT信管が登場したことで
照準しやすくなったのは確かでしょう。
通常の高射砲は打ち上げた後、時限信管によって炸裂し、弾片で
切り裂くことによって敵機に損傷、あるいは撃墜させます。
つまり、方向だけでなく、高度もぴったり時限信管で合わせないと
至近距離で炸裂してくれない、ということです。
これがVTですと、信管のおかげで高度はぴったり合ってくれます。
後は方向だけです。
今まで3次元で狙わなければならなかった物が2次元になったのです。
この違いは驚異的です。
SADA
突っ込み失礼。方位(左右)+俯角(上下)の三次元に信管調停(時間軸)を加えた四次元で狙わなければならなかったものが、方位+俯角の三次元だけで良くなったということですね。VT弾には命中率の向上だけでなく、対空射撃の測的を簡略化して時間あたりの発射弾数を向上する効果もあったと思います。
ささき
ささき
制御装置(射手含む)から見ると方位、仰俯角に時間軸を加えたものは
4次元ではなく、極座標型の3次元ではないでしょうか。
つまりVTの採用によって仰俯角・方位角と言う2パラメータ制御に変わります。
結局「2次元(ただし望遠鏡で言う経緯台と同様の、直交2角度座標系)になる」
で正しいと思います。
たかつかさ