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430 旧海軍の攻撃機は3人乗りですよね。戦闘機は飛んで、戦うのも一人でこなすのに、3人も乗るのはどうしてなんでしょう?(特に航法員は、編隊で一人いればいい気がするんですが。)
はるな

  1. 操縦士、爆撃手、銃手 の3人でしょうか?
    A10

  2. その編隊に一機いればいい誘導機の役目をすることがあるのが艦攻です。マリアナやレイテの第三航空戦隊の天山はまさにこうした役目のみを行っていました。同じく九七艦攻はマリアナでは長距離の海上索敵を担当しており、高い航法能力を持った艦攻は母艦航空隊の目といえます。
    BUN

  3. 操縦、偵察、電信と呼ばれておりました(97艦上攻撃機の場合)。
    偵察が機長を勤め、隊長機の電信が事実上の電信員を勤めます。列機の電信は銃手を勤めつつも「バラスト」と称されていたそうです。
    qwerty

  4. 面白いのは攻撃機は流星で二座になって行くのに対して、ほぼ同時期の彩雲は三座なんですよね。三座というのは零式水偵等も含めて偵察用の乗員配置なんでしょうね。
    BUN

  5. 結局、艦攻が3座なのは索敵、哨戒といった任務にも当てられるからというのが大きいのでしょうか。

    それから攻撃の際に、行きはともかく帰りはバラバラで敵機の追撃を避ける為に回避運動を行うことも考えられるので航法ができる人間は必要といえば必要です。
    ハヤブサ

  6. >それから攻撃の際に、行きはともかく帰りはバラバラで敵機の追撃を避ける為に回>避運動を行うことも考えられるので航法ができる人間は必要といえば必要です。
    なるほど。確かにそうですね。でも、同じことは戦闘機パイロットにも言えると思うんですが、やっぱり戦闘機パイロットは他機種のパイロットより負担が多かったんですか?(覚えること、訓練することが多いという意味で)

    はるな


  7. 「3人乗り」の内訳は、↑にもあるように、操縦員、偵察員、電信員の
    3名です。決して「操縦士」とはいいません。「操縦士」はどちらかと
    言うと俗語で、「士」が旧海軍では「士官」のことを意味するからで
    す(分隊士、飛行隊士等など)。

    攻撃機(すなわち水平爆撃を行う)の場合、偵察員が爆撃照準を担当し
    ます。雷撃の場合は、操縦員が自ら行います。偵察機の場合の偵察員は、
    基本的に航法専門です。攻撃機、偵察機のいずれの場合でも電信員は銃
    手となります(電信員席は一般に一番後ろにありますので)。

    で、「機長」ですが、これは偵察員とは限りません。3人のうちの先任者
    が機長になります。ですので、操縦員が機長の場合もあれば、偵察員が
    機長の場合もあります(電信員が最先任である例は、3座機の場合恐らく
    ないのではないかと思いますが、確認していません)。

    今泉 淳


  8. で、3人乗りの理由ですが、私が考えるところを記すならば、編隊で行動
    していれば嚮導機のみ航法を行っていれば良いですが、戦闘によって嚮導
    機が失われたり、あるいは運動を行った結果編隊からはぐれて単機になっ
    た場合には、長距離洋上行動を行う飛行機には特に必要です。

    戦闘機の場合は、航法能力以上に対空戦闘能力を重視します。また、航
    法用の計器も複座以上の飛行機よりも簡単なものしかないですし、例え
    ば偏流を測定する場合には一定の速度でまっすぐ飛んだ上で測る必要が
    ありますが、これを戦闘機の操縦員が一人で行うことはかなり困難です。

    戦闘機の搭乗員そのものも単機時における航法訓練はやっていたかもし
    れませんが、上記のような理由によって偵察員が乗って航法を担当する
    人間がいる飛行機に比べたら、航法能力は格段の違いがあります。

    偵察任務の場合は、長距離洋上単機行動が原則で、機位を失した場合で
    も母艦に対して電波輻射を要求できない、あるいは要求しても輻射して
    もらえるかどうか分からない(母艦の位置を秘匿するため)ので、どう
    しても航法は正確を期す必要があります。

    彗星や二式艦偵、流星が複座なのは、一つには急降下爆撃を一つの任務
    としてもっているため運動性を重視せざるを得ないことに起因するもの
    と思われます。無論、これら機体は偵察員が航法を担当することになっ
    ていますが、偵察員は電信も行う必要があり、さらに敵機に対して銃手
    もかねますので、おのずと航法に割ける能力などが限られる可能性があ
    ります。

    ただ、やはり指揮官機や編隊長機の偵察員は、能力が高い者が割り当て
    られることが多く、列機はそれに比べて劣っていたと見ても、間違いで
    はないと思います。特に、戦争が進むにしたがって、単機洋上長距離行
    動が可能な搭乗員は次第に少なくなっていますし。そのような搭乗員は、
    指揮官機もそうですし、あとは偵察機(索敵機)の偵察員にまわされるこ
    とも多かったのではないかと思います。たしか、淵田奥宮「機動部隊」
    にも、「自隊から索敵機を割かなければならないので痛い、しかも索敵
    機の搭乗員は、単機長距離の行動が可能な古参優秀なものが多い」のよ
    うな記述があったように記憶します。

    今泉 淳

  9. みなさん書き込みありがとうございます。勉強になります。(^-^)
    今ふと気づいたんですが、戦闘機のみが母艦から離れた洋上を飛行するって事はまず無いんですよね。(スイーピングでもない限り)だから戦爆連合の編隊では、戦闘機は目的地までくっついていくんで、航法できなくても問題なかったということなんでしょうか?
    はるな

  10. ↑の件ですが、無論それを建前としているわけで、戦闘機隊(制空隊とか
    直掩隊とか名前をつけられることが多いですが)の含めて、攻撃(戦闘)
    終了後の集合地点はどこどこ、のようにあらかじめ決めておき、複座以上
    の飛行機(基本的には、どこの母艦のどの中隊かがあらかじめ指定される)
    が待っていて、そこに集合してきた飛行機を母艦まで誘導します。このよ
    うなことを「収容」といいます。

    しかし、集合地点に時間まで集まれなかったりした場合は、その限りでは
    なく、場合によっては戦闘機が航法を行いつつ、単機で洋上飛行をして母
    艦に戻ることを余儀なくされます。場合によっては、母艦に無電を打って、
    誘導機を回してもらうなんてこともありえるかもしれません(インド洋作
    戦のときにそういうことがあったような気がします。熊野大尉機だったで
    すかね?それとも違ったかな)。

    しかし、そこまで余裕が無い場合は、誘導の飛行機をまわせないし、そう
    なると、今度は戦闘機の単独で洋上推測飛行で母艦に戻れるかどうか、こ
    れはひとえに搭乗員がどこまでそういう訓練や工夫をできるかに依る話だ
    と思います。

    で、例えばクルシー式の無線帰投装置のスイッチを入れて、運良く母艦が
    電波を出してくれれば、その誘導に沿って帰投できますし(珊瑚海海戦の
    とき山本大尉はこの手で帰投したと、インタビューで述べていたような記
    憶が)、電波を出してくれない場合もあります(白浜芳次郎「最後の零戦」
    にはこんなことが書いてあった気がしますね)。後者の場合は、結局自分
    で航法をせざるを得なくなりますし、運が悪ければ母艦を見つけられず不
    時着ということになってしまいます。
    今泉 淳


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