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> > アメリカは日本との戦争に踏み切るか、ためらったでしょうね。
> > 対独との二正面作戦になるからです。
>
> 米政府はためらいません。
ためらったと思いますよ。
米軍参謀本部では、イギリスと日本を同時に敵にした場合を想定した
「レッド・オレンジ・オペレーション」
がありまして、その場合、軍事資源が不足するので、対英戦を優先することにしていました。
> 米政府は日本が本当に開戦に踏み切るとは思っていませんでしたが、戦争自体はするつもりで準備をしていたのです。
米国は日本以外にもカナダ、メキシコ、フランスなどいろいろな国を敵にした場合を想定して、色で区別して「カラーコード戦争計画」を準備していたので、日本はそのひとつにすぎません。
> 1941年秋頃の米政府は中国からの参戦要請に対し「あと3か月で戦争の準備が整うからもう少し待て」というような返事をしています。
待たせたのはなぜかというと、アジア方面はヨーロッパより優先度が低いからです。
> 日本が戦争を仕掛けなければ、米側から戦争を仕掛けられていたことは疑いようがありません。
それはどうですかね?
おおいに疑わしいですね。
米国が戦争を仕掛けて得るものはほとんどありませんよ。
げんに、中国は蒋介石に援助するだけで、米軍が介入することはなかった。
あ、フライング・タイガースがありますけど。
>そして、日本側から戦争を仕掛けるとしたら、1941年12月以外のタイミングは選択できないのは周知のとおりです。
浅学にして「周知のとおり」を知りません。
ご説明願いたく。
> だいたい、モンロー主義はあくまでも欧州のイザコザには関与しないという程度のことで
あの、欧州のイザコザというのは、田舎のアジアよりずっと優先度が高いのですよ。
大西洋経由の貿易額は、アジアなんか問題にならないほど大きかった。
> 日本の真珠湾攻撃のせいで米国がモンロー主義を捨てたというのは的外れな指摘としか思えません。
いえいえ、それまで米国は対独宣戦すらしていなかったのですよ。
> モンロー主義は米国の国力を西に集中させるために東のことは無視するというものにすぎず、アジア地域を「解放」した以上、いつまでも西にだけ力を集中し東を放置する必要は無い。
あの、米国がヨーロッパ方面に投入した兵力はアジアよりずっと大きいので。
ナチス・ドイツは1940年にイギリス以外の全ヨーロッパをほぼ統一していて、
たいへんな勢力圏だった。
> > 目的は、日本が必要とする物資を確保することで、対米開戦することではない。
> >
> > 山本五十六は、この政治問題を、アメリカ海軍との対決という軍事問題に
> > 矮小化してしまったのですね。
>
> 政治問題の解決は政府・政治家・外交官の仕事であって軍人の仕事ではありません。軍人が問題解決に自らの専門分野で貢献しようとするのは当然のことです。ましてや5・15事件後の帝国海軍軍人に政治問題に関与しろというのは無理な要求です。
でも、彼らは関与したがった。
「統帥権干犯」が殺し文句ですね。
> そして政府・政治家・外交官らは結果的に間違った(あるいは足りなかった)とはいえ、やるべきことはおおむねやっています。
そうは思えませんね。
ではなぜ、負けるに決まっている戦争をはじめてしまったのでしょう?
> > アメリカの主力艦をいくらか沈めても、大勢には何の影響もない。
> > アメリカは、新しく戦艦を造るでしょう。
>
> 初戦で主力艦隊を撃破して米国を屈服させるなんてことはもちろん夢物語です。そんな夢物語を真面目に吹聴していたのは山本五十六だけです。
> 真珠湾攻撃で重要だったのは、初手で米主力艦隊の作戦能力を奪うことで日本が南方進出の時間を得ることです。
> そして、その目的はおおむね達成されています。
その「目的」は全く無意味だったわけで、進出した南方を確保できたのは、たかだか3年に過ぎない。
3年のために260万人を戦死させる意味は全く無い。
そもそも、奇襲をやったのは、正攻法ではとても勝ち目がないからでしょう。
小手先を弄したところで、どうにもなりません。
> 日本がソロモン方面に到達するまでの間、米海軍は有効な対抗措置をとれなかったのですから。
そして到達したソロモンは、あっという間に奪回されたわけです。
>
> > わがほうはミッドウェイ大敗で背骨を折られて、ついに回復できなかった。
>
> ミッドウェー海戦のことは真珠湾攻撃の是非とは関係ありません。
> 国力や生産力の差について指摘したいのでしょうが、それは対米戦自体を否定する材料にはなっても真珠湾攻撃を否定する材料にはなりえません。
いえいえ、真珠湾を攻撃するというのは、米国と全面戦争にはいることと同義です。
> 実力差のある相手とどうしても戦わなければならないとしたら、先手必勝で初戦で稼げるだけ戦果を稼ぐのは常套手段です。
「先手必勝」の意味がわかりませんが。
あっという間に負けてしまったのだから。
警備兵力に毛の生えた程度の場所に乗り込んで「戦果」といわれてもねえ。
>
> > 井上成美が言っていたように、「油が無ければ、買ってくればよい」のです。
>
> どこから買えたというんですか?
第三国経由で、どうにでもできたでしょう。
もちろん、スポット価格で、おそろしく高くついたでしょうけれど、それでも戦争を始めるより遥かに安価である。
当時のオランダは、亡命政府がロンドンにあるだけで、何の力も無かったのだから。
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