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 ▼レイテ沖海戦の是非  田中 03/3/2(日) 22:11
   ┣陸軍と海軍の戦略構想の違い  アリエフ 03/3/3(月) 1:22
   ┣Re:レイテ沖海戦の是非  久那墨名 03/3/3(月) 11:09
   ┃  ┗Re:レイテ沖海戦の是非  BUN 03/3/4(火) 6:53
   ┣Re:レイテ沖海戦の是非  高村 駿明 03/3/4(火) 20:32
   ┣Re:レイテ沖海戦の是非  ぽぷら 03/3/4(火) 22:26
   ┃  ┣Re:レイテ沖海戦の是非  ロックマン 03/3/4(火) 23:06
   ┃  ┃  ┗Re:レイテ沖海戦の是非  とんび 03/3/6(木) 18:33
   ┃  ┃     ┗質問です  SUDO 03/3/7(金) 9:56
   ┃  ┃        ┣Re:質問です  ? 03/3/7(金) 12:38
   ┃  ┃        ┃  ┗Re:質問です  SUDO 03/3/7(金) 15:59
   ┃  ┃        ┗Re:質問です  薩摩 03/3/7(金) 16:15
   ┃  ┃           ┗Re:質問です  SUDO 03/3/7(金) 18:44
   ┃  ┃              ┗Re:質問です  高村 駿明 03/3/8(土) 1:24
   ┃  ┃                 ┗Re:質問です  SUDO 03/3/8(土) 6:14
   ┃  ┃                    ┗Re:質問です  高村 駿明 03/3/9(日) 12:43
   ┃  ┃                       ┣鍵は何処にあるのか  SUDO 03/3/9(日) 15:15
   ┃  ┃                       ┗Re:質問です  BUN 03/3/9(日) 18:41
   ┃  ┗Re:レイテ沖海戦の是非  BUN 03/3/7(金) 2:01
   ┃     ┣Re:レイテ沖海戦の是非  ぽぷら 03/3/7(金) 20:55
   ┃     ┣Re:レイテ沖海戦の是非  高村 駿明 03/3/8(土) 1:17
   ┃     ┗地上決戦場の変更  BUN 03/3/8(土) 9:56
   ┃        ┗Re:地上決戦場の変更  ぽぷら 03/3/8(土) 19:17
   ┃           ┗レイテ沖海戦と陸軍はほぼ無関係  BUN 03/3/8(土) 20:41
   ┃              ┗Re:レイテ沖海戦と陸軍はほぼ無関係  ぽぷら 03/3/9(日) 1:22
   ┃                 ┗重ねて説明です  BUN 03/3/9(日) 11:18
   ┃                    ┗Re:それはちがいます。  ぽぷら 03/3/10(月) 21:36
   ┃                       ┗Re:それはちがいます。  BUN 03/3/10(月) 23:19
   ┃                          ┗それもちがいます。  ぽぷら 03/3/11(火) 22:22
   ┃                             ┣はて?  まなかじ 03/3/11(火) 23:58
   ┃                             ┃  ┗Re:はて?  ぽぷら 03/3/14(金) 21:45
   ┃                             ┃     ┗Re:はて?  tackow 03/3/15(土) 1:57
   ┃                             ┃        ┗Re:はて?  ぽぷら 03/3/16(日) 20:13
   ┃                             ┃           ┣目的  tackow 03/3/17(月) 0:39
   ┃                             ┃           ┗なるほど  まなかじ 03/3/17(月) 15:53
   ┃                             ┃              ┗珊瑚海海戦  ぽぷら 03/3/17(月) 21:00
   ┃                             ┃                 ┗んん?  まなかじ 03/3/17(月) 22:05
   ┃                             ┃                    ┗これは失礼しました  ぽぷら 03/3/18(火) 22:42
   ┃                             ┃                       ┗Re:これは失礼しました  まなかじ 03/3/19(水) 22:46
   ┃                             ┗ひとつ質問してみたくなりました。  BUN 03/3/12(水) 7:10
   ┃                                ┗Re:ひとつ質問してみたくなりました。  ぽぷら 03/3/12(水) 22:34
   ┃                                   ┗Re:ひとつ質問してみたくなりました。  BUN 03/3/12(水) 23:24
   ┃                                      ┗そろそろケンカ‥まだ続けます?  ぽぷら 03/3/14(金) 21:33
   ┃                                         ┣ルソン決戦構想とレイテ湾突入の関係は?  内巻き 03/3/14(金) 23:39
   ┃                                         ┃  ┗Re:ルソン決戦構想とレイテ湾突入の関係は?  BUN 03/3/15(土) 1:26
   ┃                                         ┃     ┗Re:ルソン決戦構想とレイテ湾突入の関係は?  内巻き 03/3/15(土) 16:43
   ┃                                         ┃        ┗Re:ルソン決戦構想とレイテ湾突入の関係は?  BUN 03/3/17(月) 0:06
   ┃                                         ┗せめて週末は図書館へ・・  BUN 03/3/14(金) 23:52
   ┃                                            ┗図書館も行ってますが‥  ぽぷら 03/3/16(日) 20:07
   ┃                                               ┗読んでいらっしゃるならば・・  BUN 03/3/16(日) 23:28
   ┃                                                  ┗Re:読んでいらっしゃるならば・・  ぽぷら 03/3/17(月) 20:45
   ┃                                                     ┗マッカーサーは無関係  BUN 03/3/17(月) 23:35
   ┃                                                        ┗マッカーサーくんの思惑  ぽぷら 03/3/18(火) 22:33
   ┃                                                           ┗これはサービス  BUN 03/3/22(土) 0:30
   ┃                                                              ┗サービスになってませんよお  ぽぷら 03/3/22(土) 18:47
   ┃                                                                 ┣Re:サービスになってませんよお  田中 03/3/22(土) 21:14
   ┃                                                                 ┣っていうかね  SUDO 03/3/22(土) 21:29
   ┃                                                                 ┃  ┗むむむ?  ぽぷら 03/3/22(土) 23:20
   ┃                                                                 ┗Re:サービスになってませんよお  まなかじ 03/3/22(土) 23:07
   ┃                                                                    ┗これはですね‥  ぽぷら 03/3/23(日) 0:04
   ┃                                                                       ┣Re:これはですね‥  まなかじ 03/3/23(日) 1:13
   ┃                                                                       ┃  ┗Re:これはですね‥  ぽぷら 03/3/23(日) 20:13
   ┃                                                                       ┃     ┗Re:これはですね‥  まなかじ 03/3/23(日) 22:30
   ┃                                                                       ┗無理を感じます  BUN 03/3/23(日) 6:25
   ┃                                                                          ┣無理はありません。もう一度確認を‥  ぽぷら 03/3/23(日) 7:23
   ┃                                                                          ┃  ┗嘘はだめ  BUN 03/3/23(日) 8:56
   ┃                                                                          ┃     ┗いよいよケンカだ‥  ぽぷら 03/3/23(日) 18:39
   ┃                                                                          ┃        ┗Re:いよいよケンカだ‥  ヒロじー 03/3/23(日) 20:57
   ┃                                                                          ┗見方にずれを感じます  八兵衛 03/3/23(日) 12:55
   ┃                                                                             ┗ずれの正体  BUN 03/3/23(日) 14:30
   ┃                                                                                ┣つまりですね‥  ぽぷら 03/3/23(日) 19:08
   ┃                                                                                ┃  ┣ケンカはやめよう  田中 03/3/23(日) 20:29
   ┃                                                                                ┃  ┣やはり航空が決戦  まなかじ 03/3/23(日) 22:02
   ┃                                                                                ┃  ┃  ┗Re:やはり航空が決戦  ぽぷら 03/3/24(月) 20:22
   ┃                                                                                ┃  ┃     ┣Re:やはり航空が決戦  SUDO 03/3/24(月) 21:45
   ┃                                                                                ┃  ┃     ┃  ┗Re:やはり航空が決戦  ぽぷら 03/3/26(水) 21:31
   ┃                                                                                ┃  ┃     ┃     ┗Re:やはり航空が決戦  SUDO 03/3/26(水) 23:30
   ┃                                                                                ┃  ┃     ┃        ┗Re:やはり航空が決戦  ぽぷら 03/3/27(木) 0:17
   ┃                                                                                ┃  ┃     ┃           ┗Re:やはり航空が決戦  SUDO 03/3/27(木) 0:46
   ┃                                                                                ┃  ┃     ┣Re:やはり航空が決戦  無頼庵 03/3/24(月) 23:07
   ┃                                                                                ┃  ┃     ┃  ┗Re:やはり航空が決戦  ぽぷら 03/3/26(水) 21:39
   ┃                                                                                ┃  ┃     ┗目を向けて欲しいこと  BUN 03/3/25(火) 0:12
   ┃                                                                                ┃  ┗大丈夫ですか?  tackow 03/3/24(月) 8:59
   ┃                                                                                ┗Re:ずれの正体・了解致しました  八兵衛 03/3/23(日) 23:08
   ┣Re:レイテ沖海戦の是非  山家 03/3/7(金) 20:11
   ┗「艦隊保全主義」の真相  BUN 03/3/8(土) 22:58

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 ■題名 : レイテ沖海戦の是非
 ■名前 : 田中
 ■日付 : 03/3/2(日) 22:11
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   日本海軍が、艦隊保全主義に反して全海軍を投入して挑んだレイテ沖海戦。
栗田艦隊がレイテ湾に突入したらとかそういう話は置いておいて、
この作戦自体はどうでしょうか。
陸軍の主張どおり艦隊を温存すべきだったのか、
それとも史実どおり決戦を挑んで正解だったのか。
皆様はどうお考えになりますか?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 陸軍と海軍の戦略構想の違い  ■名前 : アリエフ <ZVK11677@nifty.ne.jp>  ■日付 : 03/3/3(月) 1:22  -------------------------------------------------------------------------
   19年半ばのサイパンの時点でこの戦争には勝ち目はないと判断した海軍首脳部は、内閣や枢密院の方とも連携して早期講和に動き出しています。艦隊決戦における部分的勝利で米軍に打撃を与え、早期に可能な限り有利な条件で講和しようという考え方ですが。
その一方で陸軍は本土決戦戦略を考えており、本土決戦に否定的な海軍とかなりの考え方の違いがあったわけです。陸軍がこのように考えたのは、じきに米ソ間の対立が発生する、米軍を引きつけ本土決戦で相当な打撃を与えると共に、ソ連と連携を組むことにより、米英に対し海軍の考えているやり方よりももっと有利な講和条件を引き出せるはずだ、と言うわけですが。
その後の結果論ではなく、当時、日本において得られた情報で以っていずれが適切な政策方針だったか、一概には論じられないと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:レイテ沖海戦の是非  ■名前 : 久那墨名  ■日付 : 03/3/3(月) 11:09  -------------------------------------------------------------------------
   戦略的な面ではどうだったのかを考えて見ますと、このレイテ沖海戦を語る上で忘れてはならないなものに台湾沖航空戦があります。サイパン陥落後、新たなる絶対国防圏を想定して捷号作戦を作戦を計画発動し、フィリピン、台湾において陸海軍が久しぶりに仲良く行動を共にした航空戦ですが結果は奇跡の大誤認、空母19隻、戦艦4隻、巡洋艦7隻を含む計45隻を撃沈撃破と結果を疑いながらも大本営は発表。敵の空母の大半を叩いたと判断した連合艦隊は一応のメドがたったからレイテ沖においての敵輸送船撃滅も可能かもしれない。としたところが悲劇の始まりだったのではないでしょうか。確かにこれが事実ならかろうじて勝てそうなものですが、先程の大本営発表といい、この作戦の「輸送船撃滅」なのかもしくは「残り敵艦隊の懺滅」なのかといい、情報伝達の不備を明確にしてから行うべき海戦だったと思います。ゆえにこれがはっきりしていればこの作戦自体、敵大多数の空母の存在のため、可能性薄い作戦だったと結論が導かれたと思います。
では戦術面で見てみますと(もちろん敵空母19隻が損傷・沈没しているという設定で)
日本の機動部隊はいまだ存在すると思われる何十隻の空母に対してわずか瑞鶴・千歳・千代田・瑞鳳の4隻の空母の上に航空戦艦伊勢・日向では泣けてきます。天城・葛城・準鷹などの正規空母もまだ残存していたわけですし弱小ながらも、もちっとましな機動部隊が組めたと思いますので、結果の出ない囮につぎ込むよりも、思い切ってサイゴンなどの航空機を廻してでも機動部隊を再建して台湾から沖縄辺りでもう一度決戦に持ち込んだほうが良かったと私は思います。特に無傷の正規空母瑞鶴の無駄死は勿体ない気がします。かといってそれでも積み込む航空機も搭乗員もなかったから囮として扱われたんじゃないかといわれればそれまでですけど。
それ以外の戦艦や巡洋艦も戦闘機の護衛が無い時期となってはもはや使い道が無く、ちびちび敵艦を減らす事もままならないので、本来海戦前に多くの首脳部が考えておりました広海域における一大艦隊決戦に何とか持ち込むか、さもなくばお家芸の夜戦しかなかたのかなぁと感じております。以上の事から確たる情報を得ている今でさえどんなに日本軍に良い方に考えても無謀ですので戦術的にも実際には尚更無謀だったのでしょう。以上、私なりの考えでした。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:レイテ沖海戦の是非  ■名前 : BUN  ■日付 : 03/3/4(火) 6:53  -------------------------------------------------------------------------
   台湾沖航空戦に着目するのは良い視点だと思います。
レイテ沖海戦はこの戦闘に付随して発生した支作戦のようなものだからです。
作戦としては台湾沖航空戦とそれに続いて実施された航空作戦が捷号作戦の本質であって軍艦の突入はそれを補助する支援作戦の位置にあり、もし仮に台湾沖航空戦後の航空戦力見積りが史実よりも大幅に低ければ果たして実施されたかどうか怪しいものでもあります。
米機動部隊の接近に際して捷号作戦用に用意された兵力と戦術で航空決戦を発動してしまった以上、航空作戦は継続される方向にあったと見て良いと思いますし、台湾沖の陣営は偶然の陸海軍協同ではなく、陸海軍の混成攻撃集団の編成を規定した19年8月4日の機密連合艦隊命令作第86号「捷号作戦航空戦準則」に沿った形での協同作戦を反映したもので、なおかつその戦術思想は前年に策定された陸上基地航空兵力を中心とした邀撃作戦であるZ作戦計画そのものです。
と言うことは、機動部隊はそれが健在であってもなくても作戦の中心に存在せず、まして水上部隊は航空攻撃の傘の下で敵侵攻部隊の泊地へ突入する以外の使い道は無いのです。捷号作戦ではその泊地攻撃も航空部隊が担うことになっていますので、水上部隊は事実上、無事突入できて輸送船団を叩ければそれに越したことはなく、もし敵空母を捕捉できるのであればそれに斬りかかっても構わない存在なのです。
レイテ沖海戦を軍艦の視点から眺めては全体を見誤るのではないでしょうか。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:レイテ沖海戦の是非  ■名前 : 高村 駿明 <c.ajiro@tgweb.net>  ■日付 : 03/3/4(火) 20:32  -------------------------------------------------------------------------
   > この作戦自体はどうでしょうか。
> 陸軍の主張どおり艦隊を温存すべきだったのか、
> それとも史実どおり決戦を挑んで正解だったのか。

 どうも、はじめまして。
 実際問題として、艦隊を温存できたものでしょうか。
 台湾沖航空戦の誤報により、陸軍はルソン島での決戦
方針を変更し、レイテ島に陸軍兵力を揚陸しての決戦を
挑む方針になっていたそうです。実際、レイテ沖海戦で
の日本艦隊の生き残りは、このレイテ向け輸送船団の
護衛に使用されています。
 また、栗田艦隊(第二艦隊)出撃前の20日の時点でも、
第十六戦隊(重巡青葉、軽巡鬼怒)、第十九駆逐隊(駆逐艦
浦波)は、ブルネイ寄港後、南西方面艦隊指令部の命令に
より、艦隊より分派して、マニラに回航命令が出ています。
これは陸軍作戦の支援のためです(第十六戦隊、第十九
駆逐隊は、栗田艦隊と合同作戦を行ったことがないから、
という意味もありますが)。
 以上のことから考えて、何らかの要因で、水上艦隊を
温存しようという方針が成立したと仮定しても、日本軍
の兵力の逐次投入癖から考えて、レイテ輸送船団護衛を
目的とした、艦艇の派遣を陸軍より要請されるのでは
ないでしょうか。そして、その護衛作戦で艦艇の多くを
失ったのではないかと考えられます。
 当時の陸海協調方針や、台湾沖の誤報が海軍の過失(陸軍
機も参加していますが)であることからも、この要請を拒否
することは難しいのではないかと思えます。

