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- カナードといってもIAIクフィルC2とサーブ・ビゲンとでは大きさも違うし目的も違うそうです。前者の場合、デルタ翼式のミラージュ5をベースとしていますが空戦性能向上のためにカナードをつけたのに対し、後者は離着陸距離の短縮を主な目的としてるそうで。しかし、デルタ翼の欠点解消の方法としては尾翼付デルタとする(ミグ21など)のが一般的ですが、カナード・デルタはそれに比較してどうなんだろう?(答えになってないか) なお、フランスのミラン(実験機)やTu144(いわゆるコンコルドスキー)の機首に取り付けられている引き込み式の小翼はカナードと言わないそうで。
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- 手元の資料によると、カナード(先尾翼)機の特徴の一つに主翼より前にある尾翼が上向きの揚力を発生して主翼の揚力を助けるために、同じ揚力を発生させるなら普通形式の飛行機に比較して主翼面積を小さくできること、また普通形式の飛行機に比べ縦安定がよく失速しにくい(先尾翼が主翼に対して少し取り付け角を増して取り付けられ、このため機首が上がって主翼の迎え角が大きくなって失速する前に先尾翼が失速して機首を下げる)ことがあります。ミラージュ3のようなデルタ翼機は離着陸時の迎え角が大きいという問題点があり、これを解消するため通常の尾翼付デルタ翼形式にするのが一般的ですが、カナード・デルタの方が主翼を含む機体全体を小型化できるという点が買われているのではないかと思います。
- 旧 Ans.Q にもあったように(いま、210の番号がついている質問)ビゲンやらラファールなんかのカナードは、震電などのカナード(先尾翼形式)とは狙いが違うものと見るべき。と思います。(N)
- 一つ前に書いた者です。NO210の方も見てみましたが、震電のカナードとビゲンなどのそれはどのように違うのでしょうか?直線翼とカナードの組み合わせとカナードデルタとは、目的がかなり違うのだろうか?また、Tu144などのカナード・フィンは翼面積がかなり小さく、ビゲンやクフィルのカナードと同じ役割をするのだろうか?疑問ばかり増やして申し訳ありませんが、航空力学にお詳しい方、御教示願います。(アリエフ)
- ビゲンなど、カナードを主翼の前縁に重なるように設けたコ・デルタ翼は、カナードで発生した渦と、主翼で発生する渦を干渉させて大揚力を得る、大迎角時の失速を防ぐなどのねらいがあります。(revi)
- まず震電等のエンテ方式の利点は、前翼に揚力の一部を受け持たせて主翼を小さくできる事やプロペラ後流に障害物がない点や先に前翼が失速するので主翼が失速しにくい、といった点です。対してビゲン等に使われているのはクローズド・カップル・カナードという方式で、前者の利点をおおむね引き継いでいる一方で新たな要素が加わります。写真を見ればわかりますが後者の前翼は主翼のすぐ手前上方の位置にあります。これは前翼で発生した渦流が主翼上面を流れ主翼から発生する渦流と干渉しあって大きな揚力を発生させ、同時に大きな迎え角を
- 取ったりしても舵や垂直尾翼の効きを保証するといった効果があります。ドラケンのダブルデルタ翼やF/A-18のLEXというのもほぼ同じ効果を狙った物です。更に最新のラファールやEF2000やSu-35といった機体では、前翼を全遊動化した動翼として用いるというような事が行われていますが、これは静安定緩和とデジタル・フライ・バイ・ワイヤによって初めて可能になった事です(EOS)
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- 老婆心で注釈、LEXとはリーディング・エッジ・エクステンションの略で、俗に「ストレーキ」とも呼ばれてますね。F-16やMiG-29にも付いている、主翼付け根が前方に伸びている部分です(書き込み失敗ごめんなさい…ささき)
- ついでに最近までアメリカやソ連にカナード式の軍用機が少なかったのはなぜでしょうか?アメリカではXB70バルキリー位しか思い浮かばないが。Mig21やA4スカイホークのような尾翼付デルタの方がカナードデルタより構造的に簡単なのでしょうか?
- 本当の事を言うと単なる前翼式にはあんまりメリットがなかったんじゃないかと思います。実際米ソに限らず前翼式というのは実例はほとんどなかったはずです。ミランSやTu-114のヒゲを経てCCCというのが出現した時点で初めて前翼式のメリットというのができたんじゃないかと思います。後はRSSとFBYが実用化されるまでは、テイルド・デルタの方が超音速時の空力中心移動に対応しやすかったというのもあるかもしれません(EOS)
- ↑Tu-114→Tu-144、FBY→FBW(まーだ、何かありそ/EOS)
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