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松根油について 「松根油は揮発油の代用として飛行機の燃料にされていた」 と、何かで読んだ事があります。 一方で「灯油の代用品であり、ジェットエンジンなら動いたかも」 といった記述も眼にしました。 どちらが本当なのでしょうか? どんべ |
こちらの方が成功していて実績もあった植物原料(芋)のアルコールと並ぶ代用燃料だった松根油は精製が問題となっており、不具合に悩むレシプロエンジン用途と、「だったら橘花や桜花の燃料に」という動きと同時に存在していた、と考えてよいと思います。
BUN
>陸軍の研究によれば、「松根油の300度以下の溜分はすこぶる優秀な水素添加材料であり、硫化モリブデン触媒を使い、50%前後の収率でオクタン価89程度の航空ガソリンが得られた」そうです。
というEOSさんの記述があります。また
http://www.epsnet.co.jp/~f4u/ansq/9/I1000014.html
http://www.epsnet.co.jp/~vought/ansq001/I1000205.html
http://www.epsnet.co.jp/~vought/ansq001/I1000916.html
等に、関連する話題があります。
EAW
BUN
Navy
過去のログも読ませて頂きました。
個人的にこの問題に異常なこだわりがあるのです。
と、言うのも、50年以上前に植物性の油脂でエンジンを動かす技術があって、
今、何故そういうエンジンが無いのか、という事です。
農業の盛んな東南アジア(タイあたり)に「ガソリン畑」を作ってもらい、
日本が大量に輸入すれば、アジアが潤い、日本の市場が拡大しそうだし、
中東情勢を気にする必要もありません。
何より、原油の枯渇を心配する必要がなくなります。
飛行機と無関係な話でした…すみません。
どんべ
taka
巣田 夏生
そうなんです、松根油は間に合わなかったんです。
とはいえ、精製方法が確立していなかったので殆ど精製されなかっただけで、松
根油自体の生産量はかなりのものです。
ちなみに昭和20年の4月から8月間で
松根油生産量(バレル)
陸軍 64、980
海軍 191、960
民間 無し(昭和19年まで生産)
生産されております。また、精製する為の蒸留釜の数が昭和20年で37、007
個となってます。この釜の稼働を維持するのは月間38万トンの松根と従事者が
125万人必要というのですから‥‥
実際に精製に成功した航空ガソリンは3、000バレル程度であったそうです。
しかも粗悪で、米軍のジープを壊したとか。
takukou
ちなみにコイツは0.15%加鉛することで、94〜96.7という優秀なオクタン価を示したそうです。
みなさん書いておられるように「間に合わなかった」というのが正直なところで、昭和16年の生産量は、わずかに6,260tでしかなく、終戦時は昭和20年末を目指した「20万kl」生産計画を実行中でした。
胃袋3分の1
にょき
松根補償費(1tあたり80円)
陸軍地区 227689t
海軍地区 613941t
経営損失補填費(1釜あたり500円)
陸軍地区 9579釜
海軍地区 25098釜
松根油山元在庫量(1tあたり2316円)
陸軍地区 8640t
海軍地区 18774t
まとめると日本全国で掘り出された松根は約84万t、それを34677釜の乾留釜で乾留して油分の収率を平均5%とすると約4.2万tの松根油が生産され、そのうち山元在庫量の約2.5万tを差し引くと約1.7万tが陸海軍に供出されたという事になります。
またこれらの直接的な補償費用の他に運送代行料、応急貯油設備費、作業衣その他無償交付費、etcの諸費用が補償要求されています。これらを考えると莫大なマンパワーを要する松根油の生産はとてもまともな費用対効果を持ち得るものではないのは明らかです。
ついでに書くと陸軍地区とか海軍地区というのは松根に関する陸海軍の縄張りで、生産は双方が別々に行っていました。陸軍地区に含まれるのは北海道の一部、北陸5県、東海4県、近畿6県、九州7県であり、残りが海軍地区です。松根油は古くから農業、溶剤、塗料などの用途に使われていて、中でも盛んな中国地区が海軍地区に含まれていたのが海軍地区に含まれていたのが海軍地区の生産量が大きい理由の一つです。
縄張りは例えば南方原油にもあって、ジャワやスマトラは陸軍地域でバリックパパンが海軍地域になります。大ざっぱに言って石油の約85%が陸軍の手の中にありました。
舞弥
松根から航空燃料を製造するには、
まず、松根から松根油を取り出す(小型の釜を用いて)
次に、松根油の軽質分を接触分解して基油を製造します
最後に、基油70%、ヘキサン留分27%、ベンゾール3%、四エチル鉛
0.15%の割合で混合し航空ガソリンを製造します。
が、確かにオクタン価は満足すべきものなのですが、酸化安定度が小さく
3日程度でガム状の物質が増加する、とあり。四日市の第二海軍燃料廠を
占領した米陸軍が、ジープにこの航空燃料を用いたところ、たちまち燃料
系が詰まってしまった。と言うことです。
takukou
四エチル鉛ですか。
良くわからんけど、有害物質みたいですね。
どんべ