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マッハ2で飛行中のF15からマッハ3で飛行中のSR71へ向け、マッハ2の速度を持つミサイルを発射すると本当にSR71を撃墜できるか。 銅鑼猫 |
離れつつあるのかにもよるだろうし・・・。もうちょっと設定を下さい。
SADA
EAW
実際には、ランチャー離脱の瞬間のミサイルはほとんど推力を生じていませんし、どうせミサイルの空力的限界までしか加速できない(だから「最高速度」という)ので、「マッハ2のミサイル」は所詮マッハ2でしか飛べません。
よしんば「マッハ4のミサイル」を撃ったとしても、ミサイルが加速に要する時間とブースターの燃焼持続時間(燃え尽きるとあとは減速するのみ)を考えると、かなり近い間合いでない限り、SR-71は逃げおおせてしまう可能性が大です。
・・・さて、そもそも論ですが、マッハ2で飛行中に撃てるAAMってありましたっけ?
Schump
Schump
銅鑼猫
虎猫
EAW
の問題では?
静止状態からロケットモーターの燃焼終了までにM2.0まで”加速”できるAAMだと
して、このAAMが発射母機より(当然小さいんだから)重量や空気抵抗が小で推力
比で優れていた場合、投下されてロケットモーターに点火した後は、母機の速度より
さらに加速して母機の前に出られませんか?
(ミサイルはM2.0まで自己のロケットモーターを温存して母機によって加速され
その後に、自己のロケットモーターで加速する理屈です)
ここでミサイルが発射母機の速度よりも加速しないと、自分よりも空気抵抗が大で
重量/推力比で劣る発射母機が、自分と同じ速度を維持出来る理屈が通らなくなり
ます。
それでミサイルの推力は重量90kg程度のAIM-9クラスでピークスラスト4,500lb
(2025kg)程度あるようですから(AIM-7やAIM-120はもっと上)、母機との重量/推力比
では断然ミサイル側が優れます。
ただし、母機よりも前には出れるけどSR-71に追いつけるかは別問題です。
佐藤利行
AIM-9のロケットモーターの推力は自信なし^^;(数字はここから拾った↓)
http://www.canit.se/~griffon/aviation/text/missiles/aam.html
AIM-7やAIM-120の推力が調べても分からない(ついでに燃焼時間も知りたいのだけど)
ついでについでに、F-15の主武装のAIM-7やAIM-120クラスになると最高速度は”M4.0+”
ぐらいは出ますよ。
佐藤利行
虎猫
2種類の燃料を使うミサイルがあるかは不明ですが。
T34−85
自分はミサイルに付いて詳しく存じ上げませんので数字が書けませんがM2クラスの
ドラックは物凄い力です。ロケットの場合は一段目燃焼終了間際に燃料消費により
軽くなった事と速度による抵抗を平衡させるようフライトプランを作成します。
今回のお話の場合、通常はM1以下で射出を想定されているミサイルとモータでしょうから、
多分に抗力に打ち勝てず初期にはジワジワと速度が下がりM1程度まで落ちた頃、重量も減り
再度加速してM2くらいで頭打ちを迎えるのではないでしょうか?
また別のお話に有ったモータを点火しなかった場合は射出後の刹那は確かにM2ですが
あっという間にドラックに飲み込まれて運動量保存の為に後退する筈です。
超音速飛行中の形態変化(ミサイルの切り離しなど)は難しくないでしょうか?
