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昆虫と航空機
 じゃま  - 15/12/26(土) 17:48 -
  
零戦勉強中さん:

> しかし、慣性力と粘性力の比であるレイノルズ数(慣性力/粘性力)を考えると、昆虫の飛行ですら1000以上、航空機の世界では数十万から数百万のオーダーとなります。つまり、渦を消そうとする粘性力の作用は極めて小さいんです。

昆虫など持ち出してもしょうがないですよ。
レイノルズ数の使い方があまりよくない。

レイノルズ数とは、慣性と粘性との比によって、流れの相似性をたしかめる物差しのようなものです。
同じレイノルズ数なら、同じような流れ方をする。

零戦勉強中さんが書いていらっしゃるように、航空機のレイノルズ数は昆虫よりはるかに大きい。

昆虫を基準に航空機を論じても無意味だと思います。

飛行機に作用する粘性力の影響は極めて大きい。
飛行機の全抗力に対する粘性摩擦力の割合は60%内外ですよ。
粘性の影響があるから、翼の誘導抵抗が生じて問題になる。

> このため、ヘルムホルツの定理を含む非粘性流体の力学は近似式としてそう悪くないものになるんですね。

飛行機は高速で飛ぶし、船は浮かぶ水の粘性が大きいから、うまくいかないところがでてくるんですよ。

高速Uで飛ぶから、大気との剪断で生じる応力
 τ=μ∂U/∂x
は極めて大きい。

それで、ヘルムホルツの定理を厳密に適用するなら、成田を飛び立った飛行機の出発渦は、12時間後にJFKに着陸するまで、成田の滑走路に同じ角運動量で存在し続けるはずだが、実際にはそうではない。

> > それで、束縛渦と翼端渦と出発渦(後縁渦?)が、つながって、閉じた渦輪になるかどうか、これは現代でも意見が分かれていると思います。

> これは別に意見が分かれているという事実はありません。

そう書いている人もいるんですよ。
>
> 飛行機が動き出した直後には、停止していた位置に出発渦が残り、翼端渦と束縛渦(=飛行機の翼)につながっていますが、しだいに出発渦が減衰して消えていくというだけのことです。霧雨の振る日などに飛行機の離陸を見ていると、運がよければ出発渦をみることができますよ。

それはかなり怪しい。
翼端渦と出発渦は見分けがつかないから。
出発渦だと思っていても、翼端渦の可能性が大きい。

実機の翼端渦の写真はいくらでもあるが、出発渦の写真は、風洞の二次元翼がせいぜいです。

だいいち、ヘルムホルツの定理に従えば、翼端渦の境界条件は無限遠でもよい。
出発渦とつながって渦輪vortex ringにならなくてもいいのですよ。

> また、出発渦や機体の遥か後方での翼端渦の減衰も、粘性によって緩やかに減衰するというわけではなく、まず左右の翼端渦の干渉によって波状変形を起こし(Crowの不安定性と呼ばれています)、切りつなぎによって渦輪を形成したりなど、様々な形状に変形しながらより小さなスケールの渦になって行きます。冬場に飛行機雲を見ているとこのような変形過程が見られる時もあります。

翼端渦は、粘性によって急速に減衰します。
われわれの目に見える飛行機雲は、露点温度が下がったために見えるので、発生した水滴が、なかなか気化しないから、「緩やかに減衰する」ように錯覚するだけです。
目には見えていても、渦の角運動量は、遥か昔にゼロに近くなっているはずです。
これはスモークを使った風洞実験でも同じことです。

Crowの不安定は、航空機では、滅多に問題にはならない。
それほどアスペクト比の小さな翼は、飛行機にはあまり用いられないし、胴体のない場合でなければありえないから。

> 渦にはこれ以外にも、Kelvin-HelmHoltzの不安定性と呼ばれる現象により渦の表面上から細かな渦が発生するという変化も知られています。
> これらの現象により、翼端渦は次第に小さなスケールの渦へと分裂を繰り返し、それに伴って粘性の影響が増大し、消滅に至ります。

それは、渦のカスケード現象として、乱流を扱う人にはよく知られているところですね。

> しかし、一般には航空機周辺部ではほぼ非粘性流体の力学で扱える程度にはその影響は小さく、翼端渦も機体サイズの数十〜数百倍に渡って後方まで延びていますね。

翼端渦は、後方まで伸びているようにみえますが、後方での角運動量は非常に小さく、微小なトレーサーを動かす程度のエネルギーしか持っていない。

翼端渦は、自由渦であることに注意したいです。
中心からわずか離れたところで角速度最大になり、あとは粘性の影響でどんどん小さくなっていきます。

翼端渦が、それほど周囲に影響の大きいものなら、編隊飛行や編隊での離着陸など、できないはずです。
翼端が1m以下の編隊だってまれでは無い。

翼端渦はその飛行機自体に及ぼす以外の影響は、ほとんど考えられない。

ヘルムホルツの貢献は大きいが、「渦の不生不滅」というひじょうに大きな仮定を置いています。

本来、四次元の時空間で扱うべきところ、「時間」をネグっている。

非粘性流体で、渦を扱おうとすると、いろいろ無理が出てくるんですよ。

引用なし
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ヘルムホルツの定理の限界 じゃま 15/12/25(金) 7:55
┗ Re:ヘルムホルツの定理の限界 零戦勉強中 15/12/25(金) 19:32
┗ 昆虫と航空機 じゃま 15/12/26(土) 17:48
┗ それは違います 零戦勉強中 15/12/28(月) 13:57
┗ 昆虫のレイノルズ数について じゃま 15/12/29(火) 16:21
┗ Re:昆虫のレイノルズ数について 零戦勉強中 15/12/30(水) 0:21
┗ それでも昆虫 じゃま 15/12/30(水) 16:42
┗ やはりじゃまさんは流体力学を理解していませんね 零戦勉強中 15/12/31(木) 19:37
┗ 昆虫を持ち出したのが、敗因ですね。 じゃま 16/1/1(金) 11:39
┣ じゃま様 ご忠告 如風 16/1/1(金) 17:01
┃┗ 如風さんへ じゃま 16/1/2(土) 6:53
┗ やっぱり、全くわかっていない 零戦勉強中 16/1/2(土) 19:30
┗ そんなに怒らないでください じゃま 16/1/3(日) 16:11
┗ Re:そんなに怒らないでください 零戦勉強中 16/1/4(月) 17:30
┗ すげえなあ じゃま 16/1/5(火) 19:53
┣ Re:すげえなあ 雇われ管理人@力の2号 16/1/6(水) 0:53
┃┗ 雇われ管理人@力の2号様へ じゃま 16/1/6(水) 7:09
┃┗ まともな結論が出るとも思えません 雇われ管理人@力の2号 16/1/6(水) 11:37
┗ Re:すげえなあ 式守ど素人 16/1/6(水) 1:38
┗ そうでもないです じゃま 16/1/6(水) 6:33

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