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B−36導入の際に、超大型空母ユナイテッド・ステーツを予算不足でフイにされた海軍が「B−36などF4Uで叩き落せる!」との売り文句を発したそうですが、もしも単機同士で模擬空戦を行った場合にどういったシュチエーションならば、F4Uが撃墜可能もしくはB−36が振りきれるのでしょうか? しろさい |
もちろんB−36はD以降ありです。はい。
頭から蒸気が出るほど悩んでいるわけでは有りませんので、気楽かつ気軽そしてエレガントな御回答をば頂ければ幸せです。
しろさい
(N)
ホワイト
F4U-5(戦後生産型) はトルコン変速機付き二段過給器つき R-2800-32W を搭載、水メタ噴射の緊急出力で最高速度 756km/h(8170m) を出すことになっています(これも多少ハッタリ臭い数字ですが)。-5 の武装は 20mm 四挺なのでパンチ力はかなり強烈です。
F2G は対カミカゼ用として中低空迎撃機として開発されたもので、高々度性能は F4U より劣ったのではないかと思われます。速度については 694km/h(5000m) となっており F4U より後退していますが、F2G の真価は 9150m まで 4 分で昇るという強烈な上昇力にあります。F4U では 15〜20分 ですからこのアドバンテージは大きいです。武装については脆弱なカミカゼ相手ということで 12.7mm 四〜六挺が予定されていましたが、もし重爆迎撃に転用されるなら 20mm 四挺には十分換装可能だったでしょう。
さて爆撃機と戦闘機が単機で対決するというシチュエーションは考えにくいのですが、B-36D が高々度で侵入してきたと考えましょう。
・爆撃に来た場合:警報発令が遅れたら F4U がおっとり刀で上がっても補足できない。F2G ならば上昇力を利して一撃かけることは可能かもしれないが、速度差が少ないので反復攻撃は期しがたい。早期警戒が発令され上空で待ち受ける場合はどちらも有功、特にダッシュの効く F4U はかなり有利に迎撃を行えると思われる。
・偵察に来た場合:警報が遅れた場合 F4U, F2G どちらでも補足困難。待ち受ける場合 F2G では速度差が少ないので補足は難しい。F4U なら十分補足攻撃が可能だと思われる。
という展開になると思います。B-36 の防御火網、対弾性については実戦をくぐっていない機体なのでどうなるのかわかりません。機体の上下左右に装備されたレーダー照準つき 20mm 連装銃座は侮れないとは思いますが、単機での防御銃火は効果を期しがたいことは大戦中に証明されています。一方 F4U/F2G の 20mm 四連装が B-36 にどの程度の破壊力を発揮するかですが、エンジン2、3基が止まったくらいでは落ちないでしょうから一撃で墜とすのは難しいと思います。しかし反復攻撃が期待できるなら撃墜は十分可能だと思います。
ささき
上昇力において他の型をはるかに凌ぐF2Gこそが、米海軍の誇りを背負ってB−36邀撃に向かうに相応しい機体でしょう。御健闘を目を細めるとアメリカが見える逗子海岸より応援しております。
BUN
フォローありがとうございます。F2G は期待されたほどの性能が出なかったことを理由に開発打ち切りになっていますが、本当にアメリカの空が重爆に脅かされるような事態になれば(空軍の XP-72 のように)ターボ過給器を装備して高々度戦闘機に改造することもあり得たでしょうね。F2G は戦後のエアレースでもクラッシュ続出した名高い殺人機でもありますが、頑張って乗りこなし B-36 を叩き落とします。
ささき
マルマイン
質問者です。
色々と御回答を頂き恐悦至極です。そして感激しております。いやはやコルセアが思いの他、頑張れる事が凄くよく分かりました。は〜、書き込んでよかった☆
もちろん「不可能です」というのも御意見として尊重させていただきます。
なによりこれだけの御回答があったこと、それ自体に感動している次第です。ありがとうございました。
しろさい