 なお、レイテ島への揚陸という作戦目的は、陸軍の当事者
である山下大将が反対していながらも、中央の圧力で強行
されたという経緯があるので、この点にイフを持ち込めば、
艦隊保全の可能性が生まれるかもしれません。
 しかし、ルソン決戦であれ、最終的にフィリピンが陥落
したことは疑いないと思います。そして、フィリピンが陥落
したなら、水上艦艇は無事でも、日本に帰国することは不可能
です。また、陥落したフィリピンとブルネイやリンガ泊地の
距離を考えても、「いつ出撃してくるかわからない」目障りな
日本艦隊を、米機動部隊が見逃すとは思えません(実際、
ハルゼーは、レイテ後に生き残った戦艦伊勢・日向を目の敵
にし、探し求めて撃沈しようとしています)。
 保全した艦隊は、ヘタをすれば、リンガ泊地に停泊している
ところを、空襲で一網打尽にされたのではないでしょうか。

 以上の理由から、当時の指導部が「水上艦隊の使用方法は、
泊地突入がベスト」と考えたのは、無理からぬことのように
思います。降伏すべき、という選択肢がないなら、ベスト
でないにしても、妥当な方針のように思いますよ(実際、
何らかの僥倖で水上部隊のレイテ突入が奇跡的に成功し
ても、米輸送船団はほぼ揚陸が終わっていたとのことで、
成功とは言い難いでしょうが)。

 しかし、レスを書いていて疑問に思ったのですが、台湾
沖航空戦で「敵空母19隻以下45隻撃沈破」したと思ったなら、
「敵主力に一撃を加えての講和」の条件を満たしている気が
しますね。台湾沖からレイテ侵攻まで時間がなさすぎて、講和
を模索する動きが表面化することがなかったのでしょうか。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:レイテ沖海戦の是非  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/4(火) 22:26  -------------------------------------------------------------------------
   米軍のフィリピン進攻に対し、大本営は当初ルソン決戦を構想していました。ルソン決戦なら台湾、沖縄からの航空支援も可能で、兵力、資材の集中も進められています。
ところが台湾沖海戦の誤報に振り回された陸軍があわててレイテを決戦場に選んだことからレイテ沖海戦が生起したと考えています。
捷号作戦自体は結局未達に終わったのではないでしょうか。この作戦には水上艦艇全てを失ってもよし、そこで戦争遂行における海軍の任務を終えよう、という終末的発想が根底にあります。
ところが栗田艦隊は米護衛空母群を追い回しただけで回頭してしまいました。結果的に支部隊の小沢機動部隊、西村艦隊を無意味に全滅させています。レイテ沖海戦は無駄だったと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:レイテ沖海戦の是非  ■名前 : ロックマン <sanukinnko@hotmail.com>  ■日付 : 03/3/4(火) 23:06  -------------------------------------------------------------------------
   >水上艦艇を温存した方がよかったか?

このことでムック本で「フィリピンという陸地を保持していても米潜水艦の攻撃で本土〜シンガポール間の輸送路がだんだん細っている状態ではレイテで消耗するよりも残った艦隊でシーレーン防衛をした方がよかった」という記事を読んだことがあります。
でもフィリピンを失えば自然と本土〜シンガポールの輸送は断ち切られることになりますから、フィリピン防衛に艦隊を投入したのは正解だと思います。

なおこの本には「極端に言えば戦艦に資源を積んで本土へ航行すればよかった」とも書いていましたが現実に伊勢、日向、大淀の格納庫にゴムやガソリンを積んで(「北号作戦でしたっけ?」)無事内地に到着していますね。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:レイテ沖海戦の是非  ■名前 : とんび  ■日付 : 03/3/6(木) 18:33  -------------------------------------------------------------------------
   > >水上艦艇を温存した方がよかったか?
>
> このことでムック本で「フィリピンという陸地を保持していても米潜水艦の攻撃で本土〜シンガポール間の輸送路がだんだん細っている状態ではレイテで消耗するよりも残った艦隊でシーレーン防衛をした方がよかった」という記事を読んだことがあります。
> でもフィリピンを失えば自然と本土〜シンガポールの輸送は断ち切られることになりますから、フィリピン防衛に艦隊を投入したのは正解だと思います。

そうですね。
だいたい「シーレーン防衛」などと言っても、実際は専門の護衛部隊でも、護衛艦も護衛空母もボコボコ沈められ、アメリカの潜水艦は我が物顔に行動していました。
そんな状態で、艦隊型の駆逐艦を投入したとて、わずかな爆雷をあてずっぽうに撒くだけ。さほど役には立たなかったでしょう。

> なおこの本には「極端に言えば戦艦に資源を積んで本土へ航行すればよかった」とも書いていましたが現実に伊勢、日向、大淀の格納庫にゴムやガソリンを積んで(「北号作戦でしたっけ?」)無事内地に到着していますね。

北号作戦ですが、戦艦に資源を積んで運んでも、燃費と搭載力を考えると、経済的にいかがなものかです。そういう評論をする本は、ちょっとどうかと思います。
戦艦が沈められなかったのは防御力のおかげではなく、単に運が良かったのと、護衛や哨戒に多大なコストをかけたためでしょう。
速力と護衛を増やしても、戦闘艦が輸送に適さないのは、ガダルカナルで理解していたと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 質問です  ■名前 : SUDO  ■日付 : 03/3/7(金) 9:56  -------------------------------------------------------------------------
   > そんな状態で、艦隊型の駆逐艦を投入したとて、わずかな爆雷をあてずっぽうに撒くだけ。さほど役には立たなかったでしょう。

 普通の海防艦と艦隊型駆逐艦では、後者の方が水測兵器も搭載爆雷数でも優位ですが、どのような状況を想定しているのでしょうか?

> 速力と護衛を増やしても、戦闘艦が輸送に適さないのは、ガダルカナルで理解していたと思います。

 ガダルカナル戦の何時、戦艦が輸送に従事しましたか?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:質問です  ■名前 : ?  ■日付 : 03/3/7(金) 12:38  -------------------------------------------------------------------------
   > > 速力と護衛を増やしても、戦闘艦が輸送に適さないのは、ガダルカナルで理解していたと思います。
>
>  ガダルカナル戦の何時、戦艦が輸送に従事しましたか?

戦闘艦と戦艦は、イコールじゃないですよ!

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:質問です  ■名前 : SUDO  ■日付 : 03/3/7(金) 15:59  -------------------------------------------------------------------------
   > >  ガダルカナル戦の何時、戦艦が輸送に従事しましたか?
>
> 戦闘艦と戦艦は、イコールじゃないですよ!

 おお、これは失礼(^^;;

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:質問です  ■名前 : 薩摩  ■日付 : 03/3/7(金) 16:15  -------------------------------------------------------------------------
   >  普通の海防艦と艦隊型駆逐艦では、後者の方が水測兵器も搭載爆雷数でも優位ですが、どのような状況を想定しているのでしょうか?

鵜来型海防艦で爆雷搭載数は120発、当時の艦隊型駆逐艦の爆雷搭載数は標準で
36(夕雲型、松型)〜60(橘型)発となっているので爆雷搭載数の点では海防
艦の方が優れていると思います。
水測兵装に関しても大井篤氏の著書「海上護衛戦」の中で水測教育で成績優秀な者がみな艦隊を希望して海防艦には優秀な人材が回ってこない、というような趣旨を
述べておられました。この事から考えた場合、一概に艦隊型駆逐艦が海防艦よりも
優位とは言えないと思うのですが…。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:質問です  ■名前 : SUDO  ■日付 : 03/3/7(金) 18:44  -------------------------------------------------------------------------
   > 鵜来型海防艦で爆雷搭載数は120発、当時の艦隊型駆逐艦の爆雷搭載数は標準で
> 36(夕雲型、松型)〜60(橘型)発となっているので爆雷搭載数の点では海防
> 艦の方が優れていると思います。

 元々爆雷は増載前提という兵器でしたので、戦前でも平時18戦時36が搭載標準だったのですが、改訂されて増載していました。
 この時期の駆逐艦の搭載定数は62です。
 そして海防艦で120搭載になったのは就役が始まりつつあった三式爆雷投射機搭載艦での話です。
 この時点で海防艦の平均搭載数は36〜48程度です。

> 水測兵装に関しても大井篤氏の著書「海上護衛戦」の中で水測教育で成績優秀な者がみな艦隊を希望して海防艦には優秀な人材が回ってこない、というような趣旨を
> 述べておられました。この事から考えた場合、一概に艦隊型駆逐艦が海防艦よりも
> 優位とは言えないと思うのですが…。

 つまり成績優秀な人員が艦隊に行ってしまうのですから、海防艦よりも艦隊の方が人員面でも優位であるのです。
 水中聴音機は駆逐艦で93式か4式が、海防艦等には93式が備えられていましたので駆逐艦が優位(まあ4式の数は殆どないのですが)
 探信儀は駆逐艦の場合二組備えるものもあり、駆逐艦で93式1型3型5型、3式1型が、海防艦では93式5型、3式2型が備えられましたが、駆逐艦装備型は海防艦装備型が持つモードも持っていたので機能面でも優位です。
 またマイクや発振装置の深さ、船体サイズの面でも駆逐艦は優位な上、ディーゼル発動機の振動と騒音も海防艦にはマイナスでした。

 海防艦は駆逐艦よりも性能面で勝るところは無かったのです。
 極論すると、三式爆雷投射機の装備と爆雷増載で、精度の低い攻撃をばら撒くしか出来ない存在だったのです(勿論これは暴論に近いのですが)

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:質問です  ■名前 : 高村 駿明 <c.ajiro@tgweb.net>  ■日付 : 03/3/8(土) 1:24  -------------------------------------------------------------------------
    横レス失礼致します。
 SUDOさまの仰られることは、大変勉強になりますし、興味深いの
ですが、その件でとんびさまが言われたいことは、

>艦隊型の駆逐艦を投入したとて、さほど役には立たなかったでしょう。

 ということだと思うのですが。
 空母を持たない水上艦隊を、海防艦に協力しての船団護衛や、レイテ
への陸軍増援の護衛に使用したほうが、輸送船団攻撃より効果があると
言われたいのでしょうか(違ったなら、申し訳ありませんが)。
 艦隊駆逐艦の対潜兵器や練度は、海防艦よりよかったのでしょうが、
実際、栗田艦隊は潜水艦に重巡を食われてますし、空襲には無力でした。
船団護衛に使っても、さほど役には立たなかったと思うのですが……。
 私などに思いもつかない、艦隊の使い方があるのかもしれませんが、
よろしければご教授頂ければ幸いです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:質問です  ■名前 : SUDO  ■日付 : 03/3/8(土) 6:14  -------------------------------------------------------------------------
   > >艦隊型の駆逐艦を投入したとて、さほど役には立たなかったでしょう。
>  ということだと思うのですが。

 だから、それがおかしいんではないですか?
 当時の稼動していた海防艦の総数を数えてください。駆逐艦が加わったら、失わずに済んだ船舶は確実に増えるんですよ。
 どうせ比島が落ちたら輸送ルートは途絶するんです。その僅かな残り時間で、どれだけの輸送船を流せるか、それを考えたら性能がどうのと言う以前の問題です。
 また強行輸送には戦闘艦しかつかえません。
 それこそ、そんな任務に輸送船を使うのは愚かであるとソロモン戦で明らかになってますね。
 既に洋上戦の主体は航空戦力なのですから、大した事が出来ない水上艦には、輸送船でも攻撃機でも出来ない彼らにしか出来ない仕事をさせるべきなのです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:質問です  ■名前 : 高村 駿明 <c.ajiro@tgweb.net>  ■日付 : 03/3/9(日) 12:43  -------------------------------------------------------------------------
   >  当時の稼動していた海防艦の総数を数えてください。駆逐艦が加わったら、
失わずに済んだ船舶は確実に増えるんですよ。

 レスありがとうございます。
 私の知る限りでは、見落としがあるかもしれませんが、昭和19年10月
に関連海域に存在した海防艦・護衛艦・船団は、

 ■ヒ-76船団(10月2日にシンガポールを出て、門司に向かう予定) 
  護衛空母「神鷹」  航空機:九七式艦攻11機
  海防艦「倉橋」「三宅」「満珠」「干珠」「第25号」「第28号」
  特設艦船「日栄丸」「良栄丸」「黒潮丸」「新東邦丸」
 
 ■タマ28船団(10月1日に高雄を出て、13日にマニラ到着)
  海防艦「大東」「屋代」、駆潜特務艇2隻、商船7隻

 ■モマ04船団(10月12日に上海を出て、26日マニラ到着)
  海防艦「占守」「沖縄」「第11号」「第13号」
  高速貨物船「高津丸」「金華丸」「能登丸」「香椎丸」

 ■ミ23船団(10月18日に門司を出て、ボルネオのミリに向かう)
  海防艦「第14号」「第20号」「第34号」「第39号」「第46号」、
  哨戒艇「第38号」「第102号」、特務工作艦「白砂」
  油槽船「江原丸」「松本丸」、商船「山園丸」「日勝丸」「弘心丸」
  「第2勇山丸」「永仁丸」「延暦丸」「宗像丸」「松栄丸」「栗栄」

 ■春風船団(10月20日にマニラを出て、高雄に向かう)
  駆逐艦「春風」(神風型)、「竹」(松型)、「呉竹」(若竹型)、
  給糧艦「鞍崎」、駆潜艇「第20号」、商船12隻

 合計:護衛空母1、駆逐艦3、海防艦17、その他7、船舶38隻

 これに加え、船団規模はリサーチできませんでしたが、護衛空母「海鷹」
も関連海域にはいたようですね。さらに、艦隊向けとしては、

○艦隊向け補給部隊(10月2日現在)
 ■在シンガポール(第二艦隊向け)
  第一海防隊  海防艦「千振」「第17号」「第19号」「第27号」、敷設艇「由利島」
  特務艦船   「雄鳳丸」「八絋丸」「厳島丸」「万栄丸」「日邦丸」「御室山丸」
  水雷艇「鵯」、特設駆潜艇「御津丸」、商船「旺洋丸」「羽後丸」「梅栄丸」

 ■在内地(第三艦隊向け)
  第一補給部隊 海防艦「第31号」「第43号」「第132号」、特務艦船「仁栄丸」
  第二補給部隊 海防艦「第22号」「第29号」「第33号」、特務艦船「たかね丸」
  駆逐艦「秋風」(峰風型)

 合計:駆逐艦1、海防艦10、その他3、船舶11隻 
 
 ですね。この内のすべてをレイテ増援に使えるとは思いませんが、
単純合計すると

 護衛空母2、駆逐艦4、海防艦27、その他10、船舶49隻

 そして、護衛として使えそうな水上艦隊の軽巡・駆逐艦は、
10月初旬から作戦転換できたと考えても、

 第二艦隊(栗田・西村):軽巡3、駆逐艦21(鬼怒、浦波、五月雨を含む)
 第三艦隊(小澤):軽巡3、駆逐艦10(冬月、涼月含む)
 第五艦隊(志摩):軽巡1、駆逐艦7(二十一駆逐隊含む)

 の合計軽巡7、駆逐艦38程度でしょうか。確かに仰る通り護衛
戦力は倍加しますが、果たして輸送船団は守れたものでしょうか。
 例えば、艦隊駆逐艦8隻で7隻の輸送船を護衛した、ビスマルク
海海戦の結果は、駆逐艦4、輸送船は全滅の被害を受けています。
 米陸軍機の空襲でこの結果ですから、護衛艦が史実より倍増して
も、空母17隻を有する第三十八機動部隊の空襲から、船団を護衛
できたとは、やはり思えません。
 護衛艦隊の一部は生き残り、商船は全滅という結果に終わる
のではないでしょうか。ある程度、艦隊の足手まといとならない、
20ノット程度を発揮できる高速貨物船は、「高津丸」「金華丸」「能登
丸」「香椎丸」だけですし、それをしても、大勢にほとんど影響はない、
というレベルではないでしょうか。
 かといって、米軍の事前予想通りに、「東京急行」をレイテに
行っても、重火器は運べませんから、大した戦力増にはならない
のでは? また、強行輸送艦隊が、米艦隊と遭遇すれば(当然待ち
かまえているでしょう)、電探や戦力差から考えて、ガ島戦ではなく、
西村艦隊と同じ結果になるのではないでしょうか(物資を積載して
いる分、突入作戦より戦闘力が落ちるだけかもしれません)。
 
