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797 日本機の20mm機銃が米重爆に効果が薄かったのは何故でしょう?
勝井

  1. いや、「当たれば」効果は充分あったと思います。当たればというのは機体の致命部に数発が連続して命中すれば、ということです。坂井三郎氏の空戦記で B-17 とすれ違いざまに斉射し爆発させる描写や、斜銃による月光夜戦の奮闘がそれを物語っています。効果が薄いと言われているのは要するに当たっていなかったのでしょう。昼間は猛烈な防御砲火に阻まれますし、夜間は敵機との距離を測るのが困難ですから。本土防空戦で B-29 が相手になると高々度の不利(8000m でも過吸器性能の悪い日本機はかなり性能低下します)やパイロットの平均技量低下によって接近・集束弾を与えることが更に難しくなり、「機体の何処に当たっても一発で撃墜できる」ことを目指して 30mm 以上の大口径砲配備が急がれたのだと思います。
    ささき

  2. すいませんが
    何を持って効果が薄かったと言うのでしょうか?

    たぶん日本軍の米重爆撃墜戦果に占める使用火器で見れば
    各種20mm機銃が上位だと思います>別に数えたわけではないけど

    SUDO

  3. ちょっと面白い資料を入手しました。
    それによると、20mm弾の効果が薄かったのは、
    炸薬の爆発力が過大で、命中個所で燃料が漏洩する前に着火薬の黄燐が燃焼してしまうためで、
    この対策として、空気信管を考案して燃料が漏洩してから着火するようにした
    とのことです。
    これを焼夷通常一型弾と呼び、戦争末期に使われ、効果があったそうです。
    出典:零戦搭乗員会編「海軍戦闘機隊史」

    をう、自分で解答見つけちった。

    ささきさん、SUDO記者、サンクスです。
    ついでといってはなんですが、この情報の真偽の検討、お願いできます?
    勝井

  4. 遅延信管のことなんでしょうか。
    やんた

  5. 99式 20mm と言えば研究の第一人者国本氏の労作がありますが、安全装置を改良したローター信管(通常弾弾薬包改2)には触れられていても、空気信管については記述がありません。
    http://www.platon.co.jp/~vought/kunimoto/kaigun/99-20_rekisi.html
    また空気信管については白金の空気断熱を利用したもので、陸軍が昭和 19 年から利用していたという話が乗っています。
    http://www.platon.co.jp/~vought/kunimoto/rikugun/sinkan1.html
    しかし話としては辻褄も合っており信用できると思います。ちなみに英軍では早くから瞬発信管の威力不足を認識しており、1942 年にはイスパノ 20mm 用に遅延信管を備えた焼夷徹甲弾 SAP/I を採用しています。
    ささき

  6. >3
    その本、ワタシも持ってますが、全体的に記述は信用出来るのではないかと
    思いますけど。
    takukou

  7. 実は私もその本持ってます。おまけに似たような質問で同じ事書いちゃいました。その当時はまだ国本氏のHPにも弾薬の解説はなかったせいか、ツッコミもないままログは流れていったのでした。
    舞弥

  8. >6 自己突っ込み
    と思ったんですが、「戦史叢書」には昭和17年夏に焼夷通常弾一型が
    採用され、焼夷薬を改良し一層威力の増大を図った二型が昭和19年に
    なった採用された。とあるなぁ。

    さぁ、勝井山。どっちがホントだろう、、、
    takukou

  9. この本、パイロットの立場で書いたものですよね。
    1型弾は採用は17年夏でも(あるいは「内定」の意味かも)、末端まで行き渡ったのは戦争もかなり後半戦に入ってから、ということかもしれません。
    んで、昭和19年ともなればB29の情報や独での戦略爆撃&邀撃戦のニュースも入ってきてるでしょうから、炸薬の威力向上を図ったのは当然でしょう。

    こんなところでいかが?
    さすがにこんな重箱の隅な情報を検討できる資料はいくつも所持してないんで完全に推測ですが。
    勝井

  10.  ドイツ空軍のガンカメラ映像で B-17 迎撃の様子を観たことがあります(雪風2さんにビデオを渡しました)。後下方から接近しつつ MG151/20 らしい火線が何本も真っ直ぐに伸びて重爆の主翼基部へ舐めるように突き刺さり、パッパッと閃光が走って破片がバラバラと流れてきます。もう十発以上も命中しているでしょうか、下部銃座は銃手が傷ついたのか既に沈黙し、二番エンジンの回転が落ち煙を吹いているのが見えますが火は噴きません。接近しすぎた迎撃機は左にひねって離脱してゆきます…。
     米重爆の防御力は恐るべきものです。この迎撃機のパイロットは「あんなに撃ち込んだのにまだ飛んでやがる!」とさぞや驚いたことでしょう。しかし、十数発もの炸裂弾を喰った機内はどんな惨状になっているでしょう?乗員が無傷で済んだとはとても思えませんし、エンジンがいつまで持つやら、無事に英本土に帰りつけるかどうかわかりません。無事に帰還したとしても乗員のうち何人かは病院送り、機体だって修理の限界を超えてスクラップかも知れません。
     …さて、この迎撃は「効果があった」でしょうか?それとも「効果が薄かった」でしょうか?戦略的に見れば充分な効果があったと思いますが、とかく迎撃側というのは「目に見える戦果」を欲するものです。手負いにしながらもあと一歩で重爆を逃した迎撃側としては「あれほど撃ち込んだのに…機銃の威力がもっと高ければ…」と思うのではないでしょうか。
     日本軍の目から見れば高初速・高発射速度で弾道性がよく、軽量弾頭ながら炸薬容量の大きな MG151/20 は夢の機銃でした。その 151/20 を持つドイツ軍ですら「機銃の威力不足」は問題となっており、30mm MK108 の大量配備や 37mm, 50mm 級の機関砲を抱えた「シュツルムボック」重戦、果ては迫撃ロケット Gr.21 から R4M, X-4 空対空弾までにエスカレートしています。
     必ずしも「日本の 20mm」の効果が薄かったわけではないでしょう。B-17 でも B-29 でも 20mm の直撃を受ければ「かなりの損害」を受けます。ただ、「一発で空中分解」して「目に見える戦果」につながるほどの威力はなかったため、迎撃機の乗員から「威力不足」の苦情が挙げられ、更なる大威力兵器の開発が促進されたのではないでしょうか。
    ささき

  11. いや、どうでしょうか?
    確かに墜ちなくても相当に損害を与えたケースってのは少なくないと思いますが、
    「墜ちてない」以上弾丸を撃ち込まなければなりますまい。
    (プロペラが回ってない、位はっきりした状況にならなければ、
    「もうとりあえず撃ち込む必要なし」なんて判断は戦場では不可能でしょうから)
    となると1機にかける時間はそれだけ長く必要になる道理です。
    すぐに効果が出ない→1機を処理するのにかける時間が長くなる→他の敵機の侵攻を許す
    ですから、やはりすぐに火が出ないなら「効果が薄い」になっちゃうのでは?
    (すみません、微妙にいいたいことが上手く書けてない気がします。
    上手く真意が伝わってくれればいいのですが)
    勝井

  12. ↑↑その映像は「フォッケウルフ」というビデオに収録されているものと同じものだと思うのですが、下部銃座と尾部銃座がともに沈黙しており、また他に火線も見えず、編隊機もなく、脱落しているようにも見えません。

    推測ですが、これは捕獲機かそれに類するものではないかと考えています。なので、あの射弾も訓練実包のようなものかと思うのですが、いかがでしょう。
    こてらじ


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