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エアラコブラやBf109が搭載するモーターカノンですが、 利点は「大口径機銃の搭載」や「照準の容易さ」と考えてよろしいのでしょうか? まあ、照準については「ションベン」効果からみて、接近戦用兵器とみなせるかもしれませんが。 勝井 |
反動をある程度吸収出来るとかの利点も有ります
まあ、これも大口径搭載の容易さの一つでしょうね
SUDO
ドイツでMe109のモーターカノン等に使用され、航空機用機関砲の主力であった20mm機関砲「MG151/20」は、初速の速さ=弾道特性の良さを長所のひとつとして挙げられているものです。
「20mmはションベン弾」という思いこみのもとになったと思われる零戦22型までの「99式1号機関砲」は確かに初速が毎秒600mにとどまり、照準が困難でしたが、22型甲以降の「99式2号」では毎秒750mと、MG151/20の毎秒800mにせまるものとなっており、改善が見られます。ただし、20mm以上の機関砲は大戦中の戦闘機に対しては少しばかり破壊力過剰で、米ブローニング等の12.7mmと比べればさすがに弾道特性も悪く、装弾数や重量の点でも不利なので防空戦(目標が丈夫)や夜戦(射撃チャンスが少ない)といった必要にせまられない限り、進んで使うようなものではなかったとは思われます。
Schump
BUN
そのために液冷エンジンは倒立型を採用し、それが第二次大戦でも踏襲され、Jumo
系もDB系も伝統的に倒立エンジンとなっています。
第一次大戦当時はプロペラと同調させる問題があったので、この打開策としてモ
ーターカノンが各国で考案されています。従ってモータカノンは、古くはプロペラ
同調の必要がないという利点もあります。
国江
なお、モーターカノンには重量物が機体中心に集中するので慣性モーメント増大を防ぎ、運動性に影響を与えにくいメリットもあります。
ささき
30ミリなどと比べても反動が強烈だったのでしょうか?
寸度や機構の問題ではないかと思えるのですが、
この砲については初めて知ったので判りません。
ただ、戦闘機の翼強度にとってはたいていの
砲の反動は「誤差」程度だろうと思います。
搭載する為の構造切り欠きと、それによる強度低下こそが
問題では無いかと……。
ご教示いただければ幸いです。
たかつかさ
そもそも砲が弾丸を発射する時の反動の元は弾頭が砲口を飛び出す運動エネルギー(速度の二乗×質量)であり、これを機銃の自重で割ったものがおおよその反動力になると定義できます。そこで、初速の二乗×弾頭重量を自重で割ったものを仮に「反動係数」としましょう。これに基づいて主要な 20mm, 30mm のスペックを示してみます。
MG FF/S 弾頭重量 192g 初速 830m/s 自重 39Kg 反動係数 3391
99式1号 弾頭重量 129g 初速 525m/s 自重 26Kg 反動係数 1367
99式2号 弾頭重量 129g 初速 625m/s 自重 34Kg 反動係数 1482
MG151/20 弾頭重量 115g 初速 710m/s 自重 42Kg 反動係数 1380
Hispano2 弾頭重量 130g 初速 880m/s 自重 50Kg 反動係数 2013
HispanoV 弾頭重量 130g 初速 840m/s 自重 42Kg 反動係数 2184
2式30mm 弾頭重量 280g 初速 520m/s 自重 50Kg 反動係数 1514
5式30mm 弾頭重量 349g 初速 700m/s 自重 70Kg 反動係数 2443
MK103 弾頭重量 330g 初速 860m/s 自重146Kg 反動係数 1767
MK108 弾頭重量 312g 初速 505m/s 自重 64Kg 反動係数 1243
(データは Bill Guestion 氏の http://www.geocities.com/CapeCanaveral/Hangar/8217/fgun/fgun-pe.html から拝借しています)
これを見ると、重量弾(192g)を高初速(830m/s)で発射する割に自重の軽い(39Kg) MG FF/S の反動は飛び抜けて強烈なことがわかります。零戦に装備された実績のあるエリコン系二式 30mm は弾頭重量も重い代わり初速が低く自重も大きいので、零戦にもなんとか搭載できたのでしょう。FF/S に次いで目立つのは五式 30mm で、これを雷電の両翼に搭載した試作機があった事実が知られています。次に目立つのが英国のイスパノ Mk.V ですが、後期の英国戦闘機がこれを主翼に四門搭載しているところを見ると、機体さえ頑丈であれば FF/S を主翼装備することはあながち不可能ではなかったであろうと推測できます。
しかし日本の航空火器に詳しい国元氏のページ(http://www.platon.co.jp/~vought/kunimoto/esiki20mm.html)によると、日本海軍が FF/S を研究していたのは昭和13年頃です。この頃の戦闘機には短銃身の FF(99式1号) を積むのにさえ苦心しており、二倍以上の反動を持つ FF/S を主翼に搭載するなど思いもよらなかったのでしょう。その後日本ではモーターカノン搭載に適したエンジンが実用化できず、また FF/L(99式2号) の改良の結果「FF/L と遜色ない威力が得られた」ため研究が打ち切られたようです。
ささき
ささき
MG FF/S 弾頭重量 129g 初速 830m/s 自重 39Kg 反動係数 2278
強烈なことは強烈ですが、英軍イスパノ Mk.V に比べ大差ありませんね(^^;)
FF/S が日本海軍で採用されなかった理由は「強烈な反動」よりむしろ、470発/分という低い発射速度や互換性のない弾薬包を採用してまで、二号と「大差ない威力」の 20mm 機銃を採用する必要性が無かったことかも知れません。
ささき
大筋において納得しましたが、衝撃力を算定するのであれば
運動エネルギーよりも力積(運動量に等しい)を比較した方が
良いのではないでしょうか。
と言っても思い付きなのですが^^;
……おおそうか、こんな時こそあの方を召喚しましょう。
みんなで声を揃えて叫びましょう。
せーの、「東屋さーん!」
たかつかさ
ささき
0.5×質量×速度×速度(運動エネルギー)でなく、
質量×速度(運動量)に比例するのではないかと
いうことです。
大雑把にグラフを引いて比較する時、2次曲線になるのか
1次の直線になるのか、と言う疑問をもったものでして^^;
たかつかさ