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452 V尾翼の利害特質と、あまり普及していない理由を
エナブレ

  1. (利点)斜めになった尾翼面積の水平成分を水平尾翼に、垂直成分を垂直尾翼に使うため、「三角形の一辺は他の二辺の和より小さい」ことより、水平・垂直尾翼を別個に設けるより総面積が小さく、空気抵抗が少ない。

    (欠点)(1)利点は実は「斜めは結局どっちつかず」ということの裏返しであり、操舵反応が鈍くなるし、実際には斜め面積は水平・垂直成分が完全に有効なわけではなく、思ったほど面積削減効果はない。(2)尾翼に上反角効果が生じ、過大な横安定からくるダッチロールのおそれがある。(3)ピッチ方向とヨー方向の安定及び操縦が互いに干渉し、特に横からの突風に縦安定を崩されやすい(4)舵面の操作(タテヨコ)をミキシングする機構が煩雑

    といったところです。

    Schump

  2. 特殊な例ですが、ステルス機の場合は電波反射を減らすため尾翼を斜めにするのが普通です(F-23の逆V尾翼なんてカッコイイ!)。F-117のV尾翼にはそれに加えて、尾翼の発生する乱流でジェット後流をかきみだして赤外線ホーミングを妨害する目的があるそうです(ささき)
    ささき

  3. 欠点を見ると練習機向けではないような?しかし、フランスのマジステールはV尾翼ですね。V尾翼のグライダーもあるし。どうやって問題点をカバーしているのだろうか?
    アリエフ

  4. 確かにマジステールは不思議な飛行機です。メーカーのフーガ社がグライダーメーカーで、V尾翼ソアラーも作っているのでノウハウはあるんでしょうが。見ると、比較的アスペクト比の高い、上反角のほとんど付いていない主翼を低翼にしてますから、操縦性とダッチロールの問題はなんとかなるとしても、突風の問題は謎のままです。エンジン位置から考えて、熱排気を避けるためにV尾翼にしたのかもしれませんが(Tは重量やディープストールの問題あり)。
    余談ですが、本機は当初、「ジェットモーターグライダー(!)で初等訓練はどうよ」と軍に提案されたらしいという話があります。
    Schump

  5. 回答ではないですが、マジステールのアクロバット飛行はバレエのようで実に優雅です。しかし印象はV字尾翼より大アスペクト比の主翼からの方が強い。
    SHI


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