 以上のことから、史実のようなレイテへの逆上陸作戦は、艦隊
駆逐艦を投入するなど、本腰を入れても成功するとは思えず、水
上部隊と貴重な商船を、無為に沈めただけなのではないでしょうか
残存正規空母の全てを投入して、航空護衛をすれば、敵はまず空母
を狙うでしょうから、一部ぐらいは成功するでしょうが(もう一つ、
ありますね。史実より早くルソン島に増援兵力を輸送する場合ですが、
米機動部隊が来襲していないなら、艦隊駆逐艦を投入しなくとも、
輸送作戦は行えるのではないかと。投入すれば、若干は被害が減る
でしょうが、分散した水上艦隊は、もはや他の作戦に転用できません
し、戦艦・重巡は遊兵化するのでは?)。

 高速水上艦艇を商船の護衛に付けても、低速の船団に縛られて、
オルモック湾の島風になるだけでしょうし、東京急行的な使い方を
しても、わずかな揚陸物資と引き替えに、やはり艦隊を壊滅させる
のではないかと。それならば、史実のように艦隊を上陸船団に突入
させ「成功すれば敵船団を壊滅」のほうが、まだ戦局挽回の確率が
あるのではないでしょうか。
 敵船団がレイテ揚陸を終えていたというのは、結果論であり、
2日ほど艦隊投入が早まる要因があれば、大きな被害を与える
可能性があったと思います。ごく低い確率で、ですが。

 また、史実では艦隊突入は失敗に終わりましたが、米機動部隊の
動向次第では、成功する可能性はあると思うのですが(ほとんど不可
能でしょうが、例えばフィリピンの航空部隊全力で、米護衛空母を
攻撃し、敵機動部隊は小澤艦隊で誘因、水上部隊は、海峡突破の必要
がなく、距離が短いミンダナオ島南方を迂回し、レイテ湾を目指す。
ミンドロ島の敵哨戒圏は、夜間に高速突破する、など)。
 このような作戦が史実で行えたかというと、まったく否だと思い
ますが、それを言うなら、スレッドの「艦隊保全方針」もイフ設定です
から、その点は大目に見てくだされば幸いです。

 また、航空兵力が何らかの要因で(台湾沖航空戦がなかったとか)、
史実よりあったとしても、船団に対する航空護衛がうまくいったケース
は少ないですし、素人の考えとしては、レイテ決戦のための、逆上陸
作戦は、BUNさまが書かれたような、理想的な作戦とはちょっと思えま
せん。レイテに敵航空基地が完成すれば、確かに不利でしょうが、航空
基地がなくても、米国には大機動部隊があるわけですし、大差なかった
と思うのですが。

 これが例えば、「台湾の航空兵力により、ルソン島の航空兵力を
支援しつつ、台湾(大陸)の陸上兵力をルソン増援に転用する。護衛
船団は、台湾・ルソン双方の航空兵力の援護の下に投入する。そして、
台湾の航空兵力の支援を受けながら、ルソン島で陸上決戦を行う」
というなら、わかるのですが……。
 水上艦隊を使うとすれば、増援船団空襲の確率を下げるために、
小澤・志摩艦隊を囮として使うとか、そういう形でしょうか。

 以上、浅学な素人の考えではありますが、議論を深めるきっかけと
なればと思い、投稿いたしました。お忙しいところ、誠に恐縮ですが、
ご指摘を頂ければ幸いです。それでは失礼致します。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 鍵は何処にあるのか  ■名前 : SUDO  ■日付 : 03/3/9(日) 15:15  -------------------------------------------------------------------------
   >  護衛空母2、駆逐艦4、海防艦27、その他10、船舶49隻
>  そして、護衛として使えそうな水上艦隊の軽巡・駆逐艦は、
> 10月初旬から作戦転換できたと考えても、
>  の合計軽巡7、駆逐艦38程度でしょうか。確かに仰る通り護衛
> 戦力は倍加しますが、果たして輸送船団は守れたものでしょうか。

 守りきれるはずは無いですよ。全然足りないんですから。
 ですが、生存輸送船が一隻でも増える可能性は其処にしかなかったのでは?
 それとも敵輸送船を撃沈すると日本の延命や比島の防衛が果たせるのですか?
 敵の輸送船・機動部隊を叩くのは航空機戦力の仕事です。
 日本軍水上艦は、航空決戦に成功した場合の追撃戦力でしかないのです。
 航空決戦に勝てるならば、敵船団なんぞ如何とでもなるでしょ?
 であるから、機動部隊を見つけたらそっちを叩くつもりで日本艦隊は出ているんですよね。つまり、どうでも良い戦力なんです。何か見つけたらそれを叩ければ良し、その程度の戦力として使われてるんです。

>  米陸軍機の空襲でこの結果ですから、護衛艦が史実より倍増して
> も、空母17隻を有する第三十八機動部隊の空襲から、船団を護衛
> できたとは、やはり思えません。

 ここに最大の問題点があるんです。
 問題を整理しましょう。
 敵機動部隊が出てきたら、何をどうやっても船団は守れません。
 であるなら、しなければならない事は敵機動部隊の撃滅です。これは敵輸送船を撃滅できても、自輸送船は守れないのであるというところにも注意して下さい。
 また日本船団が敵機動部隊の前に全滅する事が見えているように、米輸送船団も日本軍航空兵力に襲われたら撃滅されます。
 即ち比島防衛も、日本の通商ルートも、米軍の補給も、比島周辺の制空権で定まるものです。そしてこれに対して日本軍水上艦は何ら貢献できません。
 翻って輸送船団は潜水艦の脅威にも晒されています。これには水上艦の果たせる役割が残っています。
 また戦場近辺の前線輸送も同様です。
 重装備が運べなくても、弾薬や糧食や医薬品は運べます。

> のでは? また、強行輸送艦隊が、米艦隊と遭遇すれば(当然待ち
> かまえているでしょう)、電探や戦力差から考えて、ガ島戦ではなく、
> 西村艦隊と同じ結果になるのではないでしょうか(物資を積載して
> いる分、突入作戦より戦闘力が落ちるだけかもしれません)。

 西村艦隊に米軍が差し向けた戦力は何隻です? 戦艦6巡洋艦8駆逐艦28隻ですね。この規模の出撃を何回できるでしょうか?
 西村艦隊は戦艦2巡洋艦1駆逐艦4隻ですよ。日本側はこの規模の戦力を何セット出せるでしょうか?
 ハルゼーの第三艦隊にあったのは空母以外は戦艦6巡洋艦17駆逐艦64です。空母につける艦を別にしたら、スリガオ規模の出撃は1セットしか作れません。
 栗田艦隊は西村艦隊の倍以上の戦力があり、これに加えて志摩隊小沢隊に投入された艦艇も合わせると、日本軍の東京急行は、米軍が容易に阻止できると断言できるような代物ではなくなります。少なくともスリガオセットを何度も作れるモノでは無いのです。
 ましてや海峡突破を日本側が強行しなかったらスリガオシナリオは起こりません。わざわざ海峡を突破してレイテ湾まで輸送することも無いんじゃないでしょうかね?

> でしょうが、分散した水上艦隊は、もはや他の作戦に転用できません
> し、戦艦・重巡は遊兵化するのでは?)。

 それで良いのではないかと思いますが?
 使い道が無いのですから予備艦にしちゃって装備と人員を転用しても一向に構わないでしょう?何かそれに問題はあるのですか?

 敵輸送船団を全滅させる事が出来ても米軍はまた輸送船もって来るんです。それだけのことです。
 船団撃滅を更にもう一度する能力は日本軍水上艦には無いんです。航空戦力だけが、可能性を持っているのです。
 どこかで水上艦戦力は諦めるべき時が来る訳で、そして既にその『諦めるべき時』は過ぎていたんでは無いでしょうか?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:質問です  ■名前 : BUN  ■日付 : 03/3/9(日) 18:41  -------------------------------------------------------------------------
   >  また、航空兵力が何らかの要因で(台湾沖航空戦がなかったとか)、
> 史実よりあったとしても、船団に対する航空護衛がうまくいったケース
> は少ないですし、素人の考えとしては、レイテ決戦のための、逆上陸
> 作戦は、BUNさまが書かれたような、理想的な作戦とはちょっと思えま
> せん。

私が言いたいのは、捷一号作戦という大規模な戦闘が行われた背景には、その作戦立案にあたってそれなりに筋の通った論理なり見通しなりが存在すればこそあれだけの計画が建てられたのです。見通しが甘かったとか、実行が困難だったという批評は後日いくらでも加えられますが、我々がもし、本当に何が起こっていたのかを知ろうとするならば、実際にその時、その人達によって何が考えられていたのかを押さえる必要があるでしょう。
悲壮な決意云々といった戦記物語や講談調の語り口や、時系列を無視した憶測ではなく、その時採られた判断や打ち出された方針の背景には何があったのかを見るべきだと私は思っています。
実際に立案された捷号作戦が理想的な作戦だとは私も考えておりません。

>レイテに敵航空基地が完成すれば、確かに不利でしょうが、航空
> 基地がなくても、米国には大機動部隊があるわけですし、大差なかった
> と思うのですが。

これは想像以上に不利なのです。前進基地群と主力基地群、後方基地群が150浬から250浬の間隔を置いて存在することが当時の理想的な邀撃構想なのですが、そこには敵の空襲圏内に主基地群を置かずに済ますという目的があります。長期にわたる進攻軍邀撃作戦を維持する為には重要なことなのです。米機動部隊が存在するから同じ、と思ってしまいますが、実際にレイテの戦場で大量投入された陸軍の四式戦部隊はグラマンとはあまり戦っていません。戦闘の相手の大半は米陸軍機です(しかも誤認しにくいP38)。比島の制空権を取ったのは米陸軍機なのです。
本質的に脆弱で連続して戦闘できない航空母艦よりも陸上基地航空部隊のほうが脅威としては大きく、その進出を防ぐ事は重要な意味があります。レイテ進攻以後、一も二も無くレイテ決戦へと事態が進展して行く中にはそうした考え方が存在しています。もし、ルソン地上決戦を主体に戦闘が行われていたならば、比島内に必要な縦深がとれず、航空作戦そのものが成立しなかったでしょう。台湾から比島を支援することは不可能なのです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:レイテ沖海戦の是非  ■名前 : BUN  ■日付 : 03/3/7(金) 2:01  -------------------------------------------------------------------------
   > 米軍のフィリピン進攻に対し、大本営は当初ルソン決戦を構想していました。

してないのではないでしょうか。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:レイテ沖海戦の是非  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/7(金) 20:55  -------------------------------------------------------------------------
   台湾沖航空戦の結果が誤って伝えられた結果、レイテ進攻がマッカーサー軍の単独企図と信ぜられ、急遽ルソン決戦がレイテ決戦に切り替えられ(この是非をめぐり山下将軍が方面軍首脳と争っていますが)、俄か仕立ての第三十五軍が創設され、レイテ戦開始…という経過だと考えてますが。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:レイテ沖海戦の是非  ■名前 : 高村 駿明 <c.ajiro@tgweb.net>  ■日付 : 03/3/8(土) 1:17  -------------------------------------------------------------------------
   > > 米軍のフィリピン進攻に対し、大本営は当初ルソン決戦を構想していました。
>
> してないのではないでしょうか。

 横レス失礼します。
 昭和19年7月24日の「陸海軍爾後ノ作戦指導大綱」で、フィリピン方面に
おける地上決戦の方面は「北部比島付近とす」とされていたと、学研歴史
群像シリーズVol.9「レイテ沖海戦」62ページにあり、光人社NF文庫の
「レイテ沖海戦」(上巻)の87ページにも、「大本営陸軍部では、決戦を
北部フィリピンに求めていた。いわゆるルソン島決戦である。地上
決戦は北部比島に限定する〜」という趣旨の記述、また同文庫の「激闘
レイテ沖海戦」56ページでも、「寺内南方軍司令官の考え方は、ルソン、
ミンダナオの防衛に主力を置き、他の各島を軽視し、航空基地の整備
を重点にして、兵力は少なかった。地上戦闘への備えは、ルソン、
ミンダナオのほかはほとんど着手していなかった」とありますが、
これらは誤り、もしくは記述不足なのでしょうか。

 手持ちの資料にはルソン決戦→レイテ決戦に対する否定材料が
載っていないので、もしよろしければ根拠をお教えください。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 地上決戦場の変更  ■名前 : BUN  ■日付 : 03/3/8(土) 9:56  -------------------------------------------------------------------------
   19年夏の時点で比島決戦に対する陸軍部内の考えは二つあり、一つは敵にたとえ比島の一部であっても陸上航空基地を与えては作戦実施は極めて困難であるという判断から比島全域で陸海空の決戦を挑まなければならない、という海軍と同調した立体戦指向のもので、もう一つは敵の上陸地点判明後に海上輸送による兵力の機動は制空権が確保されない限り困難という考えに基く地上決戦ルソン限定論です。
この為に作戦計画は航空作戦において比島全域を対象にしたものである反面、地上決戦のみルソン島に限定したものになっています。
しかし、ここで間違えてはいけないのは捷号作戦は陸海軍とも比島全域での航空決戦を基本方針としていることで、地上戦はその次のフェイズとして二義的にとらえられている点です。比島陸軍兵力の負う重要な任務はまず航空決戦支援であって地上兵力による決戦ではないのです。ルソン、レイテ、ミンダナオ等、軍単位での会戦が行える戦場は存在しましたが、大規模な兵力を擁したのはルソン島のみで、しかもここでの「決戦」はあくまでも地上戦フェイズでの決戦に過ぎず、比島侵攻作戦を粉砕する目的がそれにより達成されるという性格のものではありません。比島地上決戦がルソン島に限定して計画されたのは捷号作戦において地上決戦の地位が低いからなのです。
陸海軍の捷号作戦に対する方針対立はむしろ航空兵力の運用にあり、上陸作戦前に米軍が実施するであろう機動部隊による航空撃滅戦からは避退して上陸船団に対してのみ集中攻撃を実施すべきとする陸軍側の主張と、あくまでも敵機動部隊の撃滅を指向する海軍側の主張との衝突と妥協が作戦方針に明快さを欠く要因となっています。これは攻撃目標の選択というよりもどのフェイズで航空兵力を集中投入するかという問題で、台湾沖航空戦の生起とそれに伴う諸問題の背景もこの辺りにあると考えられます。これに比べたら地上決戦がどこで戦われようが大した問題ではありません。航空決戦は必ず戦わなければならない文字通りの決戦であるのに対して地上決戦はそれが戦われるフェイズではもはや戦局は決定的な段階に達していて、しかも日本側がそれを実施できる戦場が限定されている以上、本来の決戦たりえないのです。
これは地上兵力だけではなく水上部隊についても言えることで、作戦計画の立案過程で水上部隊の活用法決定が遅れたのも同じような理由です。
台湾沖航空戦の結果からルソンからレイテに移行したのは「地上決戦」の戦場であって、これも敵侵攻に対して海上機動により反撃部隊を送り込むという既定の作戦計画が存在したからこそ行われたものです。レイテ島の戦闘に敵を長期拘束できればルソンの航空基地群を利用した航空決戦がより有利に実施できることからもこの変更は必要なものだったでしょう。沖縄や台湾からルソン戦を直接支援することは不可能ですが、航空基地が比較的充実していたルソンからレイテへ向けての進攻はむしろ既定の邀撃作戦構想に沿った理想的な邀撃体制でもあります。
全ての作戦は台湾沖航空戦後に投入できる航空兵力見積りが海軍側の試算で700機以上を数えていたからこそ実行され、艦隊もレイテ突入を試みたのです。航空兵力は再建困難な状態にあるとの認識があればレイテ海戦など起こりようもありません。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:地上決戦場の変更  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/8(土) 19:17  -------------------------------------------------------------------------
   レイテ沖海戦は、聯合艦隊がレイテ島に上陸した米軍の橋頭堡を破砕を目的として実施した艦隊行動の結果、生起したものであり、航空決戦の一部ではないと思います。台湾沖航空戦での日本側損害は大本営が認めているだけでも三百機以上に達しており、とても航空決戦を継続できるものではなかったはずです。
 また、台湾沖航空戦の戦果は、海軍がT攻撃部隊の参謀田中少佐を聯合艦隊司令部に呼んで再検討させており、空母2隻を損傷させた程度で、米軍には依然一千機以上の艦載機が健在であることを確認していました。海軍は戦果誤認を知っていたのです。ただ、この情報を体面を慮って陸軍へ伝えなかった(公表しなかった)ため、判断を誤った陸軍はレイテ決戦を実行に移し、レイテ沖海戦が生じたと考えます。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : レイテ沖海戦と陸軍はほぼ無関係  ■名前 : BUN  ■日付 : 03/3/8(土) 20:41  -------------------------------------------------------------------------
   > レイテ沖海戦は、聯合艦隊がレイテ島に上陸した米軍の橋頭堡を破砕を目的として実施した艦隊行動の結果、生起したものであり、航空決戦の一部ではないと思います。

