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プロペラの枚数は、スピードに関係があるのでしょうか? ゴロウ
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- プロペラ機のスピードを上げるためエンジン馬力を増やしても、プロペラの回転速度には上限があります(ペラ先端の速度は音速を超えられないので)。この制限内でプロペラ効率を上げるには(1)直径を増やす(2)ブレードを幅広にする(3)ペラ枚数を増やすなどの対策があります。理想的には2枚ないしは3枚羽根で直径を増やすのがベストなのですが、離着陸のことを考えると無制限に大きくはできません。そこで(2)(3)の対策が取られるのですが、どちらも空気抵抗を増やしてペラ効率を下げる副作用があります。常識的には5枚羽が限界で、それ以上枚数を増やしてもかえって抵抗が増えるだけになってしまいます(だから震電の6枚ペラの効率はかなり怪しい)。なお、効率を下げずにペラ枚数を増やす奇策としては二重反転にする方法があります。また、ブレード間の干渉が少ない特殊な形状をコンピュータで設計し、枚数を増やして直径を極端に減らし回転速度を上げたUDF(アンダクティッド・ファン)という反則技もあります。
ささき
- 答になっていないので追記。「プロペラ機場合エンジン馬力を推力に変換するのはプロペラの仕事で、ペラ効率の良否が直接最高速度に影響します。低速機(<400Km/h)の場合は2枚ペラで充分。高速機(>700Km)の場合はプロペラ効率を上げるため多枚数(4〜5枚)を使うこともありますが、必ずしも枚数を増やせば効率が上がる(=速度が上がる)とは限りません。むしろ3枚〜4枚で幅広・大直径にする方が良いと言われています」こんな説明でどうでしょうか?
ささき
- 便乗質問です。どっち・・・で「飛燕の急降下時、時速1000km/hを出せたか
どうか」という設問がありましたが、
1.もし本当に1000km/h出ていたら、ペラ先端は音速に達してますよね?
2.ペラ先端が音速に達してしまったら、どういう現象がおきるでしょうか?
SADA
- エアショーの解説で聞いたのですが、レシプロ機のプロペラ先端速度と
いうのは意外に簡単に遷音速に達してしまうようです。複葉のスーパー・
ステアマンですら低空でオーバーブーストの急降下をやると過回転に
よってペラ先端から衝撃波が発生し「ババババッ!」という耳障りな
異音が起きます。ペラ先端が遷音速に達すると抵抗が急増し、エンジン
馬力のほとんどが回転抵抗に喰われてしまい推力に変換されなくなります。
ですから機体速度が 1,000km/h に達したような状態だとペラは回せば
回すほど抵抗になってしまう訳ですね…。しかも高空ほど音速は遅く
なり、衝撃波は発生しやすくなります。だから実速度として 1,000Km/h
を超えたという話はちょっと信じがたいです。
飛行機の対気速度はピトー管の内圧によって測定するため、外気圧に合わせて
補正しなければならないのですが、急降下時は補正が間に合わないので高度が
低下する(=気圧が上がる)につれて計器指針が上がってしまい、実速度
800Km/h あたりなのに計器速度が 1,000Km/h を超えた、というのが真相
なのではないでしょうか?
ささき
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