Page 266 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼航空戦の指揮経験とは ペドロ 08/7/20(日) 0:54 ┣良きプレイヤーは良きマネージャーになれるか否か ささき 08/7/20(日) 4:12 ┃ ┣蛇足的補足 もとまっく 08/7/22(火) 0:04 ┃ ┃ ┗Re:蛇足的補足 ペドロ 08/7/23(水) 0:24 ┃ ┗Re:良きプレイヤーは良きマネージャーになれるか否か ペドロ 08/7/23(水) 0:25 ┃ ┗航空機の経験が必要な理由 おうる 08/7/23(水) 20:48 ┣Re:航空戦の指揮経験とは らいおん 08/7/21(月) 23:03 ┃ ┣Re:航空戦の指揮経験とは ペドロ 08/7/23(水) 0:23 ┃ ┃ ┗対空母 らいおん 08/7/23(水) 22:25 ┃ ┗Re:航空戦の指揮経験とは 青江 08/7/24(木) 21:05 ┗Re:航空戦の指揮経験とは とおりす 08/7/23(水) 22:26 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 航空戦の指揮経験とは ■名前 : ペドロ ■日付 : 08/7/20(日) 0:54 -------------------------------------------------------------------------
よく太平洋戦争時の日本軍内部における人事の硬直性を表す象徴として、 「航空部隊、あるいは空母戦隊の指揮経験が無い将官を重要戦区の基地航空部隊、あるいは機動部隊の指揮官に任命した」というのがあります。 第一航空艦隊南雲忠一司令長官、フィリピン戦時の第四航空軍富永恭次司令官がよく指摘されます。また同じくフィリピン戦時の第二航空艦隊福留繁司令長官、沖縄戦時の第五航空艦隊宇垣纏司令長官もそれに当たるでしょう。 ただ彼らに何らかの航空についての経験があったとして、果たして史実とは異なる、それもより合理的な決断ができたか否かについてはなかなか確言できないものがあります。かといって、空母艦長になるためにパイロットの資格を40過ぎて取る事になったハルゼー提督のエピソードを聞くにつけ、日本との違いを感じてしまいます。 皆さんは「航空部隊、あるいは空母戦隊の指揮経験が無い将官を重要戦区の基地航空部隊、あるいは機動部隊の指揮官に任命した」という事実についていかがお考えでしょうか?また、当事者である日本陸海軍が当時人事にあたりこのことをどのように考えていたのか、ご教授いただければ幸いです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)@104.net124047197.t-com.ne.jp> |
この問題は逆説的なかたちでスポーツ界でよく語られますね。素晴らしい成績を挙げた伝説的選手であっても、監督として優秀かどうかは往々にして別次元の話であると。 >空母艦長になるためにパイロットの資格を40過ぎて取る事になったハルゼー提督のエピソード 単艦としての航空母艦の運行にあたって航空機の知識、とくに離着艦時の特性について熟知が求められることは当然のことでしょう。それは実体験であるに越したことはありませんが、しかし航空機操縦の実体験が絶対必要という訳でもないように私には思えます。この点においては逆に、「空母艦長は航空機操縦の実体験を持っていなければならない」と規定している米海軍こそ硬直しているとさえ言えるのではないでしょうか。 また単艦としての空母運行と、海上航空兵力としての機動部隊の運用は必ずしも直結するものではないでしょう。指揮官に求められるものはもっと大局的な視点と判断ではないでしょうか。 野球に例えるなら、一球一球に対しいちいち打たせて取るか・振らせるか・見逃させるかを指示しなければ気が済まない監督は愚将ではないでしょうか。それはコーチ(機動部隊ならば艦長あるいは飛行長)の仕事であって、監督の仕事はシーズン全域を通して今日のゲームを位置づけ、今日は絶対勝たなければいけないのか・負けられないのか・負けても良いのか落としどころを定め、何点差ならば逆転チャンスありとして攻めを続けるか、逆に今日の勝利を諦めて明日に備えるべく切り札を温存するかを決断し実行することではないでしょうか。 その判断にあたって現役選手としての知識経験は絶対必要なものかと言えば、私は違うような気がします。もっともプロ野球というシステムの中においては、選手およびファンに対する説得力として「現役時代の栄光」が必要条件となるでしょうけど。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)@adsl-76-227-117-132.dsl.lsan03.sbcglobal.net> |