7月21日に軍令部総長から連合艦隊司令長官に指示された大海指431号で定められた作戦要領では米進攻軍邀撃作戦は基地航空部隊を中心に実施されるものであり「機動部隊及び爾余の海上部隊」の作戦はそれに策応したものであることが述べられています。「爾余」の部隊との表現からもわかるように水上部隊の作戦はあくまで支作戦の位置にあります。捷号作戦は前年に定められたZ作戦計画を比島を初めとした各戦域に応用した航空主体の邀撃作戦なのです。

>日本側損害は大本営が認めているだけでも三百機以上に達しており、とても航空決戦を継続できるものではなかったはずです。

それは違います。
時系列的に見て行けば、
台湾沖航空戦の戦果に対する否定的な情報は15日の偵察報告から入り始め、15日の大規模追撃戦にもかかわらず16日に敵機動部隊の健在が伝えられるに至って戦果の再検討が開始されますが、翌17日の米軍レイテ方面来襲についての連合艦隊参謀長電もまだ台湾沖航空戦の戦果を完全否定する内容ではなくその戦果を楽観的に見た内容で発せられ、同日夕刻の捷一号作戦発令と「敵空母の損害は4隻撃破程度」との評価確定とはほぼ同時刻であること、そして翌18日の敵情判断にも前日の日吉司令部での戦果判定が反映されていないことから戦史叢書も台湾沖の戦果に対する楽観から抜け切れないまま捷一号作戦は発動されているとしていますので、総体的に海軍は台湾沖の戦果を完全否定できないまま捷一号作戦を発動していると見ることができます。
そして当時、軍令部では差当たり捷一号作戦に投入できる航空兵力は「実動」で743機と見積っているのです。実動700機以上の航空兵力は航空決戦用実施を妨げるようなものではなく、逆に促進する要因となります。当時の海軍に航空兵力が壊滅したという認識は無いのです。この航空兵力の傘の下に企画されたのがレイテ湾への突入作戦であり、それが失敗に終わった原因もまた捷一号作戦発令一週間後の艦隊突入に際して呼応できた航空兵力が見積りを下回り、加えて有効な出撃が行えなかったことにあります。
このように、台湾沖航空戦の真の戦果が陸軍に伝わる、伝わらないといった問題ではなくレイテ海戦までの経緯に陸軍側が関与する部分は極めて小さいのです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:レイテ沖海戦と陸軍はほぼ無関係  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/9(日) 1:22  -------------------------------------------------------------------------
   栗田艦隊の企図したレイテ湾突入は、レイテ島の米上陸軍、輸送船舶の破砕を目的としたものでした。これはレイテ決戦を決定した陸軍の方針に呼応したものです。陸軍が当初予定のルソン決戦からレイテ決戦へ方針を変えたのは台湾沖航空戦の戦果(誤報)をもって、米機動部隊の壊滅を信じたからでした。
栗田艦隊は敵機動部隊の健在を知りつつ、低下した基地航空隊の当てにならぬ戦力を頼みに悲壮な決意で出撃したのです。大西提督はサンボアンガに少なくとも百機はいると思った零戦の実数が二十数機に過ぎないのを知って愕然としています。
実際のところ、栗田艦隊は基地航空隊の援護をほとんど受けられませんでした。基地航空隊の攻撃したのはハルゼーの機動群のうち一番北にいたシャーマン隊だけで、この隊だけは空襲に伴う混乱のため、栗田艦隊への攻撃隊を発進させることができませんでした。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 重ねて説明です  ■名前 : BUN  ■日付 : 03/3/9(日) 11:18  -------------------------------------------------------------------------
   > 栗田艦隊の企図したレイテ湾突入は、レイテ島の米上陸軍、輸送船舶の破砕を目的としたものでした。これはレイテ決戦を決定した陸軍の方針に呼応したものです。

これも時系列に沿って説明しなければならないようですが、

スルアン島への上陸が開始されたのが17日。
捷一号作戦発令が17日。
栗田艦隊にブルネイ進出が命じられたのが17日。
栗田艦隊のサンベルナルジノ海峡経由進撃などが定められたのが18日。
栗田艦隊がリンガ泊地を出港したのは18日。
陸海軍のタンカー徴用問題をめぐる議論(陸軍の艦隊無用論との衝突)が18日。
大本営陸軍部=参謀本部が地上決戦をレイテに決定したのが18日。
決定により現地部隊へマニラからの兵力転用を命じたのが20日。
タンカー徴用問題の議論終結が20日合意、21日最高戦争指導会議にて決定。

議題にある「現存艦隊」の件も陸軍の意向に関わらず既に艦隊は出港していますし、作戦面で陸軍の意向がほぼ影響していない事が上記の数日の動きで理解できるでしょう。
レイテ沖海戦の艦隊突入計画そのものは台湾沖航空戦以前に立案されていたものですし、敵上陸地点への海上機動反撃作戦による地上兵力送り込みも既定のことです。
更に気になるのですが、レイテに地上決戦場を決定した後に三五軍が編成されたのでしょうか。それも違いますね。レイテ方面米軍進攻に対する既定の反撃計画、鈴二号作戦はセブの三五軍司令部が18日に発令しています。なぜでしょうか。

> 栗田艦隊は敵機動部隊の健在を知りつつ、低下した基地航空隊の当てにならぬ戦力を頼みに悲壮な決意で出撃したのです。大西提督はサンボアンガに少なくとも百機はいると思った零戦の実数が二十数機に過ぎないのを知って愕然としています。

別に不思議な事ではありません。捷一号作戦の主要航空兵力は在比島で米機動部隊と戦闘中の第一航空艦隊ではないからです。発令後に集中機動する第二航空艦隊その他の兵力が決戦兵力として見積もられているのです。前線の消耗状況について大西長官は覚悟しているはずです。栗田長官がもし航空兵力を当てにもならぬと考えているならば何故、基地航空隊の攻撃を要望するような電報をこともあろうに進撃途上で打つのでしょう。それは栗田艦隊の突入作戦が海空一体の作戦だからです。基本計画から言えば艦隊の突入をX日、その前日に望まれる航空総攻撃をY日として航空総攻撃の仕上げとして艦隊が泊地突入するというかなり健全な作戦計画なのです。栗田艦隊他の突入作戦は陸軍も含めた航空総攻撃に連動したもので、決して艦隊の単独突入計画ではありません。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:それはちがいます。  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/10(月) 21:36  -------------------------------------------------------------------------
   台湾沖航空戦以降、もはや航空決戦が行われることはありませんでした。それが不可能なほど航空戦力が低下していたからです。海軍が虎の子の機動部隊もふくめ、全滅を賭して可動戦力の大部を注ぎ込んだのがレイテ沖海戦であり、栗田艦隊突入はレイテの地上戦を有利に進めるためのものでした。
これは海軍最後の大作戦であり、またレイテ戦はガダルカナル戦以降、陸軍最後の決戦でもありました。以上の点から、捷一号作戦の本質は栗田艦隊の突入作戦であったと考えられます。小磯首相が「レイテは日米決戦の天王山」と称するに至ったのは、レイテ戦に対する当時の参謀本部および軍令部の意向を忠実に反映したものと思われます。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:それはちがいます。  ■名前 : BUN  ■日付 : 03/3/10(月) 23:19  -------------------------------------------------------------------------
   > 台湾沖航空戦以降、もはや航空決戦が行われることはありませんでした。それが不可能なほど航空戦力が低下していたからです。

全く違います。捷一号作戦発令後でさえ24日のY日=航空総攻撃日までに比島に進出可能な航空部隊は各部隊合計731機の予定です。そして機動部隊との戦闘が連日続けられる中、非常に困難な状況にありながらY日=航空総攻撃日に実際に出撃した航空部隊は海軍機だけで約250機にのぼります。さらに輸送船団攻撃を任務とする陸軍機が加わるのですからこれを航空決戦と呼ばずして何と呼ぶのでしょうか。消耗と機動集中の停滞に悩みながら実際に行われた攻撃ですらこの規模なのです。Y日の航空総攻撃こそがX日の水上部隊レイテ湾突入を保証するものだったことは作戦計画から疑う余地もありませんが、現実を眺めても計画に対してこれだけの実績が残されています。栗田艦隊が航空総攻撃の結果を繰り返し照会しているのはその為です。

>海軍が虎の子の機動部隊もふくめ、全滅を賭して可動戦力の大部を注ぎ込んだのがレイテ沖海戦であり、栗田艦隊突入はレイテの地上戦を有利に進めるためのものでした。

レイテ地上軍の本来の任務は航空戦支援です。主客転倒しているのではないでしょうか。

> これは海軍最後の大作戦であり、またレイテ戦はガダルカナル戦以降、陸軍最後の決戦でもありました。

ガダルカナルは陸軍にとって決戦ではありませんし、レイテ戦はむしろ対米戦における陸軍最初の決戦です。台湾沖航空戦も単なる独立した戦闘ではなく比島進攻前の航空撃滅戦であることは陸海軍とも明確に認識していましたし、それだからこそ台湾沖の戦果に対して比島進攻を食い止め得た、との評価が一時的に生まれたのです。台湾沖航空戦とレイテ沖海戦は言わば一体のものなのです。火蓋の切られた航空決戦が敵侵攻軍の上陸によって捷一号作戦発令となり、レイテに集約されてゆく過程が10月後半の海空戦の本質でしょう。
しかもレイテ沖海戦の後を受けて航空兵力の増強は続けられ、この後19年一杯、激戦は続くのです。レイテ沖海戦は比島航空決戦の序曲に過ぎません。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : それもちがいます。  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/11(火) 22:22  -------------------------------------------------------------------------
   当時の米軍のフィリピン攻略第一目標はルソン島でした。そしてルソン攻略の援護のためレイテ島に航空基地を設ける必用上、ミンダナオよりも先にレイテ進攻が開始されたのです。マッカーサーの幕僚部は常に次の攻略地点を援護できるところまで航空基地を進める作戦をとっていました。
そして陸軍側にも「レイテに飛行場を与えてはルソン決戦は成立しない」との見解があり、ルソン決戦からレイテ決戦へと方針を変える理由のひとつになっていました。レイテ沖海戦の重要さはまさにこの点にあります。
栗田艦隊のレイテ湾突入は米軍のフィリピン攻略を阻止せんとする陸軍に協調するものだったのです。捷一号作戦にあれほどの大艦隊を動員されたのは、艦隊決戦でも航空決戦でもなく島嶼の争奪戦の一部だったことを理解する必要があります。彼等の第一目標が機動部隊などではなく、輸送船団の撃破であったのは陸上作戦を優位に展開し、米上陸軍を撃破するためでした。そしてレイテ戦における多号作戦において日本輸送船団は十分な航空援護を受けることもほとんどありませんでした(第一師団輸送時を除く)。「比島航空決戦」は掛声だけに終わり、単なる消耗戦に終始しました。もはや組織的な攻撃をかけるだけの戦力を持たなかったのです。日本側に航空優勢がもたらされることが一度もなかったことがそれを証明しています。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : はて?  ■名前 : まなかじ  ■日付 : 03/3/11(火) 23:58  -------------------------------------------------------------------------
   まさにそれが「航空決戦」なのではないですか?
レイテに米軍航空基地を与えないことが鈴二号発動につながっているのですから、陸軍はあくまで制空権のためにレイテに動いているんですよね。
上陸軍撃破はあくまで「目標」であって、「目的」は制空権の確保或いはその伯仲化にあったはずです。
米軍としてもまず制空権を確保せんが為にルソンやミンダナオを置いてレイテにまず上がっているわけですから、フィリピン戦の勝敗の要は航空にあるという認識を双方ともに持っていたわけですね。
レイテに上がった米軍はつまりそこに航空基地を造るためにこそ上陸していて、それに成功したわけです。

また、結果は単なる消耗戦という見方もできますが、それが第1ラウンドでレイテを敵手に渡してしまった劣勢を顧ずに航空決戦を強行しつつある経過と見ることはできないでしょうか。
決戦には敗者があり、この場合の敗者は日本軍です。

あまりいい喩えではないかもしれませんが、高校野球の決勝戦で打力守備力ともに格上のチームと当たって、初回にいきなり8点取られて、選手はそれなりによく頑張りましたがベンチが思っていたような戦いができずにずるずると15対3で負けてしまいました。
しかし、このチームはいいところがまるでなかったからといって、決勝戦を戦わなかったということになるのでしょうか。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:はて?  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/14(金) 21:45  -------------------------------------------------------------------------
   言葉が足りなかったのですが、米軍の最終目的はルソン島、続いてフィリピン全土の地上軍による制圧でした。つまり航空戦は地上戦の援護のための補助作戦に過ぎません。当時行われていたのはフィリピン争奪戦であって、航空撃滅戦ではないことに注意してはいかがでしょう。たとえ航空戦、艦隊戦に勝利しても地上軍の進出を許せば失敗です。地上戦も大事なのだと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:はて?  ■名前 : tackow <ikku@rb3.so-net.ne.jp>  ■日付 : 03/3/15(土) 1:57  -------------------------------------------------------------------------
    大本営陸軍部戦争指導班の「日誌」10月30日分では「レイテ島方面に於ける彼我航空兵力は目下略々伯仲しあり、今後に於ける航空戦力の推移如何が決戦の運命を決定す」とありますねえ。
 ぽぷらさんがどう思われようと勝手ですが、当時の陸軍こそ、航空兵力が今後の比島戦の趨勢を決定する。と考えていたのです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:はて?  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/16(日) 20:13  -------------------------------------------------------------------------
   無論、航空戦は地上戦に決定的影響を与えます。しかし最終目的はあくまで地上戦援護であることにかわりはありません。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 目的  ■名前 : tackow  ■日付 : 03/3/17(月) 0:39  -------------------------------------------------------------------------
   当時、我が軍で考えられていた「決戦」はどういったものを指すのか、再度確認することをお勧めします。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : なるほど  ■名前 : まなかじ  ■日付 : 03/3/17(月) 15:53  -------------------------------------------------------------------------
   > 無論、航空戦は地上戦に決定的影響を与えます。しかし最終目的はあくまで地上戦援護であることにかわりはありません。

つまり、占領して相手に降伏文書にサインさせるのは歩兵にしかできないということですね。
それなら納得です。

しかし、それと捷号作戦の作戦目的とは少し違ってくるように思えます。

また、島嶼作戦ならなおのこと、防衛側が制空権と制海権を握った時点で敵地上軍が進出でき、味方守備軍と対等以上に戦闘を継続でき、状況によっては勝利して占領を維持できるという状況が想像し難いのですが、いったいどうやればそういうことが可能なのか、概略でよいので示していただけると有難いと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 珊瑚海海戦  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/17(月) 21:00  -------------------------------------------------------------------------
   このへんで珊瑚海海戦のことを思い出してみたいのですが、ご承知のとおり結果は日本側の優勢におわりました。にもかかわらず、日本軍は海路からするポートモレスビー攻略=地上軍進出を断念せざるを得ませんでした。局地戦には勝利したものの、戦略的には相打ちといってよいかと思います。
航空戦は確かに重要で、制空権を奪われた状態での地上戦勝利は通常ありえませんが、これは似ていなくも無い状態だったのではないでしょうか。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : んん?  ■名前 : まなかじ  ■日付 : 03/3/17(月) 22:05  -------------------------------------------------------------------------
   > このへんで珊瑚海海戦のことを思い出してみたいのですが、ご承知のとおり結果は日本側の優勢におわりました。にもかかわらず、日本軍は海路からするポートモレスビー攻略=地上軍進出を断念せざるを得ませんでした。局地戦には勝利したものの、戦略的には相打ちといってよいかと思います。
> 航空戦は確かに重要で、制空権を奪われた状態での地上戦勝利は通常ありえませんが、これは似ていなくも無い状態だったのではないでしょうか。

えーと、つまり
米濠軍側からすれば制空権はなくなってしまっていた。
にもかかわらず日本軍は撤退した。
故に制空権なくとも地上戦勝利があり得る。
という主張でしょうか?

