（補足）
この作戦任務報告書の要約を翻訳した「米軍資料　日本空襲の全容」（東方出版）という本を見てみたら、次のような記載がありました。
４５／７／３，４　目標地域（高松）内でバカ１機が見られた。
４５／７／１２（姫路空襲）　バカによる攻撃2回、バカ１機が３００ヤードまで接近、明らかにその力を消失し消えていった。　　
４５／７／１６，１７　目標（沼津）上空でバカ３〜６機目撃
４５／７／２６，２７（徳山空襲）　バカ１機Ｂ２９により撃墜
戦史叢書「本土防空作戦」等、他の本も調べましたが、桜花ではないだろう。対空ミサイルとしては使えそうにない。イ号１型誘導爆弾（ロケット動力の飛行機型誘導弾）は研究段階で終戦を迎えている。研究開発中だった対空ロケット弾（ロ弾）は実戦テストが行われたか不明だし、作戦任務報告書の記載から見てロケット弾より大きな飛翔体と思われる。
私は、特攻兵器桜花に関する噂を聞いていたＢ２９の乗員が、近づいてくる日本の戦闘機を本物の桜花と思い込んだのではないかと考えていますが、如何でしょうか？

アリエフ

時期的に見て、やはり６番２７号爆弾ではないでしょうか。
ＢＵＮ

同書を自宅で読み返しましたが全て夜間の戦闘であることから、少なからぬ誤認が含まれていると想像できます。夜間にロケットの炎と機体との両方を確認するのは困難でしょうし、遠近、大小の誤認は当然有り得ると思います。
私はこの「バカ」の正体は関東地区は３０２空、中京地区は２１０空、西日本は３３２空、３５２空と比較的広範囲に展開していた彗星夜戦が発射した６番２７号（終戦時大分基地には１００発の在庫があったとも言われていますので数は行き渡っていたのでは。）であろうと思いますが、７月に急に目撃例が増えるのはひょっとして、ロケット弾的に見える何者かに対して「それはＢＡＫＡだ」判定する資料が配付されたのが７月だったからではないかと想像しています。沖縄で捕獲された桜花の資料からＢＡＫＡの載った識別資料がこの時期に配布されたからこそ謎のロケット物体を「ＢＡＫＡ」と判断できたのではないでしょうか。たとえそれが人魂や鬼火の類であっても・・・。
ＢＵＮ

ＢＵＮさん御指摘の六番二七号爆弾とは火薬ロケット推進式爆弾のことでしょうか？
　ちなみに木俣氏の「幻の秘密兵器」（光人社文庫）には、２０年４月、三号爆弾をロケット推進式にした三式一番二八号なるものが横須賀航空隊の紫電改に装備されＢ２９に対し使用したが失敗したと、また、戦史叢書「海軍航空慨史」には、三号爆弾に火薬ロケットをつけたものを終戦直前、部隊に支給したが使用には至らなかったと書いてありますが。
　資料によっても違うのでよくわからないところですが、何度となく報告されたＢＡＫＡと言われるものが、試験的に使用されたロケット弾と撃墜に上がってきた戦闘機の両方であるかもしれないと考えています。
アリエフ

二七号は番号は若くても二八号の後に開発された空対空ロケット爆弾で、棒状の発射レールを使用します。タミヤの１／４８零戦５２丙（実態は六二型？）にアクセサリーとして付属しているので知っている人は多いのでは？（ただ零戦での装備例、使用例を残念ながら知りません。）
実戦での使用記録は確か、三四三空が敵哨戒機の邀撃任務（二〇年五月頃からしばらくの時期）に就いていたときに使用した手記を読んだことがあります。弾道が不良で当たらなかった、との内容でした。また、この爆弾は彗星にも使用されている、と言うか、むしろ彗星が主に使った様で、有名な芙蓉部隊も使用した記録があるはずです。ただ、七月という時期がちょっと気になるのですが三〇二を初めとして出撃が低調なんですよね。この月は。だからやっぱりヒトダマじゃないでしょうか？
ＢＵＮ

はじめまして。あんまり関係ないかもしれませんが・・・
　平塚、茅ヶ崎にロケット関連の工場があったとは聞いたことありませんが・・・。震洋の工場があったとは聞いたことがあります・・・。特効用
兵器の総称なんでしょうか？桜花の米軍コードネームもBAKAですし・・・
茅ヶ崎の住人

平塚には陸軍の造兵廠がありましたよね。それのことじゃないでしょうか？
ＢＵＮ

相当するのは海軍の火薬廠ですね。
ＢＵＮ