850 |
将来の航空自衛隊の輸送機と海上自衛隊の対潜哨戒機の機体を共通化する 方向で開発を進めるそうですが、実際問題、共通化することにどの ような問題点があるのでしょうか。簡単にいかないのでしょうか? aegis |
- 対潜哨戒機は長大な航続距離と、コンピュータや数名の乗員等を搭載するのに十分な機内容積が必要なので、機体の性能・仕様上は輸送機に求められるものと似た面があります。実際、旅客機をベースに対潜哨戒機に発展させた例は米のP3、イギリスのニムロッド等、多くの例があります。
しかし、対潜哨戒機開発の決め手となるのは、潜水艦の音に関するデータを蓄積し、どのタイプの潜水艦か判別できるコンピュータの性能如何です。日本が国産対潜哨戒機開発をあきらめてP3C導入を行ったのは、このようなコンピュータ及びデータベースの独自開発ができず、アメリカに頼るしかなかったことが関わっています。今度の次期対潜哨戒機ではどうするのだろうか?データも含めこの部分だけはアメリカからブラックボックスとして輸入しなくてはならないかも。
アリエフ
- エアフレーム側の問題点としては以下のようなところでしょうか。
1)輸送機には未整備・不整地飛行場での運用能力が比較的大きく要求され、そのために降着装置の強度向上、高揚力装置の強化、APUの出力増大、貨物搭載システム(床面強化、ローディングランプ、ホイスト等)といった、対潜哨戒機にとっては「お荷物」なものが必要。
2)両者とも「航続能力」を求められるが、対潜哨戒機に求められるのはどちらかといえば「航続時間」、輸送機は「航続距離」なので、主翼の設計やエンジンの選定において必ずしも一致をみない。
3)輸送機は搭載口という「大穴を数少なく」開ける機体設計であるのに対し、対潜哨戒機では各種センサやソノブイ・爆弾類投下口という「小穴をたくさん」開けるものであり、フレーム配置や外板厚の割当てが異なってくる。
Schump
- >2 の 3
開口部の問題は対潜機器をバルジ的に機体外部に搭載すれば問題ないのはないでしょうか?
確かニムロッドがこの手法をもちいていたはずですけど.
DIG
- ↑然り。ただし、「旅客機」ベースだからこそ「もとの胴体+バルジ」の太さが許容範囲に収まるのですが、「貨物機」ベースでも大丈夫かどうかはちと不安。
Schump
- 80年代後半に米海軍が次期対潜哨戒機を計画したときには、MD-87やボーイング757
などをベースにした機体が提案された中、結局P-3の改良型が採用された(後に中止)
わけですから、機体そのものは何でもいいような感じがしますが…
それとも旅客機はあまり向いてないと読み取るべきなのか?
(N)