モレスビー及びクックタウンの米濠軍基地航空隊約300機の制空権に対して、激減した五航戦の戦力では十一航艦の基地航空隊と協力するとしてもこれに対する航空撃滅戦は不可能で、上陸作戦はおぼつかないとして作戦は中止になったのだと思っていましたが。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : これは失礼しました  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/18(火) 22:42  -------------------------------------------------------------------------
   まなかじさんのご意見の方が正しいようですね!
話題はズレますが、日本軍が航空戦力の注入を続ければポートモレスビー攻略は可能だったように思うんですが、いかがでしょう。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:これは失礼しました  ■名前 : まなかじ  ■日付 : 03/3/19(水) 22:46  -------------------------------------------------------------------------
   > まなかじさんのご意見の方が正しいようですね!
> 話題はズレますが、日本軍が航空戦力の注入を続ければポートモレスビー攻略は可能だったように思うんですが、いかがでしょう。

たられば話は疲れます
航空戦力の注入を続けることができなかった理由を考えるほうがいいなぁ

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : ひとつ質問してみたくなりました。  ■名前 : BUN  ■日付 : 03/3/12(水) 7:10  -------------------------------------------------------------------------
   航空決戦とはどんな戦いだとお考えでしょうか。
そして、

海軍は台湾沖の真相を隠蔽した為に・・・は事態の推移とは無関係。
海軍は台湾沖の真の戦果を知っていた・・結論時には作戦が発動している。
レイテ地上決戦に移行したから艦隊突入・・これも時系列で矛盾が出る。
台湾沖で日本空軍壊滅・・・日本最大規模の航空戦がその後に続いている。

今までお話して来た以上の点についてどう思いますか?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ひとつ質問してみたくなりました。  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/12(水) 22:34  -------------------------------------------------------------------------
   昭和18年以降の米軍の作戦線は、太平洋上の離島伝いに進攻する海兵隊を伴ったニミッツの空母機動部隊と、ニューギニアの北岸沿いに西進する、護送空母を従えたマッカーサーの陸軍との二つの路線がありました。大本営では二つの路線の合致する点をフィリピン諸島であると、ほぼ正しく推測していました。その対抗策として構想されたのがフィリピンにおける反撃であり、レイテ沖海戦とレイテ決戦として実現することとなりました。主目的は陸海空の戦力を結集し、フィリピンを確保することです。言い換えると敵艦隊あるいは敵航空戦力を撃滅できなくとも、当該地を地上軍が確保していれば目標は達せられていたと考えられます。逆に当時の米軍にあてはめれば、レイテ島の航空基地確保はルソン地上戦を有利に進めるため必要なものでした。
航空戦は、元来、地上戦を有利に進めるための補助的なものであることを思いださなければなりません。航空戦の見地からレイテ沖海戦前後を検討するのは面白い着眼ですが、細部に拘泥しすぎると倒錯した結論が導かれるので注意する必要があります。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ひとつ質問してみたくなりました。  ■名前 : BUN  ■日付 : 03/3/12(水) 23:24  -------------------------------------------------------------------------
   全く当時の陸海軍と逆の発想のようですね。
御説のような方針を示した作戦計画は存在しません。
あれば提示されたし。

航空戦の結果は地上戦に反映しますが、それは航空戦の敗北がそのまま地上戦の敗北に繋がるという事で、航空戦敗北後に地上戦が勝利できるという事ではありません。主従の関係が転倒しているのです。太平洋の戦闘は航空基地の推進合戦であることは米軍がより早く、そして日本側が数ヶ月遅れて本格的に認識しています。航空基地群による邀撃帯構想であるZ作戦構想然り、海軍に遅れて現れた陸軍の航空要塞構想然りです。これらの構想の目的は敵地上軍の撃破ではなく敵進攻軍の撃滅なのです。その為に本当に攻め込まれてはならない生命線の外周を絶対国防圏として設定しているのであってその根拠地を単に維持することが目的ではありません。比島戦はその構想の延長線上で計画されています。

しかし、ある作戦の目的を論ずるのであれば市販書で読めるその作戦計画書等を読んでから始めても遅くは無いのではと私は思うのですが、如何でしょうか。何年何月に立てられたこの内容のこの計画はこういう経緯で策定され、こうした戦略に基くものだ、という反論であれば私も興味深く拝聴いたします。自分だけで考えるのはもうやめましょうよ。そしてもっと面白い話をしましょうよ。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : そろそろケンカ‥まだ続けます?  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/14(金) 21:33  -------------------------------------------------------------------------
   ニューギニア攻略以降の対日戦について、米側では3つの案を持っていました。一つは台湾上陸作戦、もう一つは日本本土の艦隊封鎖、そして3つめがフィリピン進攻作戦です。三案の取捨選択についてルーズヴェルト、ニミッツ、マッカーサーの三者会談が行われ、マッカーサーの主張が通ってフィリピン進攻が決定された経緯があります。ここで重要なのは、フィリピン進攻の目的がフィリピン奪回である点、すなわち地上軍によるフィリピン占領である点です。マッカーサーは「I shall return」の公約を守るため、レイテ、ルソン上陸に続き、戦略的にはさして重要でないミンダナオ島にまで四個師団を送って日本軍の掃討を行っています。
これに対すべき日本軍の目標は、敵上陸軍撃破でなければなりません。つまりは地上戦の勝敗が焦点です。
栗田艦隊のレイテ湾突入はレイテ地上戦に寄与するための行動であり、陸軍と密接な関連があります。レイテ沖海戦は地上戦の延長上に生じたと考えられます。島嶼争奪戦においては、海空戦の結果が地上戦に決定的な影響を与えるため、誤解を生じやすいのですが、フィリピン攻防においては海戦にせよ航空戦にせよ、地上戦における勝利を最終目的として行われたことに留意しなければなりません。
レイテ沖海戦が台湾沖航空戦の支作戦であるという見方に賛成できないのは以上の理由からです。

さーて、このツリーもそろそろケンカ状態ですネ。どぉしますかねぇ?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : ルソン決戦構想とレイテ湾突入の関係は?  ■名前 : 内巻き  ■日付 : 03/3/14(金) 23:39  -------------------------------------------------------------------------
   はじめまして。

実は私も素人として、海軍水上部隊のレイテ湾殴り込みは、陸軍のレイテ決戦に連動
したものと漠然と考えていました。しかしBUNさんの示された時系列などを見ると、
「ではルソン決戦構想時の海軍の作戦計画はどのようなものであったのか?」という
疑問が生じてきました。

陸軍の地上軍がどこで決戦するかにかかわらず、海軍は最初からレイテかミンダナオ
の米軍橋頭堡と沖に浮かぶ輸送船団に殴り込みをかけるつもりだったのか?

その場合、どのような成果を計算していたか? 

陸軍の増援が投入されなくとも、特攻と海軍と既存配備の陸軍だけで米上陸軍を撃退
可能と踏んでいたのか?

あるいは地上の決戦場ルソンへの米軍進出を少しでも送らせるための捨て石のつもり
だったか?

私には興味のある話です。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ルソン決戦構想とレイテ湾突入の関係は?  ■名前 : BUN  ■日付 : 03/3/15(土) 1:26  -------------------------------------------------------------------------
   > 「ではルソン決戦構想時の海軍の作戦計画はどのようなものであったのか?」という
> 疑問が生じてきました。

こちらこそ、はじめまして。
ルソン決戦構想というのは、地上軍の大規模な戦闘が準備できたのはルソン島だけ、という兵力上の問題なのです。陸軍としても比島全土に堅固な防衛体制を敷くことが理想だったのですが、兵力の不足から地上軍が本格的な防衛体制を固められるのはルソン島のみ、と判断された結果、地上決戦はルソンで(しか実施できない)という計画が消去法的に立案されたのであって、決戦の焦点がルソン島に置かれたという訳ではありません。ルソン地上決戦は当然、敵のルソン直行という可能性が考えられた為ですが、この場合も友軍航空兵力が壊滅した後に地上軍が単独で決戦を挑むような計画ではなく、ルソンの地上軍は敵上陸軍に対して大規模な邀撃戦を展開して「ルソンの主要航空基地を守る」ことにより陸海軍の航空決戦支援を達成することが大きな任務となっています。たとえばレイテの地上軍が飛行場周辺に配置されて攻防戦の初期に壊滅している事などは比島地上軍の性格をよく示しています。

基本的に捷号作戦は航空作戦とそれに連動した海上機動反撃作戦の両輪で成り立っています。比島の何処かに上陸するであろう敵侵攻軍への反撃は陸海軍の航空攻撃と予め海上機動反撃用として用意されていた地上兵力によって行われるもので、敵侵攻軍の上陸が何処に行われようと本質的な変更は予定されていません。
現実には大敗北に終わった作戦ですが、計画はこのような基本構想で成り立っています。

そこで面白いのは、史実の比島戦で実施されたイレギュラーな作戦が一般にイメージされているような台湾沖航空戦の敗北による訳ではなく事前に立案されていたオプションの一つだったことです。例えば小沢機動部隊からの母艦航空部隊の抽出は「捷号作戦基地航空部隊集中要領」中に母艦航空部隊を「基地航空兵力として使用の場合」との記載があり、更に「連合艦隊捷号作戦要領」では「母艦航空部隊は情況により特令を以って基地航空兵力として基地に展開、作戦に参加せしむることあり」とされています。そして注目すべきことには「情況により特令を以って飛行機を搭載せざる航空母艦を随伴せしめ、牽制機動せしむることあり」ともされているのです。多くの戦記読み物の中で台湾沖航空戦に起因する奇策と扱われがちな小沢機動部隊の運用も事前に計画されていた選択肢のひとつだったのです。これは史実の捷号作戦が場当たり的な発想で実施されてはいないという証拠でもあります。

またもう一つ重要な事は捷号作戦は純粋な航空作戦として実施される選択肢も存在していることで、「機動部隊捷号作戦要領」に「捷号作戦に於て基地航空部隊のみ発動せしめらるる場合、連合艦隊司令部より「基地航空部隊捷○号作戦発動」を下令さるる」との文言が存在します。これは大本営が捷号作戦の実施方面を決定した後は、陸海軍統合作戦である捷号作戦の発動が陸軍の判断を待たず、海軍のみの判断で実施できる事を示しています。この作戦の海軍優先、航空優先という性格の一端を示す規定だと思います。
それは置いても「捷号作戦に関する陸海軍中央協定」にあるように「捷号作戦」の本質は「敵の来攻に当りては両軍航空戦力を決戦要域に徹底的に集中し、かつこれを統合指揮して敵進攻兵力を捕捉撃滅」することにあるのですから、ルソンであってもレイテであっても作戦の本質的な内容は変らないのです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ルソン決戦構想とレイテ湾突入の関係は?  ■名前 : 内巻き  ■日付 : 03/3/15(土) 16:43  -------------------------------------------------------------------------
   こんにちは、詳細なご説明ありがとうございます。

私は一時資料をあたって事実を発掘する、という作業はなかなかできないので、
私の手元にある唯一のレイテ戦関連書籍「レイテ戦記」(大岡昇平)を、特に
航空作戦と地上戦の関連において再度拾い読みしてみました。おぼろげながら
理解した事は...

・在比日本軍随一(事実上唯一)の第一六師団のレイテ移駐は、まだサイパン
 が落ちる前、北豪方面の戦況悪化の中で決定された。しかし現地第一四軍の
 黒田司令官は空軍力で優勢を得ることは不可能として最初からルソン島で
 持久戦をやるつもりで移駐に反対だった。

・サイパンが失陥した後、レイテの第一六師団は陣地構築ではなく、飛行場設
 営を主にやっていた。(レイテ航空決戦の準備?)

・台湾沖航空戦の結果を受けて、陸軍はルソン地上決戦ではなくレイテ地上決
 戦を決意した。

・その結果、第一師団はもともとルソン島防衛の任に当たるはずが、船上にある
 最中に台湾沖航空戦が起き、決戦師団としてそのままレイテに行かされた。

・訓練と燃料の都合上、日本艦隊は空母部隊が瀬戸内海、水上部隊はリンガ泊地
 にいたが、合流する前にフィリピンにアメリカが来てしまったため、囮と殴り
 込みという変則的作戦しか取れなかった。

・もともと囮艦隊は志摩艦隊+伊勢・日向と小型空母の予定。小沢艦隊は敵機動
 部隊を攻撃する本隊であり、その隙に水上部隊は敵輸送船団を撃滅し、敵上陸
 を頓挫させる構想だった。

・しかし台湾沖航空戦で艦上機を失った結果、小沢部隊は伊勢・日向とともに囮
 として行動せざるを得なくなり、基地航空隊と水上部隊が攻撃力の中心となった。

 当初から陸海軍とも米上陸軍を水際で航空機と艦隊をもって撃滅する構想を抱
いていた、ということですね...その場合わからないのが陸軍のルソン決戦構想。
航空決戦に敗れた場合は地上戦以外に方策は無くなるのであるから、より多くの兵
力をフィリピン東部に貼り付けておいた方がよいのではないか、という疑問が沸き
ます。さらに仮に航空決戦で成果を挙げた場合でも敵を海に追い落とすには迅速な
地上軍の攻撃が必要でしょうから、一六師団だけでは足りなくないか、とも思います。
(これはどの島に敵が上陸しても、敵の航空・海上兵力の脅威を排除した後に他の島
にいる部隊を集中したらよい、と考えていたのでしょうか。)

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ルソン決戦構想とレイテ湾突入の関係は?  ■名前 : BUN  ■日付 : 03/3/17(月) 0:06  -------------------------------------------------------------------------
   >その場合わからないのが陸軍のルソン決戦構想。
> 航空決戦に敗れた場合は地上戦以外に方策は無くなるのであるから、より多くの兵
> 力をフィリピン東部に貼り付けておいた方がよいのではないか、という疑問が沸き
> ます。さらに仮に航空決戦で成果を挙げた場合でも敵を海に追い落とすには迅速な
> 地上軍の攻撃が必要でしょうから、一六師団だけでは足りなくないか、とも思います。
> (これはどの島に敵が上陸しても、敵の航空・海上兵力の脅威を排除した後に他の島
> にいる部隊を集中したらよい、と考えていたのでしょうか。)

捷号作戦の反撃兵力はそれだけではありません。
比島外からの増援計画によって史実のレイテ戦に投入されたような増援兵力が航空作戦と連動して反撃に当る予定なのです。現実には外堀を埋める形で周辺航空基地を奪取しながら進攻された為に米軍のルソン島上陸はそのまま航空決戦体制の崩壊に繋がり、航空兵力の比島撤退が即時決定されています。
その後に行われたルソン地上戦はもはや忘れられた戦いとなり、日米両軍にとって重要性を失っています。ルソン島だけを地上戦によって確保する事の意義はその程度のものでしかなかったのです。

つくづく思うのですが、比島を巡る戦いで基地航空部隊による比較的まとまった戦果が一度でも獲得できていれば、具体的には一回の攻勢でエセックス型空母3隻程度の撃沈戦果がもし現実に発生していたならば、もちろん戦局そのものへの影響は殆ど無いと想像できるのですが、戦記等によって作られる比島戦の一般的なイメージは随分と変っていたのではないでしょうか。比島戦について、悲壮な軍艦の物語と凄惨な地上戦の経験談だけではなく、その作戦の本質を比較的簡単に伝える機会がもしかしたら得られたのではないでしょうか。そう思えてしまう程、比島航空戦は大規模で長期にわたるにもかかわらず、目玉となる戦いを欠き、焦点をつかみ難く、地味で悲惨なのだと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : せめて週末は図書館へ・・  ■名前 : BUN  ■日付 : 03/3/14(金) 23:52  -------------------------------------------------------------------------
   喧嘩じゃありません。
何かを論証するのであれば、もう少し論拠となる文献なり記録なりが必要でしょう。
それを挙げずに自分の頭の中でだけで理屈を組み立てても何にもなりません。
ぼぷらさんのおっしゃるような事は今まで書いたように時系列的にも明確な矛盾があり、数値を挙げてその場で反証可能な程度のものです。反論があれば私が反証として挙げた事実について具体的に試みてくれれば、と思います。私が特異な主張をしている訳では無いことは、どこか大きな図書館へ出掛けて「戦史叢書の37巻、56巻 海軍捷号作戦はありますか?」と司書に聞けばすぐ解ることでしょう。捷号作戦の目的、構想がどんなものであったかについてはそれだけ具体的な当時の史料が残されているのです。それを何度も説明しなければならないのはいい加減苦痛ですけれども、もしこの件に本当に興味がおありならぜひ基礎資料を一読されることを期待します。楽しむ為の戦記読み物に欠けているものは沢山あります。戦記本に欠けていた記述や視点を自分で確かめて後、そこからもう一歩を踏み出す作業が面白いのです。じっくりやりましょう。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 図書館も行ってますが‥  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/16(日) 20:07  -------------------------------------------------------------------------
   それでは続けましょう。
戦史叢書も目は通してますが、他資料と付き合わせると矛盾も多く、全面的には信用できないと思っています。
>
> 海軍は台湾沖の真相を隠蔽した為に・・・は事態の推移とは無関係。
陸軍がレイテ決戦に方針転換したとき(昭和19年10月19日捷一号作戦発令、「軍の全兵力を挙げてレイテに上陸する敵を撃砕するに勉むべし」)米軍のレイテ上陸は既に始まっています(10月18日艦砲射撃)。時系列的な矛盾はないと思いますよ。

