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アンブローシニS.A.I.403戦闘機についてお聞きします。 水冷750馬力エンジンで速力650km/hを発揮していますが、紫電改(2,000馬力弱で600km/h弱)と比較するとその高性能ぶりに驚かされます。 どの様なテクニックが使われていたのでしょうか。 yuji |
翼面積が紫電改の23.5sq.mに対して14.5sq.mですから、これだけで表面積に18sq.mの差、これに複列星型18気筒と倒立V型12気筒との正面面積の差がありますから、基本の空気抵抗がぜんぜん違います。しかも、紫電改の汚い板金細工とイタリア木製機の平滑な仕上げとの差が加わりますから、実際の空気抵抗が3倍以上違っていても不思議じゃありません。
あとは、テスト方法の差(日本機は実戦装備状態でテストするのに、欧米では武装無線余計な燃料系統などをはずすことが多い)があるのではないでしょうか。
Schump
403のデータがないので207で比べてます(最大640km/h)。
速度に関係する要素として翼面馬力と空気抵抗とがありますが(多少重複)、翼面馬力だけ比べると207:紫電改では54.0:84.7(単位hp/m×m)、紫電改の方が上です。
しかし前面投影面積でみると2000hp級空冷星型と750hpの液冷倒立V型では抵抗面で相当の差がありますし、風防の設計でもS.A.I.207では渦流がほとんど出ない半埋め込み式(雷電タイプ)。スパンでも9.00m<11.99mと約3m短いS.A.I.207が有利です。
翼面馬力と抵抗との兼ね合いの参考としてHe100D-1とBf109E-3(F-3)とを比較すると、
<He> <Bf.E (F) >
翼面馬力=70.34:68.07(83.54) 単位hp/m×m
最大速度=670 :570 (630 ) 単位km/h
因みに両者とも液冷、He100D-1は表面蒸気冷却の低抵抗機。
ついで当時の日本の発動機は工作精度の悪化と低オクタン燃料とで額面性能を大きく割っています。この点紫電改は大きく不利ですね。
展三
Schump
小型であること、空力的に洗練されていたこと、が高性能のポイントの様ですね。
形式から水冷エンジンだと思っていましたが空冷だったんですか、訂正多謝です。
yuji