>この点においては逆に、「空母艦長は航空機操縦の実体験を持っていなければならない」と規定している米海軍こそ硬直しているとさえ言えるのではないでしょうか。 空母の導入というのは、軍事史上非常に興味深いトピックで、 さまざまな角度からの研究が行われています(日本では学術的な研究はほぼ皆無ですが)。 以下はウィリアムソン・マーレー、アラン・ミレットの研究プロジェクトの受け売りです。(日本の場合を研究すれば面白いケーススタディになるのは分かっているけどとうてい手を伸ばす余裕がない・・・・) 海軍航空隊という新規職種を作る場合に大きな問題になったのは、 いかにして優秀な人材を確保し、その補職をどのような形で行うかでした。 (高級指揮官ポストがないのにわざわざ新しい職種に志願するのはよほどの変わり者か他に行き先がない人たちです)。 そして、米海軍が、空母艦長をやるのに 航空機操縦経験が必要だという規定を作ったのは、 パイロットにも高級指揮官の道を開くためであったと考えられています。 特に、日本海軍と異なり、巨大な基地航空隊を持たない米海軍の場合、 空母艦長というのは、パイロットの補職の観点から、 水上艦乗りに「解放することのできない」ポストだったように思われます。 というわけで、これはあまりそれぞれの海軍が航空戦の特性をどう理解していたかということとは関係ないように思われます。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)@p8b90a0.tokynt01.ap.so-net.ne.jp> |
題名に危うく騙される所でしたが、実に興味深い情報だと思います。 やはり他国と比べる際にはそのバックグラウンドも含めた深い分析が不可欠だと痛感させられます。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)@104.net124047197.t-com.ne.jp> |
> その判断にあたって現役選手としての知識経験は絶対必要なものかと言えば、私は違うような気がします。もっともプロ野球というシステムの中においては、選手およびファンに対する説得力として「現役時代の栄光」が必要条件となるでしょうけど。 議題を打ち出しておいて何ですが、正直近代戦争で指揮官個人の経験をあまり云々するのもいかがなものかとも考えるようになってきました。 古代や中世の軍隊ならいざ知らず、指揮官個人の個性や識見により部隊指揮に大きな差が出ないように近代軍隊は洗練されていったのではないかとも考えるわけです。 それでも「航空部隊の指揮経験が無いのに」という批判に耳を傾けてしまうのはなぜか、一つの答えを上の文で頂いたような気がします。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)@104.net124047197.t-com.ne.jp> |
指揮官の仕事を組織(部隊)のマネジメントに限定していう限り、隷下部隊の専門知識・経験を有している必要性は全く…とは言わないまでも、ほぼないと言って良いと思われます。 指揮官自身が最前線で現場に立ち、実際に専門性の高い作業に携わることなど、いかなる組織であってもまずありません。それが必要とされるのであれば、その組織の規模が小さすぎるか、組織自体に致命的な欠陥があるのでしょう。 一般にマネージャ(指揮官)が専門知識・経験を求められるのは、マネージャ自身が専門性を発揮するためではなく、部下たちから上がってくる様々な苦情や要望等に対応したり、他部門とのさまざまな調整を行うためです。 中間管理職としての業務を一人でこなさねばならない中小の民間企業ならともかく、マネージャと現場の間に参謀や副官という便利な補佐役が存在する軍隊では、指揮官がそこまで現場の専門性に精通している必要があるとは思いません。参謀が無能だったり、二心を持っていたり、全く信用に値しない人物であるなら話は別でしょうが…専門家としての思考は参謀に丸投げし、参謀から最終的に提示された選択肢を選び、発令しさえすればマネジメントそのものはこなせるでしょう。 航空機の経験が必要とされる最大の理由は部下の人心掌握であろうと推測します。 航空機は専門技能を有する人材でなければ運用できず、しかも専門技能を有する人材は少数です。こういう状況では専門技能者はほぼ必ずと言っていいほど天狗になってしまいます。これは軍人に限らず、町工場の職人でも、その他どんな分野でも同じです。 天狗になった専門技能者は自分たちと同じ専門技能者以外に対して、特に専門家としての自分を理解してくれない相手に対して、一種の侮蔑を抱くものです。自分たちの専門技能に自信を持っていれば持っているほどこの傾向は強くなります。 こういう生意気盛りな連中に言うことを聞かせるには、一定程度以上の「専門性に対する理解」を示す必要があります。これが「専門性に対する理解」ではなく、「専門家に対する理解」だと逆に部下に侮られてしまう可能性が出てくるので、生半可な付け焼刃では難しくなります。 しかし、これを参謀や副官が受け持つことも、やってやれないようなことではないので、やはり指揮官自身に経験が絶対に必要ということはないと思います。 究極的に言うならば、いかなる兵科であろうと軍人としてやるべき仕事は同じ…なわけですから、「専門的なことはわからん、しかし、軍人としてこうせねばならん」という兵科の違いを超越した何事かを示すことができるなら、専門性云々はある程度ほっぽっといても隷下将兵を纏めることはできたのではなかろうかと思います(なんか、それっぽい人もいたようですし)。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@FL1-122-134-104-239.tcg.mesh.ad.jp> |
