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WWIIで、よく戦闘機あたりが改型を出すとき,「排気管を推力式に変更した」なんて記事が出ますが,どの程度の効果があったのでしょうか? また、最初から推力式にしなかった理由は何でしょうか? 勝井 |
マーリンは最大出力時,燃料のエネルギーの約30%が軸出力に,約50%が排気エネルギー(エンタルピー)になります。この排気エネルギーが推力排気管で軸出力の15%相当の仕事(=燃料エネルギーの4.5%)に変わるならば,「排気エネルギー → 推進力」への変換効率は約9%ということになります。
最初に推力式でなかった理由は,推力発生効果が知られていなかったためだと思います。列形も星形も最初は集合式が基本でした(恐らく排気管の取り回しが容易なためでしょう)。
isi
Fw190 のように排気口を胴体側面に集めた場合、推力発生に加え乱流抑制の効果を得ることができるらしいです。だから零戦や雷電のように一本づつニョキニョキ生やすよりこちらの方が空力的には望ましいのですが…
http://www.epsnet.co.jp/~f4u/crazy/images/jpeg/re04_15.jpg (Yak-11/R-1830)
http://www.epsnet.co.jp/~f4u/crazy/images/jpeg/re04_18.jpg (SeaFury/R-3350)
見ての通り、排気系の引き回しはけっこう複雑になります。
またこの写真ではわかりにくいのですが、排気口を側面に集めた場合、オイルや煤煙を含んだ高熱の排気が胴体側面に沿って流れるため、塗装が激しく傷むと同時に汚れます。第二次大戦中の F6F や F4U の写真には、排気経路に沿ったネイビーブルーの塗装が焼け落ちて白っぽくハゲた機体が目立ちます。外見の事なんか構ってられない戦時中はともかく、平時には結構嫌な問題でしょう。戦後のレシプロ練習機 T-28 も同じ形式の推力排気管を採用しましたがグレー塗装の海軍機では特に汚れが目立ったらしく、排気経路に沿った黒帯を塗って汚れが目立たないようにしています。
ささき
↑ 便乗
大昔、単車を転がしていた頃は「集合管」は憧れでしたが、
航空機の排気管に集合管を用いたのはその効果も狙ったの
でしょうか?
takukou
http://www.platon.co.jp/~vought/text/takahasi03.htm
(これ以下は上記ページを読んだと仮定して書きます)V型エンジンであれば自動車も飛行機も条件は同じなのでできますが(もちろん特殊な爆発間隔を採用しているものは除きます)、排気管をタコ足にすると横に大きく張り出して空気抵抗の元になりますので、判っててもたぶんやらないでしょう。
胃袋3分の1
フッフール
忘れたのかな?
成る程、航空機においては採用不可、又はメリットよりもデメリットが多
きいのですね。
takukou
吸気管の形状にはやたらこだわったくせに、排気管までは気が回ってないのはどうしてなんでしょう?理論的に解ってなかったってのは考えづらいんですけどねぇ・・・。
胃袋3分の1
大戦末期になると、排気管の製造方法は
「軟鋼の薄板を突き合わせ熔接し、アルミ浸漬して耐熱性を与える」
というものになっています。
鋼管の曲げと熔接で組み上げるのに比べて内面粗度が悪化するのは
やむを得ないかと……。
たかつかさ