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839の質問に関連するのですが、キ-67 では、操舵力を軽減するために各舵の断面を膨らませるといった技術を使っています。スピットファイアも同様だったと記憶しています。それで質問なのですが、零戦では、使われなかったのでしょうか。使われなかったとしたら、なぜなのでしょうか。 よろしくお願いします。 olduck
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- 飛龍(キ67)については昇降舵が水平安定板の陰に隠れて
微少舵角では利かないと言う問題があったので、膨らませて
気流に充分当たるようにしたと聞きます。
スピットファイアについてはどうだったのか判りません。
戦後の例ですが、富士T−1でも舵力軽減のために舵面を
膨らませています。
零戦の場合、839で述べましたが舵への気流は充分であった、
不足していたのは剛性であると思います。
たかつかさ
- 零戦の試験飛行でのテストパイロットの報告に「急横転の時、強く引けば操縦桿をとられる」という表現があります。この事から見て少なくとも零戦のエルロンにはかなり強い逆流れの傾向があるようです。舵の後縁を太らせると操舵力は確かに軽くなる効果はありますが、逆流れの傾向を助長させてしまう副作用もあるので、おそらく逆に痩せさせたんじゃないかという気がします。
舞弥
- 御回答ありがとうございます。動翼断面を膨らませるのは、安定板(主翼)の上で境界層が発達してきて、舵面では、少々の舵角では境界層の中で動くだけで効かないのを改善する働きがあったように記憶してますが、いかがでしょう。ただ、舵の重さの軽減は、もう少し考える必要がありますが。また、舵のとられを弱めるのには、ヒンジ部より前の(空力)バランス部の面積をいじるのだと理解しているのですが。確かに境界層厚に匹敵するだけ膨らんでいれば、そこだけ流速がふえて負圧は発生しそうですけど。
olduck
- いやその境界層云々については、既にたかつかささんが書かれてるので、質問の「操舵力の軽減」という線に沿って書いただけです。それから一応繰り返しますが、舵のトラレを助長する可能性がある手段はとられなかっただろう、と書いただけです。何やら誤解があるようなので、念のため。
舞弥
- ↑2.
機種によってはエルロンが補助として使われる場合もありますが、緩横転と違い、急横転の操作は基本的にラダーとエレベータですから、この報告の表現だとエレベータの事を言っている可能性があるのでは? 「操縦桿を引く」という表現も、エレベータを思わせるのですが・・
MITTU
- 4.御指摘ありがとうございます。まだ、誤解してるのかも知れませんが、舵のトラレはバランス部の調節でいけるのだから、断面(後縁ではなくて)を膨らませるのも試してみても良かったのでは、考えたわけです。何しろやれることは何でもやった堀越技師です。だからとても不思議だったわけです。実際、バランスタブを付けたりもしているわけですから。確か、新谷飛行士だったと記憶していますが、12試艦戦の試験中にエルロンロールをミスる記述があったはず(30年ぐらい前の丸の記事)で、補助翼に問題ありの意識はあったのでしょうが、52型で補助翼の翼幅を縮めるまで、大した対策をとってないように見えるので、質問となったわけです。境界層については、たかつかささんの記述がそのように読めなかったので、あえて”仏陀に教えを説く”をやってしまいました。申し訳ありません。
olduck
- 5.うーーん、少なくとも「零戦」堀越二郎/奥宮正武の記述で見る限り、トラレるのはエルロンです。ただしきっかけはエレベーターなのかもしれません。
6.舵の厚みと形状を変える意味は前縁と後縁では違います。前縁バランスの手法は古くから一般的で、更に前縁部の厚みを増すと小舵でのヒンジモーメントが減ります。ただし一定の舵角を越えると急激にオーバーバランスになって舵が重くなります。また後縁の厚みでヒンジモーメントを調整する手法は日本では昭和ヒトケタの頃から使われていたのに対して、アメリカではB29の風洞実験の時に初めて気が付いたという話もあります。
舞弥
- トンチンカンな質問におつき合いいただいてありがとうございました。昔見た図でも、厚みは、動翼の翼弦のまん中付近にあったように覚えています。前縁のは知りませんでした。前縁は、簡単に考えても、大舵角時に剥離点が一気に前に進むので、危なそうですよね。
結論は、軽くしてもエルロンリバーサルの傾向が助長されるだけで、舵の効きでの効果がなかったと言うことになるのでしょうか。エルロンを内翼外翼でわけるとか、主翼後桁の強度をあげるとか、主翼の外板の厚みを増加指せるとか、かなり抜本的な対策が必要なのでしょうね。
olduck
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