ショックコーンの干渉とかが...事実は知りません。
機銃弾に付いても同じ事が言え、多分不味い事になるでしょうね。大戦中に急降下中に機銃を使って自分を撃墜したのはゼロ戦じゃなかったかしら?(記憶曖昧^^;)
Sq
なんつっても実際に撃ってる人達がいるから。
佐藤利行
より厳密に、順序も整理すると「推力、空気抵抗、重力、揚力と質量の問題」だと思います。ミサイルの運動の鉛直方向成分に注目すべき場合に、推力と重力の関係を重量/推力比として考察するわけです。
さて、最初のご質問の趣旨から運動の鉛直方向成分はとりあえず除外すると、詰まる所推力、空気抵抗と質量の関係が残ります。(推力−空気抵抗)/質量=加速度 ですから、推力が空気抵抗を上回らない限りミサイルは加速しません。最大速度がマッハ2のミサイルは、マッハ2の速度での空気抵抗がその最大推力に等しいわけですから、母機の速度よりさらに加速することは不可能です。「母機の速度よりさらに加速して母機の前に出られる」とすれば、そのミサイルの最大速度は母機の最大速度を越えていて、仮定に反します。(切り離された途端に猛烈な空気抵抗が立ちはだかり、頼れるのは自分の力だけなのです。)
以上は、ミサイルの運動が自律的である、つまり母機から切り離されるだけであることを前提としています。10.(虎猫さん)の機銃弾の場合は、母機に固定された機銃を踏み台にして(反発しあって)飛び出します。この場合は母機と機銃弾を含む系全体の運動量が保存されますが、(母機の質量は相対的にはるかに大きいのでほとんど減速せず)機銃弾は母機固定座標系でマッハ2に相当する初速度、静止座標系ではこれに母機の速度を加えた速度で飛び出し、たちまち減速するでしょう。
12.(Sqさん)の多段型ロケットでも、あくまでも運動方程式に従って加速を続けるわけで、空気抵抗が急激に減少していく高度でさらに余計な質量を切り捨てて、効率的に加速するところに意義があるのでしょう。
EAW
#最大速度がマッハ2のミサイルは、マッハ2の速度での空気抵抗がその最大推力に等しいわけですから、
この最大速度の点であなたと私では認識が違うのです。
8.の最初に「静止状態からロケットモーターの燃焼終了までにM2.0まで”加速”できるAAMだとして」
~~~~~~~~
と書いたのは(以下の記憶が間違っていたら申し訳ないのですが)一般的なAAMやSAMでは(ATMも
ですが)、その有効射程の全行程でロケットモーターが生きている訳ではなくて、発射後数秒か数十秒間
燃焼しミサイルを何Gかで加速させた後は、残りの行程は慣性と動翼制御で目標を追尾する・・と記憶して
おりました。(推力偏向のミサイルも最近は出てきていますが、これは除きます)
それで、対空ミサイルの最大速度はロケットモーターの燃焼終了によってそれ以上の速度が得られないだけ
で、そのミサイルの空力的限界では無い筈だと思ったからです。
(この裏を取りたかったのでAIM-7やAIM-120のロケットモーターの燃焼時間を知りたかったのですが・・)
ですから、発射母機でM2.0までミサイルを加速してやれば、その後は、そのミサイルの空気抵抗とロケット
モーターの最大推力が等しくなる速度までは加速出来る筈・・・と考えるのです。
ただし、モーターの燃焼時間ではなく発生推力的にM2.0までしか加速出来ないAAMであれば、あなたの
おっしゃる通りだとは思います。
(現実にはAIM-9クラスの小型AAMでもM2.5+程度の最高速度を持ちますので、M2.0クラスの現有戦闘機
から今の実用AAMを発射しても、たいていは前には出られるのですけど)
佐藤利行
ということは、数秒か数十秒間の燃焼では(空力的限界としての)最高速度に到達しないが、燃焼終了時の速度で十分でありそれ以上の加速は必要でないという判断で、そのミサイルが設計されているということですね?
確かに、ミサイルは速いほどよいわけではなく最適な速度というのがあって、そのあたりまで加速し燃焼が終了した時点で目標にある程度迫っていれば、目的は達せられるという考えもあり得ますね。
さて現実の各種ミサイルの最高速度が、このように燃焼終了時の最適速度なのか、あるいは燃焼中に空力的限界としての最高速度に到達しているのか、どちらでしょう?燃焼時間だけでなく、公称最高速度と最大推力で決まる空力的最高速度との関係について、ぜひ裏をとる調査と結果のご教示をお願いいたします。
EAW
EAWさん>さて現実の各種ミサイルの最高速度が、このように燃焼終了時の最適速度なのか、あるいは燃焼中に空力的限界としての最高速度に到達しているのか、どちらでしょう?
ここがどうも問題の争点と思われます。で良く知らずに口を挟む物では有りませんがロケットの場合は初期重量とIsp(比推力)でほぼ到達速度が予測できます。が
ミサイルの場合、燃焼終了時も空気中だしグリグリ機動した後ですから、このアプローチより推力と前面投影面積で近似した抗力とのバランスで計算できるのではないでしょうか?と言う意味で先のコメントでは一旦減速するもM2に加速して維持するのではとの書込みをさせて頂きました。
また私見ですがミサイルの場合M1前後で逃げ回るターゲットを追い掛け回して接近
する必要が有る訳ですから、最高速度を維持する時間が必要ですよね。とすれば燃焼途中でバランスを迎え以後は真っ直ぐ飛ぶ分には速度を維持すると考えた方が用兵的には自然ではないでしょうか?
やはりM3で飛行する物体をM2のミサイルで撃墜するには針路上で待ち伏せ迎撃しか手は無いように思います。
Sq
ささき