> 海軍は台湾沖の真の戦果を知っていた・・結論時には作戦が発動している。
それは事実の隠蔽を続けるためではないでしょうか。また17日に行われた戦果検討の結果が翌日になっても軍令部には届いていなかったという説があります。

> 台湾沖で日本空軍壊滅・・・日本最大規模の航空戦がその後に続いている。
レイテ沖海戦前の稼動実数が600機以上というのは部品不足や搭乗員錬度の低下を無視した大本営参謀の机上にあった数字に過ぎないのではないでしょうか。10月20日の米軍上陸日、在フィリピンの第一航空艦隊実働機はわずか26機でした。小沢機動部隊の搭載機は合計僅か108機でした。陸軍第四航空軍もホーランディアで壊滅的打撃をうけています。十分な航空機があれば大西中将の決定した神風特攻は無かったと思われます。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 読んでいらっしゃるならば・・  ■名前 : BUN  ■日付 : 03/3/16(日) 23:28  -------------------------------------------------------------------------
   > それでは続けましょう。
> 戦史叢書も目は通してますが、他資料と付き合わせると矛盾も多く、全面的には信用できないと思っています。

「他資料」とは何でしょうか。
ここでは公刊戦史一般の記述についてその精度を問うているのではなく、公刊戦史にも引用されている為に誰にでも比較的手軽に読める当時の作戦計画と命令書の事を言っているのです(読むのは結構大変ですけれど、原本も公開されています)。それら基礎となる史料が虚偽であるという主張であれば私にはかえって興味が湧きます。その論拠を挙げて頂きたく思います。

話は戻りますが、本当に御自身の発言通り、目を通しているのでしたらば、レイテ海戦後、10月31日の第四航空軍と第一連合基地航空部隊の残存兵力が600機弱もあり、しかも補充を受けつつあったことも御存知でしょう。機種別の保有機と当日の実動機数まで残っているのですがこれも虚偽なのでしょうか。日本側の航空兵力はレイテ海戦後も大損害にもかかわらず航空総攻撃を実施できるだけの機数を残しているのです。
また海戦直後の海軍部が予想した敵兵力見積りは正規空母3、巡洋艦改造空母3、特設空母10隻程度といったものですし、それ故に「捷号作戦今後の見通し」として前期(中南比島の制空権奪取期間)、後期(モロタイ島攻撃による敵進攻軍撃退)に分かれた各3ヵ月、6ヶ月間にわたる航空決戦による米進行軍撃退が予想されているのです。レイテ海戦は一方的な敗北とは評価されていない訳です。
海軍が台湾沖の真の戦果を隠蔽したと騒ぎ立てるよりも、そもそもこの作戦が海軍主導のものであって、他ならぬ海軍自身が航空攻撃の戦果について結論を得ていないという事実がその後の作戦指導に影響を及ぼしていると読むべきでしょう。台湾沖、レイテ沖と続いた航空攻撃の結果について海軍が完全に認識を改めるのは11月に入ってからです。

それから決戦の主体であると御主張のレイテの地上戦闘は、基本的に航空決戦の枠組みの中で戦われたものです。レイテにはルソン島防衛戦用機動反撃兵力として用意されていた第二六師団の他、第一師団他の増援が送られていますが、これら増援兵力と空挺部隊を中心に実施された反撃作戦「和号作戦」はレイテ島の飛行場群奪回を目的として、第二次レイテ航空総攻撃と連動するものです。その連動のスタイルはレイテ海戦と同じく、航空総攻撃を実施して一時的に制空権を奪回し、敵飛行場を占領するというものです。オルモック湾への米軍上陸によって頓挫したこの作戦がレイテ島での最後の組織的反撃作戦となるのですが、レイテ攻防戦のテーマが何であったかをよく示しているでしょう。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:読んでいらっしゃるならば・・  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/17(月) 20:45  -------------------------------------------------------------------------
   >
> 話は戻りますが、本当に御自身の発言通り、目を通しているのでしたらば、レイテ海戦後、10月31日の第四航空軍と第一連合基地航空部隊の残存兵力が600機弱もあり、しかも補充を受けつつあったことも御存知でしょう。
>
このあたり、公刊戦史が疑わしいと思うワケなんですが、それほど残存兵力があったならば、神風特攻など行われるはずもないし、多号作戦も順調に推移したのではないでしょうか。公刊戦史にある数字は多分参謀の帳簿上にあっただけで、部品不足や搭乗員錬度といった要素は入ってないと思うんですよ。

> それから決戦の主体であると御主張のレイテの地上戦闘は、基本的に航空決戦の枠組みの中で戦われたものです。

BUNさんとの見解が相違するのはこのへんだということがわかりましたネ。
わたしはマッカーサーの「Ishall return」(フィリピン奪回阻止)→地上決戦→航空基地争奪戦という順序であると考えています。繰り返しになりますが航空戦は、地上戦援護のために戦われた二義的なものだと思います。航空戦が地上戦に決定的影響を与えるのは無論で、そのために日米両軍が必死になったことに異論はありませんよ。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : マッカーサーは無関係  ■名前 : BUN  ■日付 : 03/3/17(月) 23:35  -------------------------------------------------------------------------
   > このあたり、公刊戦史が疑わしいと思うワケなんですが、それほど残存兵力があったならば、神風特攻など行われるはずもないし、多号作戦も順調に推移したのではないでしょうか。公刊戦史にある数字は多分参謀の帳簿上にあっただけで、部品不足や搭乗員錬度といった要素は入ってないと思うんですよ。

航空戦は連日続いていますが、この翌日に海軍航空隊が送り出した攻撃隊はクラーク、ニコルスから制空隊 零戦37 紫電11 特攻艦爆6 直掩零戦4 セブ発進の天山4、マバラカット、ニコルスからの爆装零戦2 クラークからの薄暮攻撃 銀河3 天山4ですから、合計99機の出撃があり、しかも同日空襲を受けたセブ基地では零戦13機が被害を受けている、という状況ですから、この規模の兵力を投入できる為の保有機総数はどれだけ必要か考えれば別に計算はおかしくないでしょう。神風特攻隊もこうした状況下で出撃しているのです。31日の実動機数から見れば実動零戦の7割が出撃していることになりますね。


> わたしはマッカーサーの「Ishall return」(フィリピン奪回阻止)→地上決戦→航空基地争奪戦という順序であると考えています。繰り返しになりますが航空戦は、地上戦援護のために戦われた二義的なものだと思います。

それは奇妙な理屈です。捷号作戦は比島だけを想定して立案されたものではありませんし、当然マッカーサーの思惑等とは無関係です。捷一号から捷四号までの捷号作戦計画は比島から北海道までの何処の方面に米進攻軍が来襲してもそれを邀撃するという計画なのですから、マッカーサーの比島奪回阻止といった地域限定の作戦目的を持ちません。捷号作戦という米進攻軍撃滅を目的とした計画が存在して、それが比島方面で発令されたに過ぎないのです。それから捷号作戦は「連合艦隊捷号作戦要領」にもある通り、基地航空部隊を中心として戦われる航空決戦主体の作戦だとされているのですからこればかりは否定しようがありません。その作戦が実際に発令されたという意味をもう一度考えてみては如何でしょうか。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : マッカーサーくんの思惑  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/18(火) 22:33  -------------------------------------------------------------------------
   >
> 別に計算はおかしくないでしょう。神風特攻隊もこうした状況下で出撃しているのです。31日の実動機数から見れば実動零戦の7割が出撃していることになりますね。
>
その辺、まさに疑わしいとおもうワケで、出動機は果たして有効な攻撃を実施できたのでしょうか。レイテ戦が終始、米軍の航空優勢下に戦われた理由はなんでしょう。

>マッカーサーの比島奪回阻止といった地域限定の作戦目的を持ちません。捷号作戦という米進攻軍撃滅を目的とした計画が存在して、それが比島方面で発令されたに過ぎないのです。

前にも書いたので繰り返しですが、昭和19年7月27日から三日間、ルーズヴェルトとマッカーサー、ニミッツの三者間でハワイ会談が行われ、マッカーサーの主張が通ってフィリピン進攻が決定しています。このとき台湾進攻案(捷二号作戦が対応する)も審議されていますが、のち廃案となりました。
そして米軍のフィリピン進攻が日本側にも明らかになった10月18日、梅津参謀総長と及川軍令部総長が列立で天皇に拝謁して捷一号作戦の裁可を申請し、10月19日零時の捷一号作戦発令となっています。
仰るとおり捷号作戦は複数存在しましたが、発令されたのは捷一号作戦であり、これはご承知のとおり比島方面の作戦です、レイテ戦に発するフィリピン争奪戦は捷一号作戦として戦われたはずです。
台湾沖航空戦は「捷一号、捷二号作戦発動」として基地航空部隊だけに発令されているので区別すべきだと思うんですがネ。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : これはサービス  ■名前 : BUN  ■日付 : 03/3/22(土) 0:30  -------------------------------------------------------------------------
   捷一号作戦指導要領案

第一 方針

南方軍は海軍と協同し比島方面に来攻する敵に対し決戦を遂行し敵を撃砕してその継戦企図を破砕す。

第二 指導要領

一.決戦は陸海軍航空部隊を以ってする攻撃を主体とし果敢執拗なる攻撃を反復して敵を撃滅す。航空作戦は全比島に対しこれを予期す。

二.地上決戦はこれをルソン地区に求む。中南部地区に敵来攻せば所在の地上兵力を以って我が航空決戦の遂行を容易ならしむ。

三.海軍は敵の来攻に当り機を見て敵艦隊に対し海上決戦を行う。海上決戦は全比島の周辺にこれを予期す。


19年8月22日
尚集団命令(尚集団=第三五軍 尚武集団=第十四方面軍のこと)

一.尚武集団は航空作戦必勝の為、航空戦備、特に主要飛行場の急速なる補修強化を企図し尚集団作戦地域内該任務を尚集団に担任せしめらる。

二.集団は万難を排し作戦地域内航空戦備、特に主要飛行場を9月中旬を目途とし急速に補修強化せんとす。

(第十一号計画 比島全域77箇所の飛行場整備 修正十一号戦備 66箇所に縮小し、至急分を9月中旬、急分を9月下旬、並分を10月以降補修強化 第三五軍担任地域飛行場整備目標35箇所)



19年9月29日 第十四方面軍司令官に対する参謀総長要望

今次比島決戦に於ける我が優位なる点は比島を中心とし南西諸島、台湾、中南支より南西方面に亘る有利なる航空基盤(航空基地のこと)に立脚せる我が航空戦力を徹底的に集中発揮して敵を洋上に於て撃滅するに勉むるは最大の戦勝方策たらずんばあらず。故に航空大部隊の迅速なる機動運用発揮に関し、現地航空部隊と一体となり万全を期せられ度。


19年10月11日

比島作戦計画大綱 比島作戦指導要綱 第十四軍司令部

一.兵力の重点をルソン地域に置き来攻する敵に対し該地域に於て決戦を求めこれを撃砕す。

二.中南部地域に於ては要部を極力確保して我が航空及び海軍の行動を容易ならしめ、かつ敵の空海基地の推進企図を挫折せしむ。

三.本作戦は我が空海軍と緊密なる協同に勉め、かつこれを支援す。


目が覚めました?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : サービスになってませんよお  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/22(土) 18:47  -------------------------------------------------------------------------
   要するに、捷一号作戦の主体が航空戦だとする従来の主張を敷衍したいのだと推察します。航空戦の重要性はおっしゃるとおりですが、かねがね説明したとおり、航空戦は地上決戦の援護たる位置を移ることはできません。捷一号作戦は「来攻する敵に対し決戦を遂行し敵を撃砕」することで、航空戦はその手段に過ぎないのです。これは作戦立案以前の大前提です。たとえ航空戦に勝利しても敵地上軍の進出を許せば捷一号作戦は失敗です。第14方面軍ではカリガラ平野で決戦を行い、タクロバン入城を果たすつもりでした。(これが最終目的)マッカーサーを捕虜としたときに西南太平洋方面軍全体の降伏を要求すべきかどうか、真面目に研究したといいます。手段と目的を取り違えないようにしましょう。
>
>
> 目が覚めました?
>
こういう言い方、止めません?泥仕合や喧嘩も大好きですが、Warbirdsはもう少し上品なサイトかと思いますんで。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:サービスになってませんよお  ■名前 : 田中  ■日付 : 03/3/22(土) 21:14  -------------------------------------------------------------------------
    質問者の田中です。

> 航空戦の重要性はおっしゃるとおりですが、かねがね説明したとおり、航空戦は地上決戦の援護たる位置を移ることはできません。捷一号作戦は「来攻する敵に対し決戦を遂行し敵を撃砕」することで、航空戦はその手段に過ぎないのです。これは作戦立案以前の大前提です。たとえ航空戦に勝利しても敵地上軍の進出を許せば捷一号作戦は失敗です。

 この意見、ある意味で正しいのかもしれないですけれど、少なくとも捷一号作戦には当てはまらないと思います。捷一号作戦指導要領案を読むに、少なくとも当時の日本が航空決戦を重視し、航空戦の勝敗こそがレイテ決戦の勝敗に直結すると考えていたとするほうが自然だと思います。制空権さえ奪えば侵攻軍を撃破することはたやすいことです。捷一号作戦指導要領案では陸戦のことには全然触れていませんし…。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : っていうかね  ■名前 : SUDO  ■日付 : 03/3/22(土) 21:29  -------------------------------------------------------------------------
   > > 目が覚めました?
> こういう言い方、止めません?泥仕合や喧嘩も大好きですが、Warbirdsはもう少し上品なサイトかと思いますんで。

 議論ボードは自己の言動に応じた分だけの対処が素直に帰ってくる場です。
 馬鹿な事を書けば馬鹿にされるし、根拠無しの盲信に対しては目を覚まそうねと書かれる。そういう非常に親切な場所でもあります(私はおかげで随分と助かり、また勉強させてもらってます)
 そういう言われ方をされるのは、そういう物言いをする人に、そういう事を言われるようなレスをするからです。
 殴ったら蹴り返されたと怒るのは、議論ボードの空気じゃないです。

 まずは自己の書き込みと、それに対するレスを客観的に見つめてみましょう。
 それこそ目を覚まして、別の方向から見てみようではないですか、それこそが議論ボードの良いところでしょう?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : むむむ?  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/22(土) 23:20  -------------------------------------------------------------------------
   基本的に賛成です。だからこそ、議論には議論で返してほしいワケです。このテの発言が発端となって、感情的な応酬と罵詈雑言の投付けあいに結果する例が過去ログには散見されますね。ですから無益な捨て台詞は止めにしましょうよ。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:サービスになってませんよお  ■名前 : まなかじ  ■日付 : 03/3/22(土) 23:07  -------------------------------------------------------------------------
   > たとえ航空戦に勝利しても敵地上軍の進出を許せば捷一号作戦は失敗です。

繰り返しになりますが、日本側が航空戦に勝利して後、米軍がリンガエンに上陸してくるという状況が、わたしにはどうしても想定できないのですが。
航空戦に勝てば制空権を取れ、制空権があれば艦隊が制海権を握り、そうすれば敵上陸部隊への補給が極めて困難になりますから、上陸作戦そのものが中止になるとしか思えないのです。
ぽぷらさんは、米軍がいったいどういう風な上陸作戦をやり、どういう風に第6軍と第8軍への補給をやるとお考えなのか、ものすごく興味があります。
制空権制海権がなければ、ガダルカナルで見るように一個軍団への補給も不可能です。
戦闘は度外視して、一個師団をただ生かしておくだけでやっとなのではないでしょうか。
しかも、補給に向かう各種輸送兵力の大消耗を許容した上での話です。
これをどのようにすればレイテとルソンに展開する二個軍、いや第6軍のルソン上陸第一陣だけでも19万1千という兵力を養えるものなのか、しかも第十四方面軍と正面決戦をしてそれを危機に陥らせることが可能なのか、わたしにはとてもできるとは思われませんが。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : これはですね‥  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/23(日) 0:04  -------------------------------------------------------------------------
   > > たとえ航空戦に勝利しても敵地上軍の進出を許せば捷一号作戦は失敗です。
>
> 繰り返しになりますが、日本側が航空戦に勝利して後、米軍がリンガエンに上陸してくるという状況が、わたしにはどうしても想定できないのですが。

