QQCCMMVVGGTT
1044 最近続々と登場してきている新世代の非ステルス戦闘機(Su37,EF2000,ラファエル,グリペン,F/A-18E,F-2(?))ですが、ステルスの戦闘機(F-22,JSF等)が登場すれば一気に旧式化して第一線で使う一流機としては使い物にならなくなるのでしょうか。
DT

  1. F-22、JSFを配備出来る様な国は当面アメリカだけでしょうから、アメリカと戦おうなどと考えなければ、EF2000、ラファエル、グリペン等で十分と思います。ベトナム戦争で活躍したMiG21やF-4が第一線で飛んでいる位ですから(改良型ですが)。
    yuji

  2.  答えはイエス、しかしてノーかもしれません。ちょっと長文になりますが、私が認識している「国家と戦争と兵器の問題」にお付き合いください。
     まだ試作段階の JSF は未知数として、F-22 は非常に強力な戦闘機です。まともに戦う限り、旧世代の戦闘機は F-22 の姿を見ることもなく一方的に撃破されてしまうでしょう。
     しかし F-22 は物凄く高価な戦闘機でもあります。また F-22 はそもそも、電子警戒/司令機(J-STAR)や偵察衛星、膨大な数のレーダーサイト、それらを結ぶデータリンクなど、米軍の巨大電子戦闘システムの先鋒なのです。
     例えば宝くじが当たったとして、そこらの空軍が F-22 を5機や10機入手したとしても、とても使いこなせる代物ではありません。これは運用するだけで国家予算的費用を必要とする機体なのです。
     また、現代の戦争形態は朝鮮戦争やベトナム戦争の頃と大きく違います。高性能戦闘機を多数揃えた有力国家同士が全面戦争に突入し、正面切って制空戦闘を繰り広げる可能性はあまり高くありません。何故なら「核」という抑止力が(好むと好まざるに関わらず)存在するからです。
     現代の戦争は「核」を持たざる者同士の地域紛争、そうでなければ「持つ者」と「持たざる者」との地域紛争です。そしてイデオロギーや宗教的思念を旗印としていても、戦争の発端は経済的な理由に根差していることが多いのです。
     極論すれば F-22 のように高価な戦闘機やその支援器材を揃えられるほどの経済力があれば、わざわざ戦争なんか起こす必要がないのです。
     それでも米軍が F-22 を整備するのには、アメリカならでわの理由があります。強迫観念的なスーパーパワー願望、軍事力的背景に基づいた国際発言力の維持、あるいは自己目的化した軍組織の生存要求など。
     そういうことを認識したうえで、もう一度「非ステルス系の新世代戦闘機」を見てください。これらの機体は確かに単機では高価です。しかしその価格は、最も高価な機体でも F-22 の半額以下です。
     そしてほぼ制空戦闘能力しか持たない F-22 と異なり、これらの機体はマルチロール能力を売り物にしています。
     制空・迎撃・爆撃・対艦攻撃・偵察など、従来は目的ごとに分化していた機体を一機種で代替することで、トータルコストは安上がりになることを売り文句にしています。
     そして日本国自衛隊専用機である F-2 は特例としても、ラファル・グリペン・EF2000・Su37 などは明らかに輸出市場を当て込んでいます。米軍も FA-18E/F の整備によって余剰化した FA-18C/D を輸出することを企んでいるようです。
     これらの新鋭機が売られる先は、それでもある程度経済力に与力のある国です。しかし、こういった国から更に余剰で払い下げになった F-5 や MiG-21 などの旧世代戦闘機が更に貧困な国家へと転売されます。
     そして国家的生死の境目に直面し、戦争を真に欲しているのはこれらの貧困国なのです。
     戦争というのは奇麗事ではありません。軍事力というのは、邪悪なる侵略者から無垢な市民を守るためだけに存在するものではないのです。
     「持たざる者」同士が生存を賭けて殺し合う。そこに生まれた兵器市場に対し、「持てる者」が兵器を売り込んでなけなしの利潤を稼ぐ。
     「持たざる者」の牙から「持てる者」を守るために新鋭機が存在する。そして、そういった世界軍事情勢全ての上に君臨する存在たらんとして、超戦闘機である F-22 を欲する国家がある。
     今の世界事情はこういったところだと思います。
     いろんな意味において戦争はゲームではないのですから、単に兵器の戦闘能力だけで「一線に使える」か「使い物にならなくなる」が決まるわけではありません。
    ささき

  3. 本当に高レベルのステルス機が多数配備されればそうなるかもしれませんが、まだしばらく無理でしょう。
    また、ステルスを追求すると機体性能が低下するので、その辺の兼ね合いも難しいです。
    たとえば目視されたF117の脆弱さはユーゴの例でも判る通りです。
    (F117は対レーダーステルス状態の維持にえらくお金がかかりますし)

    また、対抗探知技術も向上してきますし、配備機全部ステルスと言うのは無理だと思います。
    (ユーゴの件は湾岸戦争時のF117のレーダー反応特性が流れたとの説も有ります。
     F117もレーダーへの映り方のパターン情報と進攻地点の予測があれば限定的に探知できるそうです)

    P.S.
    万能的に言われている「ステルス」と言うのが
    =メインが「対レーダー」、次点として「赤外線量減少」の限定的な物=
    だと言う所を良く考えて欲しいです。
    ダークマター

  4. >また、ステルスを追求すると機体性能が低下するので、その辺の兼ね合いも難しいです。
    ステルス化のためには兵装を内装式にせざるを得ず、搭載量が低下する欠点もありますね。
    F-117 や JSF では一発必中の精密誘導爆弾(現時点ではレーザーガイド、おそらく次世代は GPS の Drop&Forget)を使うことで搭載量の少なさをカバーするようですが。
    やっぱりこういう爆弾も高くつくんですよね。
    ささき


Back