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> アメリカは日本との戦争に踏み切るか、ためらったでしょうね。
> 対独との二正面作戦になるからです。
米政府はためらいません。
米政府は日本が本当に開戦に踏み切るとは思っていませんでしたが、戦争自体はするつもりで準備をしていたのです。ウェデマイヤーに命じて準備させた戦争計画は最初から日独伊三国を同時に相手にして戦うことを想定していましたし、米軍と英軍は1941年初頭にはすでに戦争計画について具体的な会談をしています。
1941年秋頃の米政府は中国からの参戦要請に対し「あと3か月で戦争の準備が整うからもう少し待て」というような返事をしています。
日本が戦争を仕掛けなければ、米側から戦争を仕掛けられていたことは疑いようがありません。そして、日本側から戦争を仕掛けるとしたら、1941年12月以外のタイミングは選択できないのは周知のとおりです。
だいたい、モンロー主義はあくまでも欧州のイザコザには関与しないという程度のことで、太平洋方面に関していえば米国は決して孤立主義なんかとってはいません。彼らは歴史的にずっと中国市場を睨みつづけています。
ハワイを謀略で併合したのも、スペインからフィリピンを奪ったのも、日露戦争で仲介役を買って出たのも、戦前の日本にビッグスリーを進出させたのも、日中戦争で中国寄りの態度をとりつづけたのもそのためです。
日本の真珠湾攻撃のせいで米国がモンロー主義を捨てたというのは的外れな指摘としか思えません。
モンロー主義は米国の国力を西に集中させるために東のことは無視するというものにすぎず、アジア地域を「解放」した以上、いつまでも西にだけ力を集中し東を放置する必要は無い。
真珠湾攻撃がなかったとしてもモンロー主義は役割を終え、必然的に放棄されたことでしょう。
> 目的は、日本が必要とする物資を確保することで、対米開戦することではない。
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> 山本五十六は、この政治問題を、アメリカ海軍との対決という軍事問題に
> 矮小化してしまったのですね。
政治問題の解決は政府・政治家・外交官の仕事であって軍人の仕事ではありません。軍人が問題解決に自らの専門分野で貢献しようとするのは当然のことです。ましてや5・15事件後の帝国海軍軍人に政治問題に関与しろというのは無理な要求です。
そして政府・政治家・外交官らは結果的に間違った(あるいは足りなかった)とはいえ、やるべきことはおおむねやっています。
国全体・軍全体の問題を山本五十六個人の問題に矮小化しているのはあなたではありませんか?
> アメリカの主力艦をいくらか沈めても、大勢には何の影響もない。
> アメリカは、新しく戦艦を造るでしょう。
初戦で主力艦隊を撃破して米国を屈服させるなんてことはもちろん夢物語です。そんな夢物語を真面目に吹聴していたのは山本五十六だけです。
真珠湾攻撃で重要だったのは、初手で米主力艦隊の作戦能力を奪うことで日本が南方進出の時間を得ることです。
そして、その目的はおおむね達成されています。
日本がソロモン方面に到達するまでの間、米海軍は有効な対抗措置をとれなかったのですから。
> わがほうはミッドウェイ大敗で背骨を折られて、ついに回復できなかった。
ミッドウェー海戦のことは真珠湾攻撃の是非とは関係ありません。
国力や生産力の差について指摘したいのでしょうが、それは対米戦自体を否定する材料にはなっても真珠湾攻撃を否定する材料にはなりえません。
実力差のある相手とどうしても戦わなければならないとしたら、先手必勝で初戦で稼げるだけ戦果を稼ぐのは常套手段です。
> 井上成美が言っていたように、「油が無ければ、買ってくればよい」のです。
どこから買えたというんですか?
当時の産油国で日本に石油を売ってくれる国なんかありません。
蘭印総督との交渉も失敗に終わっています。
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