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184 旧日本軍の試作機で2重反転プロペラを搭載した機体が有りますが.高速を出すのに役に立ったのでしょうか?

  1. 高速化よりトルクの打ち消しが目的でしょう。だから、強風、紫雲等水上機に多く採用されていますよね。キー64は2000馬力に慣れていなかったのとどうせエンジンが二つあるからではないでしょうか?ちと荒っぽい説かな。


  2. 質問者です。トルクってなに?


  3. (↑トルクより離水時ならプロペラ後流の影響の方が大きいと思いますが?)で、分かりやすく言うと、プロペラが機首でグルグルと回っている飛行機では、プロペラが掻き回してグルグルと渦巻いた空気の流れが機体後方に流れて行きます。この渦巻く後流が垂直尾翼に当たると垂直尾翼の片面を押す事になるので、フル・パワーでかつ速度が余り出ていない時(舵面が余り効かないので)離水時などには(水面を滑走する水上機は特に方向安定性が弱いので)機体が真っ直ぐに進まずに曲がろうとしてしまいます。


  4. (続き)この偏向癖を直したくて(水上機だけではなく、陸上機でも尾輪式の機体でハイパワーの割に胴体が比較的短い機体では顕著に起きます)二重反転ペラにすると、プロペラ後流が綺麗に流れるので偏向癖が起きません。(ただ、それ以外に空中での効率も良い筈でしたけど)


  5. ↑の方、基本的に勘違いをしていますよ。この場合のエンジントルクによる反作用(トルクそのものではないのでそこのところもお間違えのないよう)は、たとえばエンジンが右回りに回転した場合、当然、反作用として左回りに回転しようとする力が生じます。それがエンジントルクによる反作用です。これは、プロぺラのような大きくて重いものを回せばより大きく作用しますが、エンジンの回転そのものに対しても作用します。ですから、プロペラがなくても、このエンジントルクによる反作用は発生しています。ただ、プロペラがない場合はそれが小さいのでわかりにくいだけです。もちろん、尾翼等にプロペラ後流があたることによる反作用も無くはないですが、回転の反作用に比べたら大したことはありません。


  6. ↑でもMe109なんて垂直尾翼の翼型を左右で変えたりしてますけど^^;(大した事ないの?)


  7. (追記)下のプロペラ後流による偏向癖の話は離水(離陸)時の方向安定性の話で、飛行中の話では無いです(念の為)


  8. トルク反作用についてちょっと誤解されそうなので補足します。回転体が抵抗皆無で定速回転するなら反作用は発生しません。反作用が発生するのは回転を加速させる時です。回転抵抗がある場合は放っておくと減速してしまうので、定速を維持するためにはエンジンから力(トルク)を注ぎ込み減速分を補うだけの加速力を常に発生させる必要があるため、反トルクが恒常に発生するわけです(ささき)


  9. 2重反転プロペラのメリットは後流に回転運動を生じないことです。普通のプロペラは空気に軸周りの回転運動も与えてしまうので,空気を回転させるために動力を浪費してしまいます。2重反転式はこれがないため動力は全て後方への運動量,つまり推力にできるためプロペラの効率が高く速度も向上します。また後流が回転しないことによりさらに2つのメリットが生じます。空気に回転運動を与えた反作用としての反動トルクが生じないこと,もう1つは垂直尾翼に斜めに気流が当たらないので機首振りのモーメントを生じないことです。


  10. よく考えれば分かるように,反動トルクは機体を左バンクさせるように働く力で(補助翼で修正),機首を振る偏向癖(方向舵で修正)とは無関係です。旧Ans.Q 97や下の方も指摘されていますが,偏向は回転する後流が回転軸より上に付いている垂直尾翼を右側へ押すように当たるために生じます。またこの偏向は離陸時に限らず常に働いており,五式戦は最大速度で飛行時に強い偏向癖があったそうです。高出力かつ速度が低い(方向舵が効きにくい)離陸時には他より影響が顕著ということです。


  11. トルクについて補足しますと,プロペラやエンジンが一定回転であれば回転部がいくら重くても反動トルクは生じません(回転方向の加速度が0なので)。飛行機のエンジンは基本的に一定回転ですので,飛行中の反動トルクは空気に回転を与えた反作用として生じるものです(真空中でプロペラを一定回転させても反動トルクは生じません)。ただし回転数を変えれば「変えている間だけ」反動トルクは生じます(タンデムエンジンのオートバイでアクセルを煽るとその瞬間だけ車体がバンクします)。



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