誤解を招いて申訳ありませんが、これは極論です。おっしゃる通り、制空権のない状態での地上戦勝利は通常ありえません。ただ、航空戦の意義は地上戦援護にあるということを言いたかっただけです。陸上を確保するのは地上軍によってのみ可能です。
以下、駄レスですが、米軍の制空権下にあってなお、日本軍はレイテ戦開始後に三個師一旅をレイテ島に注入するのに成功しています。これはクルーガー中将にとっては失敗でした。また、朝鮮戦争、ベトナム戦争の例を思い出してみれば、制空権は勝利を得るための必要条件ではあっても十分条件ではないと考えられます。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:これはですね‥  ■名前 : まなかじ  ■日付 : 03/3/23(日) 1:13  -------------------------------------------------------------------------
   > 誤解を招いて申訳ありませんが、これは極論です。おっしゃる通り、制空権のない状態での地上戦勝利は通常ありえません。ただ、航空戦の意義は地上戦援護にあるということを言いたかっただけです。陸上を確保するのは地上軍によってのみ可能です。

これまでのレスを見ていると多少論理に矛盾が見られるような気がします。
ことは比島の争奪であり、両軍ともに本拠ではない島を巡っての戦いだとご自分で指摘しておられるではありませんか。
島嶼の争奪は、即ち島で戦う地上軍の戦いではなく、両軍の補給線を巡る海上戦こそが「決戦」となるのであり、海上戦を決するという意味で航空戦が勝敗を決する。

また、そこまで突き詰めてしまうならば、海戦の意義も地上戦援護にあることになり、砲兵も戦車も騎兵も工兵も、もちろん輜重も「確保」はできませんから、つまり全ての軍事的努力は歩兵の援護の為にあると言ってよいでしょう。
要するに、なにからなにまでが極論なので主張がとてもわかりにくくなっていると思いますし、またこのスレの本旨とも関係ないところにまではみ出ているように感じます。

> 以下、駄レスですが、米軍の制空権下にあってなお、日本軍はレイテ戦開始後に三個師一旅をレイテ島に注入するのに成功しています。これはクルーガー中将にとっては失敗でした。また、朝鮮戦争、ベトナム戦争の例を思い出してみれば、制空権は勝利を得るための必要条件ではあっても十分条件ではないと考えられます。

駄レスにマジレス失礼しますが、
近隣の島からの舟艇機動と遠征軍の輸送船団は同列には論じられません。
また、第一に朝鮮戦争もベトナム戦争も島嶼戦ではありませんし、第二にそれぞれ「聖域」が存在していたことにも着目すべきだと思われます。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:これはですね‥  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/23(日) 20:13  -------------------------------------------------------------------------
   > また、そこまで突き詰めてしまうならば、海戦の意義も地上戦援護にあることになり、砲兵も戦車も騎兵も工兵も、もちろん輜重も「確保」はできませんから、つまり全ての軍事的努力は歩兵の援護の為にあると言ってよいでしょう。
>
基本的にそうなのだと考えています。現代に至ってもなお、最も脆弱なはずの歩兵が消滅しない理由は、要地「確保」のためだと思います。ただその時々の条件に応じてクローズアップされるのが、歩兵を推進すべき航空や機甲や砲兵や艦艇や補給など、種々変化するのではないかと思っています。「確保」が不必要な場合は空爆や砲撃だけで済ませてますよね。
>
> 近隣の島からの舟艇機動と遠征軍の輸送船団は同列には論じられません。
> また、第一に朝鮮戦争もベトナム戦争も島嶼戦ではありませんし、第二にそれぞれ「聖域」が存在していたことにも着目すべきだと思われます。

おっしゃるとおりだと思います。ただ、制空権が状況によって必ずしも決定的ではなくなることの証左として挙げてみたのですが。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:これはですね‥  ■名前 : まなかじ  ■日付 : 03/3/23(日) 22:30  -------------------------------------------------------------------------
   > > また、そこまで突き詰めてしまうならば、海戦の意義も地上戦援護にあることになり、砲兵も戦車も騎兵も工兵も、もちろん輜重も「確保」はできませんから、つまり全ての軍事的努力は歩兵の援護の為にあると言ってよいでしょう。
> >
> 基本的にそうなのだと考えています。現代に至ってもなお、最も脆弱なはずの歩兵が消滅しない理由は、要地「確保」のためだと思います。ただその時々の条件に応じてクローズアップされるのが、歩兵を推進すべき航空や機甲や砲兵や艦艇や補給など、種々変化するのではないかと思っています。「確保」が不必要な場合は空爆や砲撃だけで済ませてますよね。

その主張自体には特に異論はありません。
ひとつの見方として十分にあり得るし、間違ってもいないと思います。

わたしが問題にしているのは、それは極論であって、極論を説明するに極論を以ってすることによって、必要以上に話をややこしくしているのではないかということ、
また、(非常に極端ではあるけれども)それは一般論であって、レイテ沖海戦、というか捷一号作戦という各論を説明し切るには恐ろしく言葉足らずな上、他レスでも触れましたが、(自身で主張しておきながら)島嶼作戦における決戦というものに対しての説明としては不適切だと思われる点にあります。

> > 近隣の島からの舟艇機動と遠征軍の輸送船団は同列には論じられません。
> > また、第一に朝鮮戦争もベトナム戦争も島嶼戦ではありませんし、第二にそれぞれ「聖域」が存在していたことにも着目すべきだと思われます。
>
> おっしゃるとおりだと思います。ただ、制空権が状況によって必ずしも決定的ではなくなることの証左として挙げてみたのですが。

もともと駄レスとされていたのをあまり交ぜ返してみても詮無いかもしれませんが、ここでの話は島嶼戦であって、周辺海域の制海権が兵站線を確保できるか否かに直結し、制海権の確保は制空権を確保できるか否かに直結しているという点が重要なのです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 無理を感じます  ■名前 : BUN  ■日付 : 03/3/23(日) 6:25  -------------------------------------------------------------------------
   おや?最初は「台湾沖で日本の航空戦力は壊滅していたので航空戦そのものが無かった」という主張だったのではありませんか?「やっぱり航空戦力はそれなりにあった」と宗旨変えですか?

論旨を勝手に変えるのも変ですけれどもそもそも「航空戦の意義は地上戦援護」というドグマのみで全てを説明しようとするから読んだことも無い公刊戦史や現存する作戦関係文書まで否定しなければならなくなるのでしょう。先に挙げた捷一号作戦指導要領案が、決戦=航空決戦と明言してその他兵力による戦闘を地上決戦、海上決戦として航空作戦に従属する位置に置いていることや、第十四軍が十一号及び修正十一号戦備によって事実上飛行場設営軍だったことも「ドグマ」に固執する限り理解できないのでしょう。
大事なのはそれらの事実からもう一歩進んで、議題の捷号作戦下での海戦の意味を考えることではないかと思いますし、その為には足もとを固めなければなりません。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 無理はありません。もう一度確認を‥  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/23(日) 7:23  -------------------------------------------------------------------------
   > おや?最初は「台湾沖で日本の航空戦力は壊滅していたので航空戦そのものが無かった」という主張だったのではありませんか?

「航空戦そのものが無かった」などと主張したことはありませんよ。今一度ご確認いただきたく。

> 読んだことも無い公刊戦史や現存する作戦関係文書まで否定しなければならなくなるのでしょう。

何をもって「読んだことも無い」とおっしゃるのですか。失礼ですよん。

> 第十四軍が十一号及び修正十一号戦備によって事実上飛行場設営軍だったことも「ドグマ」に固執する限り理解できないのでしょう。

第十四軍の十一号作戦は昭和19年6月から7月までの2ヶ月に過ぎません。第十四軍はルソン島防衛の責任を持ち、後には第14方面軍に昇格し、隷下に創設された第三十五軍をもって中南部フィリピンの防衛も担当してレイテ決戦を戦うことになります。「事実上飛行場設営軍」だった時期はわずかですね。

・大事なのはそれらの事実からもう一歩進んで、議題の捷号作戦下での海戦の意味を考えることではないかと思いますし、その為には足もとを固めなければなりません。

これには賛成です。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 嘘はだめ  ■名前 : BUN  ■日付 : 03/3/23(日) 8:56  -------------------------------------------------------------------------
   > 何をもって「読んだことも無い」とおっしゃるのですか。失礼ですよん。

一つも引用されないことからバレていますね。

> 第十四軍の十一号作戦は昭和19年6月から7月までの2ヶ月に過ぎません。第十四軍はルソン島防衛の責任を持ち、後には第14方面軍に昇格し、隷下に創設された第三十五軍をもって中南部フィリピンの防衛も担当してレイテ決戦を戦うことになります。「事実上飛行場設営軍」だった時期はわずかですね。

これもその証拠です。何故か事実関係が故意なのか勘違いなのか知りませんが、奇妙かつ微妙に異なりますね。何か変な本でも片手に書いているのでしょう。
嘘は駄目です。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : いよいよケンカだ‥  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/23(日) 18:39  -------------------------------------------------------------------------
   > > 何をもって「読んだことも無い」とおっしゃるのですか。失礼ですよん。
>
> 一つも引用されないことからバレていますね。
これは奇妙な理屈です。では引用すればよい訳ですか?どこを引用すればよいのですか?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:いよいよケンカだ‥  ■名前 : ヒロじー <hirojy@jcom.home.ne.jp>  ■日付 : 03/3/23(日) 20:57  -------------------------------------------------------------------------
   > > > 何をもって「読んだことも無い」とおっしゃるのですか。失礼ですよん。
> >
> > 一つも引用されないことからバレていますね。
> これは奇妙な理屈です。では引用すればよい訳ですか?どこを引用すればよいのですか?

失礼ながら、ぽぷらさんの

>戦史叢書も目は通してますが、他資料と付き合わせると矛盾も多く、全面的には信用できないと思っています

という発言が原因でしょう。
このような発言を具体例無しにされては、懐疑的に見られるのもしかたがないかと思います。
戦史叢書のどの部分の記述がいかなる資料のどのような記述と矛盾し、いかなる根拠をもって戦史叢書は信用できず対比した資料の側が信用できるとの判断に至ったのか、具体的に説明なされれば、少なくとも嘘といわれることはなかったのではなかろうかと愚考します。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 見方にずれを感じます  ■名前 : 八兵衛  ■日付 : 03/3/23(日) 12:55  -------------------------------------------------------------------------
   航空援護なくして海上砲雷撃戦や補給活動は成り立たず、まして
や陸戦勝利(比島の確保・奪取)も成り立たない

これを”手順”として見るか、”優先順位”として見るかで、
「航空戦の意義は地上戦援護」
「決戦=航空決戦と明言して〜航空作戦に従属する位置」
といった一見正反対の解釈が生じるのではないでしょうか。
栗田艦隊の行動(目標は敵輸送船団か機動部隊か)に関する以前
の議論でも似たような論戦があったように記憶しております。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : ずれの正体  ■名前 : BUN  ■日付 : 03/3/23(日) 14:30  -------------------------------------------------------------------------
   > これを”手順”として見るか、”優先順位”として見るかで、
> 「航空戦の意義は地上戦援護」
> 「決戦=航空決戦と明言して〜航空作戦に従属する位置」
> といった一見正反対の解釈が生じるのではないでしょうか。

何が勝敗を決する戦闘となり得るのか、という当時の陸軍でさえ考えていた視点を持ち得るか、持ち得ないかの違いでしょう。
順番から言って最後に戦われるのが地上戦だから全ては地上戦勝利の為の戦闘、という大雑把な論法は、このような個別の作戦を論ずる場合、意味があるのでしょうか。
手順と優先順位の違いではなく、ドグマに引き摺られて「決戦」を変に定義してしまった為に袋小路に迷い込んでいるのでしょう。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : つまりですね‥  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/23(日) 19:08  -------------------------------------------------------------------------
   レイテ戦をフィリピンという島嶼の争奪戦として捉えることができず、「これは航空戦だ」と短絡的に矮小化してしまったのがいかにもヒコーキ好きヲタクらしく、可笑しくってしょうがないのですよ。
レイテ沖海戦は聯合艦隊可動艦艇の8割を投入し、その全滅をかけて行われた世界最大規模の海戦でしたし、陸軍は4個師1旅、計5万の大軍をレイテに注入し、マッカーサー率いる2軍団と決戦を行ったのです。
にもかかわらず、「レイテ沖海戦は陸軍とほぼ無関係」「マッカーサーは無関係」など珍説が次々登場、これは目を見張る喜劇であります。今後も目が離せませんね。(ややトーンが下品になってしまいました。)

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : ケンカはやめよう  ■名前 : 田中  ■日付 : 03/3/23(日) 20:29  -------------------------------------------------------------------------
   > にもかかわらず、「レイテ沖海戦は陸軍とほぼ無関係」「マッカーサーは無関係」など珍説が次々登場、これは目を見張る喜劇であります。今後も目が離せませんね。(ややトーンが下品になってしまいました。)

 要は海軍の「レイテ沖海戦」と陸軍のレイテ決戦に関係があるか、ということでしょう。レイテ沖海戦が陸軍のレイテ決戦に呼応して起きたものではないというのがBUN氏のご主張であり、私も同感です。連合艦隊としてはほとんど全海軍を投入しましたが、陸軍は本土決戦を企図して戦力を相当温存しています。そのへんからも温度差が感じられますね。
 また「マッカーサーは無関係」というのは、捷号作戦がマッカーサーの侵攻企図に対応するために作られたものではない、ということです。捷号作戦は一号から四号まであり、北は北海道までの作戦計画です。日本側としてはフィリピンに侵攻してくる可能性が高いと読みつつも、断定はできていません。すなわち、捷号作戦とマッカーサーは、当初の計画においては無関係ということです。

 皆さんが熱心に興味深い意見をお出しくださりましたことには、この場を借りてお礼申し上げます。どうか、低レベルな言い争いはやめて、楽しく「論戦」しましょう。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : やはり航空が決戦  ■名前 : まなかじ  ■日付 : 03/3/23(日) 22:02  -------------------------------------------------------------------------
   > レイテ戦をフィリピンという島嶼の争奪戦として捉えることができず、「これは航空戦だ」と短絡的に矮小化してしまったのがいかにもヒコーキ好きヲタクらしく、可笑しくってしょうがないのですよ。
> レイテ沖海戦は聯合艦隊可動艦艇の8割を投入し、その全滅をかけて行われた世界最大規模の海戦でしたし、陸軍は4個師1旅、計5万の大軍をレイテに注入し、マッカーサー率いる2軍団と決戦を行ったのです。
> にもかかわらず、「レイテ沖海戦は陸軍とほぼ無関係」「マッカーサーは無関係」など珍説が次々登場、これは目を見張る喜劇であります。今後も目が離せませんね。(ややトーンが下品になってしまいました。)

よくわかりません。
フィリピンという島嶼の争奪戦だからこそ、航空戦が「決戦」になるのです。
とにかく、捷一号作戦という場面においての決戦、即ち勝敗を決する戦は航空戦です。

レイテ沖海戦での水上部隊は航空決戦に呼応して出動しているのであり、レイテ上陸船団を叩くか敵機動部隊を叩いて、味方に航空優勢を与えるために戦っています。
第三十五軍は米軍に飛行場を与えないためにレイテで戦っています。
対する米軍は、高速攻撃空母群は味方航空優勢を確実とするべく、有力空母部隊と思われた小沢艦隊をエンガノ岬沖に迎撃し、飛行場確保を任務とするレイテ上陸部隊を守るためにスリガオ海峡に西村艦隊を迎撃しています。
そもそも、主目的たるルソンを置いてまずレイテに上がるということ自体が第5空軍の足場を確保してルソンおよび周辺海域の制空権を奪取するという作戦目標が優先されているわけですね。

全ての作戦行動は航空戦での勝利を前提にし、それを達成条件として策定されています。
航空戦で勝てばフィリピンは守れるのです。
これが航空戦でなくて何だというのでしょうか。

