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細かい話で恐縮ですが、ご存じの方があればお教えください。 1.例えば97式 7.7ミリ固定機銃の(?)炸薬のない通常弾は、命中後の弾体の変形が徹甲弾より大きく、装甲を撃ち抜く能力が乏しいと思われますが、それではこの通常弾にどのような働きが期待されたのでしょう?非装甲部に適当に穴を開けてくれればよいといった程度でしょうか?あるいは非装甲部表面に開く穴は、徹甲弾より大きいのでしょうか? 2.例えば99式20ミリ固定機銃の炸薬が充填された通常弾は、命中時に炸裂してそれなりに熱を発すると思われますが、焼夷通常弾を用いないとガソリンタンクに着火しないものでしょうか?この2種類の弾種の命中時の発熱温度は、それぞれどの程度でしょう?それとも瞬間的な発熱量より、焼夷弾では燃焼剤がこびりついてしばらく燃えるというような効果が大きいのでしょうか? EAW |
この八九式普通実包の用途は登場時期から見て、装甲、非装甲の問題ではなく、恐らく全金属製機以前の機体の構造破壊の為のもので、全金属製機の時代に対応した高貫通力の弾種が九二式徹甲実包なのだと思っています。
また、炸裂弾一般は構造破壊の為に炸裂するのであって、燃料タンクに着火させるのが本来の目的ではないはず。更に防弾材料、構造などから想像するに、燃料タンクの火災はタンク破損により霧化した燃料に着火して発生する場合が多かったのではないでしょうか。ですから必ずしも焼夷弾でなくとも火災を発生させることは可能だったものと思われます。
BUN
20mmに関してはBUNさんと全く同意見です。
舞弥
2. 1940 年代初頭に行われた英軍の実験では焼夷弾は敵機の外板に当たると砕けてしまって内部まで到達せず、炸裂弾は表層を破壊するばかりで内部構造を破壊せず、いずれも実質的な破壊力にはつながりにくい結論しています。そこで彼らは炸薬と焼夷材を持ち「表層材を破壊してから着火させる」HE/I(High-Explosive/Incendary)と徹甲弾頭と遅発信管を持ち「表層材を貫通後に炸裂」さらに焼夷効果も持つ SAP/I(Semi-Armor Piercing/Incendary)を開発して問題に対処しています。
ささき
実は超無学で恥ずかしいことに、ごく最近まで特定の機銃が使う銃弾は1種類と思いこんでいたものですから、この件が気になってしかたがなかったのです。おかげさまで、すっきりしました。
EAW
舞弥
実際にこれらの原価が幾らかは不明ですが、昭和14年に部外及び外国に売却した九二式重機の普通実包と徹甲実包の売却量と価格がありますので参考までに挙げておきます。九二式普通実包は1,927,775発で価格は142,651円、九二式徹甲実包は950,000発で194,395円です。これは仲介の商社に官が卸す価格だと思いますので製造原価を割と素直に反映していると考えられます。ささきさんの指摘通り、普通実包はかなり安価だということが判ると思います。
BUN
BUN