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大戦時日本の艦上機(別に日本機だけに限ったことじゃないと思うけど)には母艦に帰還するためにクルシー何とかという装置が付いていたそうですがこれはどのように作動したんでしょうか? Suー43 |
原理は受信機の周波数を位置のわかっている中波発信局(NHK-AMなど)に同調させ、強い指向性を持つループ・アンテナを回転させて発信源の方位を探るというものです。これで発信局と機位の相対角がわかります。もし電波局が二つ以上あれば三角法で大まかな機位を特定することも可能です。
従って誘導側は大出力の長距離電波を出しっ放しにする必要があるわけで、訓練ならともかく実戦では機動部隊の位置を派手に宣伝していることになるため、地上基地ならともかく母艦誘導には使われなかったと思いますが詳しくは知りません。
当時のクルシーは手動でアンテナを回していたと思いますが、現在では周波数さえ合わせれば方位が自動的に表示される ADF(Automatic Direction Finder)という装置に発展しています。ADF 電波の発信局を NDB(Non-Directional Beacon)と呼びます。
現在の電波航法では指向性を持った VHF 波を使う VOR が主流で ADF は補助的にしか使われません。NDB の電波は VOR より長距離を飛ぶなどメリットもありますが精度があまり良くなく、機位と局の関係が絶対角で表示される VOR に対し相対角でしか表示されない ADF は航法に使いづらい(横風に対する補正角の算出が面倒だったり)点が多いです。
ささき
> にしか使われません。NDB の電波は VOR より長距離を飛ぶなどメリットも
> ありますが精度があまり良くなく、機位と局の関係が絶対角で表示される
> VOR に対し相対角でしか表示されない ADF は航法に使いづらい
> (横風に対する補正角の算出が面倒だったり)点が多いです。
補足いたします。 ADF受信機は190kHz〜535kHzのNDB(非指向性電波標識)
のみならず、535kHz〜1750kHzで搬送される一般AM放送を受信できます。
VORが108MHz〜117.95MHzのVHF波を使用し、したがって回折可能な障害物
がわずか数メートルの大きさなのに比較して、長/中波のNDBは数百メートルから
千メートルを超える障害物を回折します。
特に山間部等、見通しの悪い場所でVORは役に立ちません。そのような場所では
ADFは心強いバックアップになります。(今日の主役はやはりGPSでしょう。)
また、ラジオ放送に耳を傾けながら飛ぶ、という技(?)も可能です。
ADFのトラッキングにはちょっとした慣れが必要かもしれませんが、ホーミング
はいたってカンタン!ただ相対角0に合わせ続けるだけです。
要は、ADFの指し示すbaringの延長上にビーコンがある、というだけのことです。
クロスカントリーがんばってください。
みなと
片
「零戦の真実」ではホーミングの不便さに触れていますが、クルシーで相対角の測定も可能だったのでしょうか?
360度が表示出来るADFに比べて、簡略な航路計の針では単純に右か左かだけしか表示出来ないように見えるので、クルシーではホーミングしか出来ないのではないかと(つまり偏流を計算したトラッキングは無理なのではないかと)思っていました。
MITTU
片
資料を参考できないので記憶を頼りに書きますが、それとてどこまで
信用できるかの問題はありますので、念の為。
たしか、山本重久少佐(海兵66)が珊瑚海海戦の際の回想として、
たしか山本大尉(当時)は瑞鶴分隊長だったと思うのですが(先任
分隊長は海兵63期の帆足工大尉)、そのときは帰投の際に母艦から
モールス信号で「ス」が帰投用の電波として流れていた記述があり
ますが、実際当時帰投用電波を母艦が出していたかを確認したわけ
ではありません(翔鶴分隊長だったら「シ」ということになります
が)。
あと「中攻」の巌谷ニ三男氏(だっけ)は、帰投のときに基地が軍
艦マーチを流していたとか記述していた記憶がありますが、これも
クルシーのことだったかに関しては、ちょっと自信がありません。
役に立ちませんが...
今泉 淳
や、私もクルシー指示器の実物は見ていないのでわかりません。ADF のように電波の飛来方位を測定出来るものだと思っていましたが、「右・左」の表示だけなら偏流補正には使えませんね。
ささき
のはずですが…。こまかい突っ込みですみません
無限