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Fw190は、重量や翼面加重なんかの割に、比較的良好な運動性を備えているように思えます。運動性を決定する要素というと、後はどんなものがあるのでしょうか。
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- 巴戦のための旋回性能は軽量の方が有利でしょうが翼面積が小さい方が横転率が良いとか言いますよね。あとエンジンによる上昇性能、加速性能、機体形状による急降下性能、操縦性能とかですか。
- 質問者のいう運動性というのは旋回性能の事を指すらしいのでそれに沿って書くと、機体の荷重制限、翼面荷重、馬力荷重といったところでは。簡単に言うと、翼面荷重が低ければ失速速度が低く旋回時の速度喪失も比較的小さいので有利だけど、馬力がないとその旋回を続ける事ができない、という事ですよね?
- あとは旋回に入る速度が有ります>ロール速度とか、操舵の応答性なんか、Fw190はこれらが優秀だったようです。また飛行機の旋回は各舵で微妙なバランスを取りながら行う必要があります>自動車の高速ドリフトが近いイメージ、操縦性の良さや、望む運動に素早く移れる反応の速さは、ごく一部の一流パイロットしか到達できない限界領域の性能以上に重要な「運動性能」だと思います/SUDO
- 翼面荷重の値が低い場合の利点は旋回半径が小さくなるということですが、翼面荷重の高いFw190は旋回半径は大きいです。ただし、馬力荷重が低いため旋回速度は高いので、「旋回性能が悪い」とは言えません。Fw190の運動性の最も優れた点は横転性で、これは第2次対戦機の中ではトップクラスです。これが良かった理由は他機種が動翼の操作に索(ワイアー)を使っていたのに対し、Fw190はソリッドな棒で結合していたため「たるみ」がなく、操舵時の応答性が最高でした。↑に続く・・・
- ↑の続き・・・Fw190シリーズの中で旋回半径が最も小さかったのは、実は最も翼面荷重の低いTa152Hでした。あとは http://www.platon.co.jp/~vought/ibukuro/Senkai.HTM を参考にしてください。回答される方は、みなさん名前を書いてらっしゃるみたいなので、発言の責任をとる意味で私もこれから書くようにしましょう。回答は(胃袋3分の1)でした(笑)。
- 「運動性」という言葉には定義がある訳ではなく、実際にはいくつもの意味を含めたまま曖昧に使われています。整理すると、まず遷移性能。これはピッチ、ヨー、ロールを迅速に変更する能力です。これは下に書かれたロール能力の例が分かりやすいですが、空中戦、それも乱戦の中では大きな意味を持ちます。現代の例で言えばF−5が唯一F−15に勝る点がこれだと言われていて、アグレッサーのパイロットはこの点を最大限に利用して戦っていました。
- ただこれは旋回能力に関しては、そのきっかけを与えるだけであって旋回能力自体には関係有りません。次に翼面荷重の問題。ここからが旋回能力に関係してきます。どんな飛行機でも速度とGが同じなら旋回半径は同じです。ではなぜ翼面荷重の小さい方が有利なのかというと、旋回に伴う抗力の増大による速度の損失が少なくてすみ、失速速度も低いからです。つまりそれだけ余分にGをかけられる事になります。
- しかしどんな飛行機でも急旋回を続ければすぐに速度を失ってしまうのでそれを続けるには、その分を推力で補う必要があります。こここで出てくるのが余剰推力(馬力)というものです。例えば2000馬力のエンジンを持つ飛行機がある高度で300km/hで飛行中の時に必要なエンジンの馬力が1000馬力であったとします。差し引き1000馬力が余剰馬力という事になり、これは加速力や上昇力に直結します。もちろんこれは旋回中の加速にも使える訳です。最近は「maneuverbility」の訳に「機動性」という訳語を当てている例が多いですが、
- これは余剰推力の概念を含んでいる場合に区別してその言葉が使われているようです。また推力(馬力)荷重あるいは推力重量比というのは、余剰推力とはイコールではないにしろそれを判断する目安にはなります(EOS)
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