・・・というのがわたしも含め、大方の参加者の意見だと思われます。

ぽぷらさんの主張によるならば、勝敗が「最終的に決着する」のは第十四方面軍が潰滅して第6軍がマニラに入城した時点となるのでしょう。
確かに、守備軍が降伏するか玉砕するかするまでは、その作戦の「決着」はついていません。
しかし、その前に「勝敗」は既に決してしまっています。
決戦という用語は、どちらにも勝つ可能性があり、しかし少なくともその一方に関してはその戦いに敗れればあとは無くなるという場面に用いるものだと思います。
大辞林によれば、『けっせん 【決戦】勝敗を決める重大な戦い。』とあります。
例えば、ベルリン攻防戦や大阪夏の陣は決戦とは言えないのです。

いかに規模が大きくとも、ルソン上陸以後の作戦はつまるところ「孤島」に孤立している日本軍を排除するという残敵掃討戦に過ぎません。
第十四方面軍は完璧な包囲に陥っているのと同じ状態です。海という天然の包囲網に。
主決戦正面でもなければ重要戦区でもなくなります。
いかに地上兵力をなお30万近く残しているとはいえ、第十四方面軍に状況を逆転する力はなく、もちろん連合艦隊にフィリピンまでの血路を開き、そこに輸送船を往来させる力などあるはずもないのですから。

更に言えば、フィリピン戦はレイテが決戦場であり、それはつまりレイテの飛行場をどちらが持っているかが全比島作戦の勝敗を決するという意味において「決戦」なわけです。
両軍の地上軍の作戦、艦隊の作戦、航空作戦、全ての努力はレイテの飛行場を渡すか渡さないか、奪えるか奪えないかに集約されています。
言い方を変えれば、レイテ島という島を争奪していたのではありません。
そこにある飛行場を争奪していたのです。

航空が決戦であるとの主張はこの事実に基づきますし、また戦っている当事者もその認識に立っていることも明らかです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:やはり航空が決戦  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/24(月) 20:22  -------------------------------------------------------------------------
   みなさんの包囲攻撃にあって壊滅寸前のぽぷらです。
最後の反撃を…
>
> レイテ沖海戦での水上部隊は航空決戦に呼応して出動しているのであり、レイテ上陸船団を叩くか敵機動部隊を叩いて、味方に航空優勢を与えるために戦っています。

栗田艦隊のレイテ突入は米軍橋頭堡、輸送船舶の破砕であって、これは地上軍直協ではないでしょうか。
航空戦を行う航空機は基地がなければ行動できませんし、その争奪戦をおこなっていたのは地上部隊ですが。(この辺、トリとタマゴの関係ですね)

> 言い方を変えれば、レイテ島という島を争奪していたのではありません。
> そこにある飛行場を争奪していたのです。
>
これにはやや、異論があります。米軍のフィリピン進攻は純軍事的に決定されたものではなく、政治的な顧慮がありました。すなわち「フィリピン解放」です。(これがマッカーサーのスローガンでした)。
飛行場争奪も無論ですが、フィリピン諸島自体の奪回、確保も同様に重要だったハズなのです。戦略的にさして重要でないミンダナオ島の掃討戦や、凄惨なマニラ攻囲戦は、これに対抗すべき日本軍が「フィリピン防衛」として行動した結果だと思います。航空戦だけで全てを説明するのも一つの見方でしょうが、地上軍が要地を確保する重要性を強調したいのです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:やはり航空が決戦  ■名前 : SUDO  ■日付 : 03/3/24(月) 21:45  -------------------------------------------------------------------------
   > 栗田艦隊のレイテ突入は米軍橋頭堡、輸送船舶の破砕であって、これは地上軍直協ではないでしょうか。
> 航空戦を行う航空機は基地がなければ行動できませんし、その争奪戦をおこなっていたのは地上部隊ですが。(この辺、トリとタマゴの関係ですね)

 であるから栗田艦隊は、機動部隊と接触できるならそちらを叩く事も許されていた訳です。
 双方の地上軍は飛行場確保を目的としていますので、上陸船団・橋頭堡への攻撃は飛行場確保への支援とみてよいかと。

> これにはやや、異論があります。米軍のフィリピン進攻は純軍事的に決定されたものではなく、政治的な顧慮がありました。すなわち「フィリピン解放」です。(これがマッカーサーのスローガンでした)。

 そのフィリピン解放を果たすには、比島の制空権を米軍が握っていないと果たせません。
 まなかじさんが述べられたように、以降の戦闘は、一種の残敵掃討です。制空権獲得による兵站補給の優位を現実の成果に変換する作業に過ぎません。
 その作業の上手下手によって双方の地上戦闘によるスケジュールや損耗はそれなりの前後幅を持つでしょうが、結果として起こる事(例えばマニラ開城)は米側の政治的な意思の問題であり、これに日本側は何も寄与する事は無いのです。
 既にその状態では「終わってる」んです。

 要地の攻防は、日本側防衛兵力を攻略可能な兵力を米側が投入すればよいだけの事で、そしてそれは制空権をどちらが持っているのかで最終的に定まるものです。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:やはり航空が決戦  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/26(水) 21:31  -------------------------------------------------------------------------
   そろそろ玉砕のぽぷらです。いよいよ最後の突撃を…

>  双方の地上軍は飛行場確保を目的としていますので、上陸船団・橋頭堡への攻撃は飛行場確保への支援とみてよいかと。
>
飛行場確保はむろんですが、それだけではなく日本側には「敵上陸軍撃滅」がさらにその上位概念としてあるのではないでしょうか。
米軍からすれば、飛行場だけが欲しいならモロタイ島のような状況もありえるわけで、欲しかったのはレイテの航空基地だけでなく、レイテ島、ひいてはフィリピン諸島そのものであったことが重要だと思うのです。でなければ、掃討戦を行う理由がありません。制空権確保だけが目的ならフィリピン全体をラバウルやウェーキ島のような扱いにしてもかまわないし。(現にキング海軍作戦部長はそのような意見でした)。
ご一考願います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:やはり航空が決戦  ■名前 : SUDO  ■日付 : 03/3/26(水) 23:30  -------------------------------------------------------------------------
   > 飛行場確保はむろんですが、それだけではなく日本側には「敵上陸軍撃滅」がさらにその上位概念としてあるのではないでしょうか。

 それは主客逆転でしょう。
 地上戦が飛行場の奪い合いである以上、敵地上軍の撃滅は飛行場確保の為の手段です。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:やはり航空が決戦  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/27(木) 0:17  -------------------------------------------------------------------------
   > > 飛行場確保はむろんですが、それだけではなく日本側には「敵上陸軍撃滅」がさらにその上位概念としてあるのではないでしょうか。
>
>  それは主客逆転でしょう。
>  地上戦が飛行場の奪い合いである以上、敵地上軍の撃滅は飛行場確保の為の手段です。

そろそろ問題の核心に迫りつつあるようです。
私としては、地上戦はレイテ島自体の争奪を目的として行われ、飛行場確保はそのための手段で、二義的であると考えています。単に飛行場確保→制空権奪取が目的なら地上軍上陸は必須ではなく、ハルゼーの機動部隊艦載機による航空撃滅戦で十分可能だったでしょう。これはラバウル、ウエーキ島等で既に経験された事態だったと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:やはり航空が決戦  ■名前 : SUDO  ■日付 : 03/3/27(木) 0:46  -------------------------------------------------------------------------
   > 私としては、地上戦はレイテ島自体の争奪を目的として行われ、飛行場確保はそのための手段で、二義的であると考えています。単に飛行場確保→制空権奪取が目的なら地上軍上陸は必須ではなく、ハルゼーの機動部隊艦載機による航空撃滅戦で十分可能だったでしょう。これはラバウル、ウエーキ島等で既に経験された事態だったと思います。

 そうです。飛行場を確保しなくても一時的な航空優勢ならば機動部隊によって果たせます。
 ただしそれでは恒久的な物にはなりませんし、機動部隊がレイテに貼り付けになってしまいます。
 勿論日本軍としてはソレは歓迎です。頑張って討ち果たせばよく、実際にそういう局面もあったわけです。
 また比島の飛行場を得ないと南シナ海の日本軍通商ルートに米空軍が襲撃できません。勿論、それも日本軍は歓迎です。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:やはり航空が決戦  ■名前 : 無頼庵  ■日付 : 03/3/24(月) 23:07  -------------------------------------------------------------------------
   > みなさんの包囲攻撃にあって壊滅寸前のぽぷらです。
> 最後の反撃を…


戦史にはドシロウトなんで、今までの諸氏のやりとりで勉強していたのですが・・。

みんな、ぽぷらさんを攻撃してないと思いますよ。

ぽぷらさんの御意見は、興味深く、拝読させて頂きました。

ただ、BUNさんが提示した論拠が、現時点で一番「生資料」に近く、
ぽぷらさんは、意見の論拠となる具体的資料を一切提示してないので、
みんなは、信用しづらいだけだと思います。

>米軍のフィリピン進攻は純軍事的に決定されたものではなく、
>政治的な顧慮があり
>ました。すなわち「フィリピン解放」です。
>(これがマッカーサーのスローガンでした

噂話レベルで、「マッカーサー家の人脈」「マッカーサー家の家系」
「マッカーサー家のフィリピンにおける権益」等について、触れた事があります。

おそらく、ぽぷら氏のおっしゃりたい事と一致すると一致すると思いますが、

申し訳ないですが、これらの件について、
ショボい事に、私は出典の明らかな資料を知りません。
つまり私の持ってる情報はデマです。

デマを元に議論するのは井戸端会議になると思います。

もしぽぷらさんが、上記情報について、出典を御存じなら、
御教示お願いできますでしょうか?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:やはり航空が決戦  ■名前 : ぽぷら  ■日付 : 03/3/26(水) 21:39  -------------------------------------------------------------------------
   モリソン「海戦史」
フィールド「レイテ湾の日本艦隊」
大岡昇平「レイテ戦記」
など、いかがでしょう。

ただ、無頼庵さんの例示されたような、ふかぁい話は出てませんでしたので、あまり役にたたないかも。すみません。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 目を向けて欲しいこと  ■名前 : BUN  ■日付 : 03/3/25(火) 0:12  -------------------------------------------------------------------------
   各論への反論は置いておくとして、
私はぽぷらさんのおっしゃる「地上戦は重要だ」との主張は十分に理解できますけれどもその命題だけで作戦全体の解釈にまで広げる事は無理だと思っています。地上戦も重要な要素ですし海戦も重要な要素なのですけれども、一つの史実としてそれらは捷号作戦で最重要と見られてはいないという事を解って貰えればと思います。また、ぽぷらさんにその存在すら疑われている航空決戦が実際にかなりの規模で長期間実施され、米軍側にも圧力を与え続けていたという事実にも目を向けてくれればとも思います。
それらの事実があることを認めた上で、ではその背景にはどんな人々のどんな考え方がどのように作用していたのかを文献で調べれば良いのです。時を追って事実関係がどのように動いたのかを先入観無しに眺めるのがまず最初に必要な事ではないでしょうか。
「全ては地上戦の為にある」といった命題は戦争に関するあらゆる事象を説明する為には少々無理があります。これは真理と言うよりは言わばひとつの思想、或いは「姿勢」「心意気」のようなものでさえあります。
そんな事を済ませた上で、捷号作戦を離れて戦争一般について話しながら「やはり最後は地上戦なんですよ」と机を叩くなら、私も「それは確かにそうでしょう」と頷くと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 大丈夫ですか?  ■名前 : tackow  ■日付 : 03/3/24(月) 8:59  -------------------------------------------------------------------------
   http://www.warbirds.jp/BBS/c-board/c-board.cgi?cmd=one;no=3247;id=

にも書いてありますが、陸軍は「連合艦隊(遊撃部隊)は比島まで来るな」と考えていたんですよ。お判りですか?

繰り返しになりますが、理由は
1.本土への燃料還送が不如意になる。
2.艦隊への掩護が必要になり、攻撃用の航空兵力が減少する。
3.比島での陸軍航空燃料が足りなくなる
4.比島での決戦は航空戦が主であり、艦隊が関与する余地は少ない
5.艦隊を温存していた方が敵艦隊への威嚇になる。

という辺りですが、これらは当時の陸軍の主張です。つまり、連合艦隊の出撃は陸軍とはほぼ無関係です。

そうじゃない「陸軍は艦隊の支援を熱望していた」というのであれば、その根拠を示してください。

マッカーサーと捷号作戦が無関係なのは以下に書かれている通りです。

http://www.warbirds.jp/BBS/c-board/c-board.cgi?cmd=one;no=3336;id=

他人の書き込みを、オタクだの珍論だのと罵倒する前に、しっかり理解してから議論なり反論なりする事をお勧めします。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ずれの正体・了解致しました  ■名前 : 八兵衛  ■日付 : 03/3/23(日) 23:08  -------------------------------------------------------------------------
   > 何が勝敗を決する戦闘となり得るのか、という当時の陸軍でさえ考えていた視点を持ち
>得るか、持ち得ないかの違いでしょう。
> 順番から言って最後に戦われるのが地上戦だから全ては地上戦勝利の為の戦闘、という>大雑把な論法は、このような個別の作戦を論ずる場合、意味があるのでしょうか。
> 手順と優先順位の違いではなく、ドグマに引き摺られて「決戦」を変に定義してしまっ>た為に袋小路に迷い込んでいるのでしょう。

確かに陸上戦が順序の最後に来るからといって、前段にあるもの全てこれが為の援護作戦とは言えませんね。
現実問題として航空優勢の獲得(この場合飛行場の確保及び敵機動部隊の撃破)が比島維持という目的の為の最初の、かつ最大の関門であるということは、ソロモン、ニューギニアでさすがに身にしみていたのでしょうか。
「サービス投稿」して頂いた当時の参謀の方達の文書を改めて読ませて頂きますと良くわかります。
”我が空海軍と緊密なる協同に勉め、かつこれを支援す。”といった文面あたりにも「とにかく飛行機で頑張らないと」といった意識が感じ取れるように思われます。

ところで「ドグマ」とはまた強烈な表現ですね。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:レイテ沖海戦の是非  ■名前 : 山家  ■日付 : 03/3/7(金) 20:11  -------------------------------------------------------------------------
    どこにつなぐか迷いましたが、ここにつなぐことにしました。

 究極的な意味においてですが、陸軍は本土決戦を行ってでも日本に有利な講和を結ぶ機会はある、と考えていたのに対し、海軍は資源補給が絶たれれば日本に有利な講和を結ぶ機会はない、と考えていたために、レイテ沖海戦は起こったのではないでしょうか。

 陸軍は、最終的には約200万人の本土防衛軍により、米軍を主力とする連合軍に大打撃を与え、それによってでも日本にとって有利な講和を結ぶつもりでした。

 一方、海軍は、南方資源地帯と日本との補給路が絶たれれば、日本は継戦能力を喪失し、日本に有利な講和を結ぶ機会はほぼ失われると考えていました。

 その考えの差が、レイテ沖海戦に表れたのではないでしょうか。陸軍の思考からすれば、フィリピンで決戦しても、日本に有利となるとは限らない、むしろ、日本本土に連合軍を引きつけ、それにより日本に有利な講和を結ぼう、と考えていました。その考えからすると、艦隊温存は当然の結論です。

 しかし、海軍からしてみれば、フィリピン喪失は、南方資源地帯と日本との補給路の完全切断につながります。その考えから、レイテ沖海戦が起こったのではないでしょうか。

 私としては、仮に艦隊を温存しても、燃料不足から艦隊が行動不能になりますから、史実どおりの行動で間違っていなかったと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 「艦隊保全主義」の真相  ■名前 : BUN  ■日付 : 03/3/8(土) 22:58  -------------------------------------------------------------------------
   > 日本海軍が、艦隊保全主義に反して全海軍を投入して挑んだレイテ沖海戦。

この陸軍が現存艦隊主義を海軍に主張したという話の実態は水上部隊の大規模作戦に伴うタンカーの配属問題が本来の焦点であって艦隊をどう運用するか、といった本質的な議論ではありません。海軍に艦隊を動かされては陸軍の活動が石油供給の面から圧迫されるので好ましくないという陸軍と、既定の作戦構想に従って乾坤一擲の作戦を実施しようとする海軍との論争なのです。最終的に陸軍側は海軍に説得される形をとりますが、こういう艦隊無用論に近い議論が生まれるのも捷一号作戦で艦隊の占める位置の軽さを反映していると言えるのでしょう。そんな位置付けにあった水上部隊の「レイテ沖海戦」は捷一号作戦そのものではないのです。

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