「第一航空艦隊南雲忠一司令長官、フィリピン戦時の第四航空軍富永恭次司令官がよく指摘されます。また同じくフィリピン戦時の第二航空艦隊福留繁司令長官、沖縄戦時の第五航空艦隊宇垣纏司令長官もそれに当たるでしょう。」 角田長官を例からはずすのは結果ありきの議論でフェアでないと思います。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@p237.net220148085.tnc.ne.jp> |
> 角田長官を例からはずすのは結果ありきの議論でフェアでないと思います。 咄嗟に思いつく人名を挙げただけで他意はありません。ご容赦ください。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)@104.net124047197.t-com.ne.jp> |
ペドロ様、言葉が過ぎました、申し訳ございません。 ただ航空部隊司令官の評価、とくに対空母の評価は難しいのです。 過去ログでもありましたがマリアナ沖海戦の小沢提督(彼も航空畑ではありません)ミッドウエー以上の大敗した愚将と評価できますし、ミッドウエー海戦大敗の最大敗因は索敵の失敗であり南雲提督を責めるのは間違いである。南雲提督は真珠湾、南太平洋海戦では勝利を収めた小沢提督以上の名将と評価することもできます。 米軍海軍もミッドウエー・マリアナ・レイテで結果的には100点満点な勝利を収めましたが、敗北とまではいかないまでも多大な被害を受けたかもしれない危ない橋を渡っております。 航空機は強力な攻撃力と脆弱な防御力をもった兵器なためその評価はむずかしいのです。主題とずれてしまいましたね、ごめんなさい。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@p237.net220148085.tnc.ne.jp> |
> 「第一航空艦隊南雲忠一司令長官、フィリピン戦時の第四航空軍富永恭次司令官がよく指摘されます。また同じくフィリピン戦時の第二航空艦隊福留繁司令長官、沖縄戦時の第五航空艦隊宇垣纏司令長官もそれに当たるでしょう。」 > > 角田長官を例からはずすのは結果ありきの議論でフェアでないと思います。 色々な方がおられますが、空母パイロットであり、艦長も務めた吉良提督は, 空母では戦ってないのです。 こういう例もあるのですから、どの様な議論ができるでしょうか? 絞ってみても難しいのでは? <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1)@p1055-ipad303hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp> |
> よく太平洋戦争時の日本軍内部における人事の硬直性を表す象徴として、 > 「航空部隊、あるいは空母戦隊の指揮経験が無い将官を重要戦区の基地航空部隊、あるいは機動部隊の指揮官に任命した」というのがあります。 > 第一航空艦隊南雲忠一司令長官、フィリピン戦時の第四航空軍富永恭次司令官がよく指摘されます。また同じくフィリピン戦時の第二航空艦隊福留繁司令長官、沖縄戦時の第五航空艦隊宇垣纏司令長官もそれに当たるでしょう。 > ただ彼らに何らかの航空についての経験があったとして、果たして史実とは異なる、それもより合理的な決断ができたか否かについてはなかなか確言できないものがあります。かといって、空母艦長になるためにパイロットの資格を40過ぎて取る事になったハルゼー提督のエピソードを聞くにつけ、日本との違いを感じてしまいます。 > 皆さんは「航空部隊、あるいは空母戦隊の指揮経験が無い将官を重要戦区の基地航空部隊、あるいは機動部隊の指揮官に任命した」という事実についていかがお考えでしょうか?また、当事者である日本陸海軍が当時人事にあたりこのことをどのように考えていたのか、ご教授いただければ幸いです。 アホな質問でごめんなさい。よく考えるとお題の意味がわからなくなります。 誰でも最初は未経験なわけで、「重要戦区」の指揮官に初めての人がなり得る人事 システムについて是非を問いたいということでしょうか? 重要・重要じゃない戦区とは実戦の有無ですか? 仮に重要じゃない航空部隊、空母戦隊っていうのが存在したとして、そこの指揮官を経験してから「重要なところの指揮官」についた場合に、重要じゃないところの指揮官経験が果たして役に立つのでしょうか? たとえば重要じゃない空母戦隊で雷爆兵装転換を2度続けて行うなんて経験はする んでしょうか。 後段のパイロット経験云々もますますわからなくなりますが、これは「現場を知 る」っていう意味で持ち出されているのでしょうか。「現場経験」と「指揮官経 験」のどちらの有無について問われているのでしょう? <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1)@241.69.30.125.dy.iij4u.or.jp> |